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ご満悦のヴァルプルギス

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「ん…⁉︎」


優也程ではないが酩酊状態でフラフラと宙に浮いたヴァルプルギスは地上を眺めた…




車の中で眠る優也…自分に対してひれ伏す二人組…


ヴァルプルギスはニヤリと左の口角を上げた。




「なんじゃ…そなた達…

優也を王…わらわを王妃様だと…

なかなか理解わかっておるではないか…」



「ははっ…我々はその…

王にどうしても御協力頂かなくてはいけないことがありまして…


このままヴァルハラへと帰るつもりでしたが…

お二人がお揃いになられるところをまた拝見出来るとは…感無量でございます。」


瞳を潤ませるネザー。そして弓は目頭を抑えている…




ヴァルハラ……?




聞き慣れない地名にプラティナ達は首を傾げた。

しかし…そこがどんな場所であろうとも自分達の優也を連れていこうとしていることなど到底許すことなど出来ない。




「なんじゃ…お主ら…わらわと優也を長として迎えに来たと言うのかえ…?」



弓とネザーはまた顔を見合わせる。


「も、勿論でございます…

今のヴァルハラを…

昔のように素晴らしい国に戻す事が出来るのはお二人様だけでございます…」




そう言って二人はまた地面にひれ伏した。


ヴァルプルギスは笑みを浮かべたまま…


「ふむ…良いじゃろう…

わらわはそなた達を気に入ったぞ。

ヴァルハラとやらに連れてゆくが良い…」



そのやりとりに当然…プラティナは激昂して叫んだ。




「ちょっと…あなた!!

一体どちらの味方なのよ…

ダーリンの気持ちを最優先させてくれるんじゃないの…⁉︎

ダーリンはきっと…私やミスやリルの所に早く帰りたいって言うに決まっているわ…」



「フフン…わらわを味方だと思うていたとは…

乳嫁よ…お主もまだまだよの…」


「うっ……」




プラティナにはヴァルプルギスの言いたい事が何となく理解っているようだった…




何度となく力を合わせて強大な敵に挑み…

そして壁を乗り越える度にお互いを認め合ってきた。


優也を護る…

その事については同志だと思っていたのだが…


元々、ワルプルギスは魔界も人間界も同時に手に入れようとしていた史上最悪最強の魔女だ。


しかし…彼女には全てを投げうってでも大切にしたい存在が現れた…


それが優也だ。


命を投げ出したのも…

この世に執着しているのも…

己の考えを曲げてでも一人の人間に尽くしているのも…



全ては自分の美学のためである…



だから…優也を巡る一番のライバルだと思ってきたのだが…


何処かに確かに彼女に対する尊敬の念をプラティナは持っていた。



しかし…そんな彼女に構わずヴァルプルギスはネザーと弓に向かって…


「さあ…善は急げじゃ…

そなた達…早う出発せい!!」



「は、はい…!!」



……パチン!!!


ネザーは指を鳴らす…


すると…!!!




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