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【5月14日③】ハイスペック美少女風男子は漢前w
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「詠斗くん…」
私の思考を止めたのは、詠斗くんだった。
「雫が目覚めたって時雨から連絡きてな。みんな来たがったが、大勢だと迷惑かもって遠慮してくれたんだ」
詠斗くんは私の寝ていたベッドまで来ると、私の顔を覗き込んだ。
「雫は、もし誰かを助けて自分が怪我をしたら、助けた相手を恨むか?」
詠斗くんの静かな声に、頭が冴えるようだった。
「…そんな事しない!」
私は勢い良く頭を横に振る。
助けた相手が無事だった時、良くやった自分って思ったもん!
「だろ?」
あ、そうか。
私、落ち着いてると思っていたけど、だいぶ混乱していたんだ。
「詠斗くん。本当にありがとう!怪我させちゃってごめんなさい…」
「気にすんな?女の子が危ない目に合うって解ってて助けない男はいないだろ?」
私が詠斗くんに感謝を告げると、詠斗くんは何でもないように言って頭を撫でてくれた。
可愛いのに漢前すぎるってギャップ萌えだから!
「いや、でもお前、一歩間違えば大怪我してたんたぞ?」
ホッとした顔の霜月ちゃんの顔色が良くなっていき、詠斗くんに軽口を叩き始める。
全くもって、霜月ちゃんの言う通りだよ?
私と時雨はうんうんと頷いて詠斗くんを見る。
「や、捕まえたらそのままの勢いで転がって、受け身の体制で勢いを殺せば衝撃は最小限じゃね?って思ったし、少なくとも雫に怪我はさせないと確信したからやっただけじゃん」
いやいやいやいや、私じゃなくて、詠斗くんの怪我の話ー!
「俺も無傷のハズだったんだけど、走った勢いが良すぎて、2回転しちゃったんだよなー」
てへっと笑った顔は可愛いけど!
「はー。何でもないように言ってるけど、お前、それ一瞬で考えて行動するってなかなか出来ないからな?」
「出来る出来るw」
「いや、野性動物だから出来るんだって自覚しろ」
「えー」
こんな軽口を言う霜月ちゃんは珍しいな。
「何にせよ、雫を助けてくれてありがとうな。本当に感謝してる」
と、思ったら急に真面目に詠斗くんに頭を下げた。
時雨も同じように頭を下げている。
「おい、急にマジになるのやめれ」
「マジで感謝してるからな」
「俺からも礼を言う。雫を受け止めてくれて、ありがとう」
「あー。うん。無事で良かったよ」
詠斗くんの耳が赤い。
「もう、謝罪終わり!お前ら兄弟、でかい図体で鬱陶しい!顔あげろ!」
真面目に感謝されて照れているんだ。
私達は顔を見合わせて笑い合った。
私の思考を止めたのは、詠斗くんだった。
「雫が目覚めたって時雨から連絡きてな。みんな来たがったが、大勢だと迷惑かもって遠慮してくれたんだ」
詠斗くんは私の寝ていたベッドまで来ると、私の顔を覗き込んだ。
「雫は、もし誰かを助けて自分が怪我をしたら、助けた相手を恨むか?」
詠斗くんの静かな声に、頭が冴えるようだった。
「…そんな事しない!」
私は勢い良く頭を横に振る。
助けた相手が無事だった時、良くやった自分って思ったもん!
「だろ?」
あ、そうか。
私、落ち着いてると思っていたけど、だいぶ混乱していたんだ。
「詠斗くん。本当にありがとう!怪我させちゃってごめんなさい…」
「気にすんな?女の子が危ない目に合うって解ってて助けない男はいないだろ?」
私が詠斗くんに感謝を告げると、詠斗くんは何でもないように言って頭を撫でてくれた。
可愛いのに漢前すぎるってギャップ萌えだから!
「いや、でもお前、一歩間違えば大怪我してたんたぞ?」
ホッとした顔の霜月ちゃんの顔色が良くなっていき、詠斗くんに軽口を叩き始める。
全くもって、霜月ちゃんの言う通りだよ?
私と時雨はうんうんと頷いて詠斗くんを見る。
「や、捕まえたらそのままの勢いで転がって、受け身の体制で勢いを殺せば衝撃は最小限じゃね?って思ったし、少なくとも雫に怪我はさせないと確信したからやっただけじゃん」
いやいやいやいや、私じゃなくて、詠斗くんの怪我の話ー!
「俺も無傷のハズだったんだけど、走った勢いが良すぎて、2回転しちゃったんだよなー」
てへっと笑った顔は可愛いけど!
「はー。何でもないように言ってるけど、お前、それ一瞬で考えて行動するってなかなか出来ないからな?」
「出来る出来るw」
「いや、野性動物だから出来るんだって自覚しろ」
「えー」
こんな軽口を言う霜月ちゃんは珍しいな。
「何にせよ、雫を助けてくれてありがとうな。本当に感謝してる」
と、思ったら急に真面目に詠斗くんに頭を下げた。
時雨も同じように頭を下げている。
「おい、急にマジになるのやめれ」
「マジで感謝してるからな」
「俺からも礼を言う。雫を受け止めてくれて、ありがとう」
「あー。うん。無事で良かったよ」
詠斗くんの耳が赤い。
「もう、謝罪終わり!お前ら兄弟、でかい図体で鬱陶しい!顔あげろ!」
真面目に感謝されて照れているんだ。
私達は顔を見合わせて笑い合った。
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