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【4月11日⑩】先輩の優しさは斜め上w
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嫌な予感は大当りだった。
促されて登って行くヒロインは、私達が手を繋いでいる事が信じられないと言ったように、ちらちら気にしていた。
「なぁに?小さい子みたい。くすっ」
漸くして私達が手を繋いでいる事についてヒロインが突っ込みを入れてきた。
デスヨネー。
霜月ちゃん狙いなのは解っていたけど、攻略対象者じゃなくても時雨はイケメンだから、普通に狙われてもおかしくないし、時雨にも粉をかけようとしてるのはお昼の事件でも明らかだったし、実際、狙ってるっぽいからなぁ。
「アレは事情があるんだ。気にするな」
江守君は一応事情を知っているので、然り気無くスルーさせようとした。
ふむ、さすがにその辺は既に制裁された後だけに解ってるのね。
江守君は1年の時、入学してすぐのこのオリエンテーションで、いつものように手を繋いでいた私達を馬鹿にし、お姉さま方からボロクソにされた。
お姉さま方の辛辣な言葉責めにより、精神的に攻撃された江守君は二度と私達を馬鹿にする事は無くなった。
駄菓子菓子…いや、だから、懐かしのボケをかましてる場合じゃないわ。
事情を知らないヒロインはここぞとばかりに言い募った。
「でもでもぉ、幼い子なら解るけどぉ、高校2年ですよぉ?いくらなんでもぉ、おかしくないですかぁ?」
安定の猫なで声。
「雫ちゃん、大丈夫?」
こそっと縁先輩が聞いてくれるので、私は「はい」と答えておいた。
気にしてないとはいえ、さすがにあからさま過ぎて気分的には良くない。
でも、本来ならこれが普通の反応なのよね。
「じゃ、こっちは俺と繋ごう♪」
え?
「縁先輩?」
縁先輩は時雨の右手と手を繋いで歩きだした。
「…先輩、そこは俺じゃなくて雫と繋いで下さい」
されるがままな時雨が、一応抗議する。
「えー。だって、俺が雫ちゃんと手を繋いだのが霜月にバレたら睨まれそうだもん!」
得意気な先輩の“だもん”が可愛くて悶えたいんですけど!
「いや、それは…あり得なくないですけど…」
そうよね。
霜月ちゃんだもの。
いくら縁先輩が美人さんでも、説明を求めて詰め寄るぐらいはしそうよね…。
「でしょ~?あ、雫ちゃんの反対側は陽向先生が繋げばいいんじゃない?」
「え?僕ですか?」
「そー。陽向先生なら家族同然だし、それなら霜月は何も言えないでしょ~?」
「なるほど」
納得した陽向先生が私の左手を取る。
何だろう。
花いちもんめを思い出したわw
私達は仲良く4人で手を繋いで歩いていく。
道幅広くて良かった。
「喜多見達は、両手に花だなw」
若干笑いを堪えたような武田先生。
ハッとして前を見ると嘲るようにニヤニヤしていたヒロインは、ムッとした顔に変わっていた。
みんなで手を繋ぐ事を先輩が言い出したので、嫌味を言うつもりはないらしい。
そのまま、腑に落ちないと言った顔で江守君達と登っていった。
私は、縁先輩の機転で嫌な気分が払拭。
次のポイントで手を離してから「ありがとうございます」とこっそり伝えた。
促されて登って行くヒロインは、私達が手を繋いでいる事が信じられないと言ったように、ちらちら気にしていた。
「なぁに?小さい子みたい。くすっ」
漸くして私達が手を繋いでいる事についてヒロインが突っ込みを入れてきた。
デスヨネー。
霜月ちゃん狙いなのは解っていたけど、攻略対象者じゃなくても時雨はイケメンだから、普通に狙われてもおかしくないし、時雨にも粉をかけようとしてるのはお昼の事件でも明らかだったし、実際、狙ってるっぽいからなぁ。
「アレは事情があるんだ。気にするな」
江守君は一応事情を知っているので、然り気無くスルーさせようとした。
ふむ、さすがにその辺は既に制裁された後だけに解ってるのね。
江守君は1年の時、入学してすぐのこのオリエンテーションで、いつものように手を繋いでいた私達を馬鹿にし、お姉さま方からボロクソにされた。
お姉さま方の辛辣な言葉責めにより、精神的に攻撃された江守君は二度と私達を馬鹿にする事は無くなった。
駄菓子菓子…いや、だから、懐かしのボケをかましてる場合じゃないわ。
事情を知らないヒロインはここぞとばかりに言い募った。
「でもでもぉ、幼い子なら解るけどぉ、高校2年ですよぉ?いくらなんでもぉ、おかしくないですかぁ?」
安定の猫なで声。
「雫ちゃん、大丈夫?」
こそっと縁先輩が聞いてくれるので、私は「はい」と答えておいた。
気にしてないとはいえ、さすがにあからさま過ぎて気分的には良くない。
でも、本来ならこれが普通の反応なのよね。
「じゃ、こっちは俺と繋ごう♪」
え?
「縁先輩?」
縁先輩は時雨の右手と手を繋いで歩きだした。
「…先輩、そこは俺じゃなくて雫と繋いで下さい」
されるがままな時雨が、一応抗議する。
「えー。だって、俺が雫ちゃんと手を繋いだのが霜月にバレたら睨まれそうだもん!」
得意気な先輩の“だもん”が可愛くて悶えたいんですけど!
「いや、それは…あり得なくないですけど…」
そうよね。
霜月ちゃんだもの。
いくら縁先輩が美人さんでも、説明を求めて詰め寄るぐらいはしそうよね…。
「でしょ~?あ、雫ちゃんの反対側は陽向先生が繋げばいいんじゃない?」
「え?僕ですか?」
「そー。陽向先生なら家族同然だし、それなら霜月は何も言えないでしょ~?」
「なるほど」
納得した陽向先生が私の左手を取る。
何だろう。
花いちもんめを思い出したわw
私達は仲良く4人で手を繋いで歩いていく。
道幅広くて良かった。
「喜多見達は、両手に花だなw」
若干笑いを堪えたような武田先生。
ハッとして前を見ると嘲るようにニヤニヤしていたヒロインは、ムッとした顔に変わっていた。
みんなで手を繋ぐ事を先輩が言い出したので、嫌味を言うつもりはないらしい。
そのまま、腑に落ちないと言った顔で江守君達と登っていった。
私は、縁先輩の機転で嫌な気分が払拭。
次のポイントで手を離してから「ありがとうございます」とこっそり伝えた。
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