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≪本編≫
【本編49】
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コンコンコン
2人して惰眠を貪っていたら、ノックされた。
「はーい?」
「お昼だよ~。着替えてリビングにおいで~」
高千穂さんだった。
そういえば、起きてから1回戦して、シャワーを一緒に浴びた後に簡単に食べただけでゴロゴロしていたし、夕べもそれどころじゃなかったからなぁ。
思い出したら急にお腹が空いてきた。
「十夜さん起きれます?」
先に下着とズボンを履いた俺は、ベッドでゴロゴロしている十夜さんに声をかける。
「ん」
十夜さんが両手を伸ばして待機する。
抱えるように起こしてあげると万歳をした。
服を着せろと言うんですね。
もちろん、やりますとも♪
「ありがと」
くすくす笑いながら俺のパーカーを着せると、照れくさそうに微笑んでお礼を言ってくれた。
「パンツ無いけど見えそうも無いから大丈夫かな?」
パーカーの裾は俺でも長めだったから、完全に膝丈のワンピースだ。
「うん。ちぃ達だし平気だろ」
そう言いながらベッドから降りようとした十夜さんが、ベッドに座り込んだまま固まる。
「秀臣、秀臣。まだ無理かも」
「ちょっと無茶しすぎましたね。ごめんなさい」
母さんの薄い本にもあったけど、致した後、受けた方が立てない事があるってのは、今朝、シャワー浴びる時に実感したけどまだ回復してないみたいだ。
「謝んなよ。俺だって…その‥あんな、気持ちいいとは…思わなかった‥から…」
最中の涙目で“もっと”には鼻血が出るかと思いましたよ?
ってか、良くこんな体格差で入っ…いやいやいやいや。
考えちゃ駄目だ。
反応しちゃう…。
「…抱っこしてくれる?」
「喜んでw」
俺は何食わぬ顔で十夜さんを抱き抱えて、頭の中で素数を考えながらリビングに向かった。
「おっはよ~♪」
「おはよう」
リビングのドアを開けると竜也さんがキッチンで料理をして、高千穂さんがいそいそと皿を運んでいる。
「おはようございます」
「はよー」
俺はちゃぶ台の1ヶ所に十夜さんを座らせる。
「おはよ。でももう、遅ようの時間よ?」
そこには、にやにやした母さんまでいた。
「おはようございます?」
十夜さんの疑問系な挨拶にほっこりするけど、色々バレてるみたいでちょっと気恥ずかしい。
「おはよ。母さん何でいるの?」
「あら、ご挨拶ね。せっかく十夜くんが退院してきたんだから、顔見に来たっていいじゃない」
口を尖らせて反論する母さんをじっと見つめる。
「本音は?」
「とうとうモノにしたのか気になって見に来たわ!で、どうなの?本懐は遂げたのかしら?」
母さんは鼻息を荒くしてにじり寄ってきた。
十夜さんはきょとんとしてて意味が解らないみたいだけど、竜也さんと高千穂さんのアダルト組は微笑ましい感じでこっちを見ている。
何この羞恥プレイ!
恥ずかしい…。
「あら!あらあらあら!」
顔が赤いだろう俺を見た母さんが、にやにや度を増して俺と十夜さんを交互に見る。
「大人の階段登っちゃったのね!?十夜くんの退院祝いだけじゃなく、秀臣の初恋成就のお祝いもしましょうね!」
「や、あの…母さん?」
「あ、脱・童て「母さんっ!それはばらさないで!!」あら。ごめんなさいw」
勢いが止まらない母さんを遮り十夜さんを見ると、さすがに意味が解ったみたいで、真っ赤になってわたわたとしながら、俺の腕にしがみついて顔を隠す。
「…あの、社長さん。俺…」
「恥ずかしがってるトコも可愛いわね~」
そこは同感。
脱・DTがバレたけど、十夜さんが可愛いからいいや。
「…あの、俺…」
十夜さんは言い難そうに口を開いたり閉じたりしている。
俺には十夜さんが自分の事を話そうとしているのが解った。
「…実はね、諸々の事情は貴方に確認も取らずにおじいさんから聞いてしまったの」
言いたい事に気付いた母さんが先に話を切り出す。
「…え」
十夜さんは呆然と母さんを見ていた。
「十夜くんが気にする事も客観的になら解るわ」
そう。
本人の気持ちは本人にしか解らない。
だから、母さんは“客観的に”と言ったんだろう。
「でもね、一番大事なのは本人達の気持ち。2人が真剣ならそれでいいのよ。少なくとも私の周りには生まれや育ち、性別に拘るような人は居ないわ」
「…社長‥さん…ありがと‥うござ…います…」
十夜さんはそう言って、堪えきれずにぽろぽろと涙を流した。
俺は腕にしがみついている十夜さんの向きを変えて包み込むように抱き締めた。
「湿っぽい話は終わりよ!美味しいご飯を食べましょう」
母さんは一際明るい声で言って、俺の腕の中にいる十夜さんの頭を撫でた。
「ところで、美味しいご飯って?」
キッチンで忙しなく動いている高千穂さんは皿を並べる係みたいだけど、もしかして…。
「今日は午後から予定もないし、 お腹空いて帰ってきたら何もなくて、あんた達まだ寝てるみたいだったから、竜也くんにお昼頼んだのよ」
やっぱり…。
美味しいご飯の時点で何となく予想はしてたけれども!
「…すいません、竜也さん…」
母さんの横暴に思わず脱力してしまう…。
「いや。寧ろ、材料を提供して貰ったから逆に申し訳無いんだが…」
そう言って、カウンターに料理を並べながら竜也さんが苦笑する。
「手伝ってきますね」
十夜さんが泣き止んだのを確認してから、巨大クッションを渡して抱えさせる。
泣いたのが恥ずかしいのかこくんと頷いて、大人しく巨大クッションを抱える十夜さんを置いて、立ち上がってカウンターの中を見る。
絶対、俺達が買わないような高級食材が所狭しと並んでいた。
どうして料理出来ない人って、高級食材を使えば美味しい物が出来ると信じて買ってくるんだろう?
どんなに高級でも、調理で左右されるのは今までの消し炭で解ってるハズなのになぁ。
ガス台の奥にはでっかい鍋がもうもうと湯気を立てている。
天ぷら…うどんかな?
十夜さん好きだもんね。
「十夜くんの快気祝いは今度ちゃんとやって、今日はまったり退院祝いしましょ」
母さんはそう言いながら運ばれてくる料理に目を輝かせた。
2人して惰眠を貪っていたら、ノックされた。
「はーい?」
「お昼だよ~。着替えてリビングにおいで~」
高千穂さんだった。
そういえば、起きてから1回戦して、シャワーを一緒に浴びた後に簡単に食べただけでゴロゴロしていたし、夕べもそれどころじゃなかったからなぁ。
思い出したら急にお腹が空いてきた。
「十夜さん起きれます?」
先に下着とズボンを履いた俺は、ベッドでゴロゴロしている十夜さんに声をかける。
「ん」
十夜さんが両手を伸ばして待機する。
抱えるように起こしてあげると万歳をした。
服を着せろと言うんですね。
もちろん、やりますとも♪
「ありがと」
くすくす笑いながら俺のパーカーを着せると、照れくさそうに微笑んでお礼を言ってくれた。
「パンツ無いけど見えそうも無いから大丈夫かな?」
パーカーの裾は俺でも長めだったから、完全に膝丈のワンピースだ。
「うん。ちぃ達だし平気だろ」
そう言いながらベッドから降りようとした十夜さんが、ベッドに座り込んだまま固まる。
「秀臣、秀臣。まだ無理かも」
「ちょっと無茶しすぎましたね。ごめんなさい」
母さんの薄い本にもあったけど、致した後、受けた方が立てない事があるってのは、今朝、シャワー浴びる時に実感したけどまだ回復してないみたいだ。
「謝んなよ。俺だって…その‥あんな、気持ちいいとは…思わなかった‥から…」
最中の涙目で“もっと”には鼻血が出るかと思いましたよ?
ってか、良くこんな体格差で入っ…いやいやいやいや。
考えちゃ駄目だ。
反応しちゃう…。
「…抱っこしてくれる?」
「喜んでw」
俺は何食わぬ顔で十夜さんを抱き抱えて、頭の中で素数を考えながらリビングに向かった。
「おっはよ~♪」
「おはよう」
リビングのドアを開けると竜也さんがキッチンで料理をして、高千穂さんがいそいそと皿を運んでいる。
「おはようございます」
「はよー」
俺はちゃぶ台の1ヶ所に十夜さんを座らせる。
「おはよ。でももう、遅ようの時間よ?」
そこには、にやにやした母さんまでいた。
「おはようございます?」
十夜さんの疑問系な挨拶にほっこりするけど、色々バレてるみたいでちょっと気恥ずかしい。
「おはよ。母さん何でいるの?」
「あら、ご挨拶ね。せっかく十夜くんが退院してきたんだから、顔見に来たっていいじゃない」
口を尖らせて反論する母さんをじっと見つめる。
「本音は?」
「とうとうモノにしたのか気になって見に来たわ!で、どうなの?本懐は遂げたのかしら?」
母さんは鼻息を荒くしてにじり寄ってきた。
十夜さんはきょとんとしてて意味が解らないみたいだけど、竜也さんと高千穂さんのアダルト組は微笑ましい感じでこっちを見ている。
何この羞恥プレイ!
恥ずかしい…。
「あら!あらあらあら!」
顔が赤いだろう俺を見た母さんが、にやにや度を増して俺と十夜さんを交互に見る。
「大人の階段登っちゃったのね!?十夜くんの退院祝いだけじゃなく、秀臣の初恋成就のお祝いもしましょうね!」
「や、あの…母さん?」
「あ、脱・童て「母さんっ!それはばらさないで!!」あら。ごめんなさいw」
勢いが止まらない母さんを遮り十夜さんを見ると、さすがに意味が解ったみたいで、真っ赤になってわたわたとしながら、俺の腕にしがみついて顔を隠す。
「…あの、社長さん。俺…」
「恥ずかしがってるトコも可愛いわね~」
そこは同感。
脱・DTがバレたけど、十夜さんが可愛いからいいや。
「…あの、俺…」
十夜さんは言い難そうに口を開いたり閉じたりしている。
俺には十夜さんが自分の事を話そうとしているのが解った。
「…実はね、諸々の事情は貴方に確認も取らずにおじいさんから聞いてしまったの」
言いたい事に気付いた母さんが先に話を切り出す。
「…え」
十夜さんは呆然と母さんを見ていた。
「十夜くんが気にする事も客観的になら解るわ」
そう。
本人の気持ちは本人にしか解らない。
だから、母さんは“客観的に”と言ったんだろう。
「でもね、一番大事なのは本人達の気持ち。2人が真剣ならそれでいいのよ。少なくとも私の周りには生まれや育ち、性別に拘るような人は居ないわ」
「…社長‥さん…ありがと‥うござ…います…」
十夜さんはそう言って、堪えきれずにぽろぽろと涙を流した。
俺は腕にしがみついている十夜さんの向きを変えて包み込むように抱き締めた。
「湿っぽい話は終わりよ!美味しいご飯を食べましょう」
母さんは一際明るい声で言って、俺の腕の中にいる十夜さんの頭を撫でた。
「ところで、美味しいご飯って?」
キッチンで忙しなく動いている高千穂さんは皿を並べる係みたいだけど、もしかして…。
「今日は午後から予定もないし、 お腹空いて帰ってきたら何もなくて、あんた達まだ寝てるみたいだったから、竜也くんにお昼頼んだのよ」
やっぱり…。
美味しいご飯の時点で何となく予想はしてたけれども!
「…すいません、竜也さん…」
母さんの横暴に思わず脱力してしまう…。
「いや。寧ろ、材料を提供して貰ったから逆に申し訳無いんだが…」
そう言って、カウンターに料理を並べながら竜也さんが苦笑する。
「手伝ってきますね」
十夜さんが泣き止んだのを確認してから、巨大クッションを渡して抱えさせる。
泣いたのが恥ずかしいのかこくんと頷いて、大人しく巨大クッションを抱える十夜さんを置いて、立ち上がってカウンターの中を見る。
絶対、俺達が買わないような高級食材が所狭しと並んでいた。
どうして料理出来ない人って、高級食材を使えば美味しい物が出来ると信じて買ってくるんだろう?
どんなに高級でも、調理で左右されるのは今までの消し炭で解ってるハズなのになぁ。
ガス台の奥にはでっかい鍋がもうもうと湯気を立てている。
天ぷら…うどんかな?
十夜さん好きだもんね。
「十夜くんの快気祝いは今度ちゃんとやって、今日はまったり退院祝いしましょ」
母さんはそう言いながら運ばれてくる料理に目を輝かせた。
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