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≪本編≫
【本編46】
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「無事に両想いになったみたいだし、俺達は新しいマンションに帰るか」
「え!?引っ越したの?」
爆弾発言をする竜也さんに、十夜さんは驚いていた。
「えへへ~。実は既に新居で暮らしてたりしてw」
高千穂さんは得意気に言った。
実は事件があった前のマンションはすでに解約している。
「え!?…あ、ここから‥遠い?」
涙目で探るように竜也さんと高千穂さんを見上げる十夜さん。
俺にしがみついている手に力が入った。
「そうだなー」
「うーん。どれぐらいかかるかちゃんと計った事ないよね」
2人供、意外と悪ノリが好きですよね。
自惚れていいなら、たぶん、十夜さんは俺とは一緒に住めなくなる事にしょんぼりしている…ハズ。
「秀臣…お別れ?もう、一緒じゃない?」
涙目で片言になっちゃってますよ!
「まぁ、高校生の秀臣には秀臣の生活もあるからな」
「大丈夫だよ~。いつでも会えるから!」
「確かに、いつでも会えますよね…」
「ホント?」
「はい。十夜さんがその気になればいつでも会えますよ?」
ちなみに、引っ越し先はこのマンションの801号室。
「歩いて1分掛かりませんからね」
つまり、隣だ。
「え?は?」
母さんが、竜也さんと十夜さん、それからYORUの正式雇用を条件に格安で賃貸する契約を仮で交わしたからだ。
最初は好条件に遠慮していた竜也さんと高千穂さんだったけど、母さんの「十夜くんが退院して嫌だって言ったら、改めて引っ越しなさい。それに、中で繋がってるから秀臣も一緒に住む訳だし、ついでにあの子の面倒見てくればいいのよ」という発言に苦笑いしながら了承した。
母さん、俺はついでなの?
突っ込みたいが母さんの好意でここにみんなで住み続けられるので黙ってるけどね。
「奥の廊下使えば掛からないな」
「え?え?」
十夜さんは自分達が荷物置き場に使っていた部屋しか出入りしなかったから気付かなかったみたいだけど、トレーニング機器はすでに隣の部屋に運び込まれている。
隣の部屋にあった母さんの荷物はこの部屋のトレーニングルームだった場所に移動済みだ。
向こうのリビングもいつも使っていた畳とちゃぶ台と座布団、それから奥にリクライニングソファーと壁掛けテレビを既に設置してある。
1部屋はベッドを3台詰め込み、寝部屋になっている。
後は、十夜さんが退院してから取るだろう行動を把握していた竜也さんと高千穂さんが、荷物置き場にしていた部屋だけそのまましていただけだ。
「玄関使っても掛からないんじゃない?」
「は?何それ?」
ちなみに、こっちの部屋のリビングのちゃぶ台やら畳は、母さんが和風もいいわね、と言って買い揃えた物だ。
ベッドの2台は母さんの部屋に、後の1台は俺の部屋に運んであった
置いてあった場所には俺の部屋に入れてあった応接セットが戻されている。
巨大テレビも母さんが大画面で映画が見たいからと言って買い換えた。
多分、仕切りがあるから気付かなかったんだろう。
「ああ、新しいマンションの鍵だ。カードキーだから無くすなよ?」
竜也さんが新しいカードキーを十夜さんに渡す。
もちろん、そのカードにはウチのマンションの名前と801号室の番号が書いてある。
「なっ!うぇっ!?はぁ?」
驚いてる驚いてるw
「社長が条件付きで格安で貸してくれたんだよ~」
「条件はお前次第だが、荷物部屋以外はもう片付いてるからな」
「ちなみに、竜也さんと十夜さん、それからYORUとして本契約してくれたら、ずっとこの距離ですw」
にやにや笑いの2人に便乗して、俺もにやにやしながら十夜さんを見る。
「お、お前らぁっ!」
涙目で俺達を交互に睨み付けていた十夜さんが、竜也さんと高千穂さんに向かって突進していく。
「むっきぃぃぃぃぃぃっ💢」
笑いながら敢えて十夜さんにぽこぽこと胸元を叩かれる高千穂さん。
笑いながら十夜さんを捕獲する竜也さん。
そして、そのまま十夜さんを俺に投げて寄越す。
俺も笑いながら十夜さんを受け止めて抱き締めた。
もう、最初の時みたいに受け止めきれなくて倒れる事は無くなった。
むくれながらも俺の胸にしがみついてすり寄る十夜さん。
ちょっと甘々がプラスされたけど、いつもの日常が戻ってきた瞬間だった。
「じゃ、十夜はこのまま置いてくね~♪」
「え?」
高千穂さんの言葉に十夜さんが驚く。
「今日はゆっくり秀臣くんと過ごしなよ。ね?」
「…うん」
今まで夜弌さんが居る時以外は一緒に寝ていたと聞いた事がある。
だから、戸惑うのも無理はないよね。
「どうしても眠れないなら連絡しろ」
「うん」
そう言って竜也さんはスマホを十夜さんに渡す。
それだけで十夜さんがホッとしたのが解る。
く、くやしい…。
こちとら、抱き締めてるのに安心しきってくれないっていうのに!
軽く竜也さんに嫉妬する。
「じゃ、ぐっな~い♪」
「…おやすみ」
「おやすみなさい」
「じゃあな。また明日。おやすみ」
2人はそう言って奥の廊下から隣の部屋に帰っていった。
「え!?引っ越したの?」
爆弾発言をする竜也さんに、十夜さんは驚いていた。
「えへへ~。実は既に新居で暮らしてたりしてw」
高千穂さんは得意気に言った。
実は事件があった前のマンションはすでに解約している。
「え!?…あ、ここから‥遠い?」
涙目で探るように竜也さんと高千穂さんを見上げる十夜さん。
俺にしがみついている手に力が入った。
「そうだなー」
「うーん。どれぐらいかかるかちゃんと計った事ないよね」
2人供、意外と悪ノリが好きですよね。
自惚れていいなら、たぶん、十夜さんは俺とは一緒に住めなくなる事にしょんぼりしている…ハズ。
「秀臣…お別れ?もう、一緒じゃない?」
涙目で片言になっちゃってますよ!
「まぁ、高校生の秀臣には秀臣の生活もあるからな」
「大丈夫だよ~。いつでも会えるから!」
「確かに、いつでも会えますよね…」
「ホント?」
「はい。十夜さんがその気になればいつでも会えますよ?」
ちなみに、引っ越し先はこのマンションの801号室。
「歩いて1分掛かりませんからね」
つまり、隣だ。
「え?は?」
母さんが、竜也さんと十夜さん、それからYORUの正式雇用を条件に格安で賃貸する契約を仮で交わしたからだ。
最初は好条件に遠慮していた竜也さんと高千穂さんだったけど、母さんの「十夜くんが退院して嫌だって言ったら、改めて引っ越しなさい。それに、中で繋がってるから秀臣も一緒に住む訳だし、ついでにあの子の面倒見てくればいいのよ」という発言に苦笑いしながら了承した。
母さん、俺はついでなの?
突っ込みたいが母さんの好意でここにみんなで住み続けられるので黙ってるけどね。
「奥の廊下使えば掛からないな」
「え?え?」
十夜さんは自分達が荷物置き場に使っていた部屋しか出入りしなかったから気付かなかったみたいだけど、トレーニング機器はすでに隣の部屋に運び込まれている。
隣の部屋にあった母さんの荷物はこの部屋のトレーニングルームだった場所に移動済みだ。
向こうのリビングもいつも使っていた畳とちゃぶ台と座布団、それから奥にリクライニングソファーと壁掛けテレビを既に設置してある。
1部屋はベッドを3台詰め込み、寝部屋になっている。
後は、十夜さんが退院してから取るだろう行動を把握していた竜也さんと高千穂さんが、荷物置き場にしていた部屋だけそのまましていただけだ。
「玄関使っても掛からないんじゃない?」
「は?何それ?」
ちなみに、こっちの部屋のリビングのちゃぶ台やら畳は、母さんが和風もいいわね、と言って買い揃えた物だ。
ベッドの2台は母さんの部屋に、後の1台は俺の部屋に運んであった
置いてあった場所には俺の部屋に入れてあった応接セットが戻されている。
巨大テレビも母さんが大画面で映画が見たいからと言って買い換えた。
多分、仕切りがあるから気付かなかったんだろう。
「ああ、新しいマンションの鍵だ。カードキーだから無くすなよ?」
竜也さんが新しいカードキーを十夜さんに渡す。
もちろん、そのカードにはウチのマンションの名前と801号室の番号が書いてある。
「なっ!うぇっ!?はぁ?」
驚いてる驚いてるw
「社長が条件付きで格安で貸してくれたんだよ~」
「条件はお前次第だが、荷物部屋以外はもう片付いてるからな」
「ちなみに、竜也さんと十夜さん、それからYORUとして本契約してくれたら、ずっとこの距離ですw」
にやにや笑いの2人に便乗して、俺もにやにやしながら十夜さんを見る。
「お、お前らぁっ!」
涙目で俺達を交互に睨み付けていた十夜さんが、竜也さんと高千穂さんに向かって突進していく。
「むっきぃぃぃぃぃぃっ💢」
笑いながら敢えて十夜さんにぽこぽこと胸元を叩かれる高千穂さん。
笑いながら十夜さんを捕獲する竜也さん。
そして、そのまま十夜さんを俺に投げて寄越す。
俺も笑いながら十夜さんを受け止めて抱き締めた。
もう、最初の時みたいに受け止めきれなくて倒れる事は無くなった。
むくれながらも俺の胸にしがみついてすり寄る十夜さん。
ちょっと甘々がプラスされたけど、いつもの日常が戻ってきた瞬間だった。
「じゃ、十夜はこのまま置いてくね~♪」
「え?」
高千穂さんの言葉に十夜さんが驚く。
「今日はゆっくり秀臣くんと過ごしなよ。ね?」
「…うん」
今まで夜弌さんが居る時以外は一緒に寝ていたと聞いた事がある。
だから、戸惑うのも無理はないよね。
「どうしても眠れないなら連絡しろ」
「うん」
そう言って竜也さんはスマホを十夜さんに渡す。
それだけで十夜さんがホッとしたのが解る。
く、くやしい…。
こちとら、抱き締めてるのに安心しきってくれないっていうのに!
軽く竜也さんに嫉妬する。
「じゃ、ぐっな~い♪」
「…おやすみ」
「おやすみなさい」
「じゃあな。また明日。おやすみ」
2人はそう言って奥の廊下から隣の部屋に帰っていった。
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