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≪本編≫
【本編36】※軽い暴力表現有り
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木村さんの先導で、十夜さん達の部屋に入る。
入講証が置いてあるのはリビングだと言って十夜さんはさっさと中に入っていく。
ピンポーン
「え?エントランスからのチャイム?」
「いけません!」
十夜さんがキッチンの横にあるドアフォンの方に行こうとするのを木村さんが止める。
「私が出ますから、下がってて下さい」
「あ、はい」
俺もリビングまで入っていき、十夜さんを引き寄せる。
「どなた様でしょう?」
『あれ?誰?もしかして508号室じゃない?』
「こちらは208号室ですね」
『ああ、すいません。押し間違えたみたいです』
「いえ、大丈夫です」
『失礼しました』
プーッ
「部屋を間違えたみたいですね」
「はー、焦った」
俺と十夜さんは緊張して強ばっていた体の力を抜いた。
その瞬間、バチッという音がしたと思ったら体に衝撃が走り、視界が傾いた。
倒れたんだと解ると同時に体が痺れて動かない事に気付いた。
そして、倒れた衝撃も結構痛い。
「秀臣!?」
十夜さんが気付いて振り返るが、同じようにバチッという音がして、目の前で倒れた。
「っつ…」
声が出ない。
何が起こったんだろうと目だけで辺りを伺うと、木村さんが銀の突起が二つ付いた黒い小さな箱のような物を持っているのが見えた。
あれはスタンガン?
「どうやって連れ出そうかと思ってたが、都合の良い事もあるもんだな」
木村さんはそう言って、鞄から紐を出した。
「っ…」
十夜さんの意識もあるようだ。
木村さんは十夜さんのカツラと眼鏡を外す。
この人は何をしてるんだ?
少し体が動いた。
そう言えば、日本のスタンガンは意識までは奪えないと、松本さんが言っていたのを思い出す。
「おとなしくしてろ」
バチッ
「ぐっ…」
動いた事で、もう一度スタンガンを当てられた。
体が痺れてめちゃめちゃ痛い。
木村さんは倒れている俺の体を座らせるように起こすと、俺の胸ポケットに入っているスマホを取り出した。
「これは預かっておく」
そして電源を切って自分の上着のポケットに入れてから、俺の手を後ろで縛り始めた。
さすがに護衛をしているだけあって、縛るのも馴れているんだろう。
俺は2分もしないうちに足も縛られた。
そして、リビングにあるテーブルまで引きずられ、そのテーブルの足に縛り付けられた。
それから、無理矢理開けさせられた口に、丸めたハンカチのようなものを詰められ、その上から布で猿ぐつわを噛まされる。
これじゃ声を出す事も出来ない…。
俺の次は十夜さんだった。
バチッと音がして、うめく十夜さん。
木村さんは動かなくなった十夜さんの衣服を剥ぎ取った。
俺は目を疑った。
この人は何をしてるんだ?
「はっ。女みたいな可愛い顔してるが、やっぱり付いてるもんは付いてるんだな」
そして、鞄から鎖の長い手錠を取り出し、全裸になった十夜さんの右足にはめる。
もう片方はリビングのドアの取っ手に引っ掛けられた。
拘束する訳じゃないのか?
それでも俺達はお互いが届かない位置に居た。
「悪く思うなよ」
そう言って木村さんは部屋から出ていった。
俺は痺れて動けないなりに目だけで十夜さんを見る。
十夜さんは悔しそうに顔を歪めていた。
十夜さんも体が痺れているみたいで、呻くだけで喋れないみたいだ。
玄関がガチャンと音を立てたかと思ったら、リビングの入り口に知らない男が立っていた。
「あ…ぁ…」
十夜さんの顔が恐怖に歪み、目を見開くのが見える。
体は小刻みに揺れていて、はめられた手錠から鎖がチャリチャリと小さな音を鳴らしている。
もしかして、この人が?
いや、間違いない。
十夜さんの震え方が半端ない。
それに、その男の十夜さんを見つめる目は血走っていて常軌を逸している。
「やっと会えたね。小夜」
男の手には十夜さんの足に繋がれている反対側の手錠が握られていた。
「…ひっ‥」
その男はニタリと嗤って十夜さんに近付いていく。
その後の事は、正直、目を疑いたくなるような光景だった。
入講証が置いてあるのはリビングだと言って十夜さんはさっさと中に入っていく。
ピンポーン
「え?エントランスからのチャイム?」
「いけません!」
十夜さんがキッチンの横にあるドアフォンの方に行こうとするのを木村さんが止める。
「私が出ますから、下がってて下さい」
「あ、はい」
俺もリビングまで入っていき、十夜さんを引き寄せる。
「どなた様でしょう?」
『あれ?誰?もしかして508号室じゃない?』
「こちらは208号室ですね」
『ああ、すいません。押し間違えたみたいです』
「いえ、大丈夫です」
『失礼しました』
プーッ
「部屋を間違えたみたいですね」
「はー、焦った」
俺と十夜さんは緊張して強ばっていた体の力を抜いた。
その瞬間、バチッという音がしたと思ったら体に衝撃が走り、視界が傾いた。
倒れたんだと解ると同時に体が痺れて動かない事に気付いた。
そして、倒れた衝撃も結構痛い。
「秀臣!?」
十夜さんが気付いて振り返るが、同じようにバチッという音がして、目の前で倒れた。
「っつ…」
声が出ない。
何が起こったんだろうと目だけで辺りを伺うと、木村さんが銀の突起が二つ付いた黒い小さな箱のような物を持っているのが見えた。
あれはスタンガン?
「どうやって連れ出そうかと思ってたが、都合の良い事もあるもんだな」
木村さんはそう言って、鞄から紐を出した。
「っ…」
十夜さんの意識もあるようだ。
木村さんは十夜さんのカツラと眼鏡を外す。
この人は何をしてるんだ?
少し体が動いた。
そう言えば、日本のスタンガンは意識までは奪えないと、松本さんが言っていたのを思い出す。
「おとなしくしてろ」
バチッ
「ぐっ…」
動いた事で、もう一度スタンガンを当てられた。
体が痺れてめちゃめちゃ痛い。
木村さんは倒れている俺の体を座らせるように起こすと、俺の胸ポケットに入っているスマホを取り出した。
「これは預かっておく」
そして電源を切って自分の上着のポケットに入れてから、俺の手を後ろで縛り始めた。
さすがに護衛をしているだけあって、縛るのも馴れているんだろう。
俺は2分もしないうちに足も縛られた。
そして、リビングにあるテーブルまで引きずられ、そのテーブルの足に縛り付けられた。
それから、無理矢理開けさせられた口に、丸めたハンカチのようなものを詰められ、その上から布で猿ぐつわを噛まされる。
これじゃ声を出す事も出来ない…。
俺の次は十夜さんだった。
バチッと音がして、うめく十夜さん。
木村さんは動かなくなった十夜さんの衣服を剥ぎ取った。
俺は目を疑った。
この人は何をしてるんだ?
「はっ。女みたいな可愛い顔してるが、やっぱり付いてるもんは付いてるんだな」
そして、鞄から鎖の長い手錠を取り出し、全裸になった十夜さんの右足にはめる。
もう片方はリビングのドアの取っ手に引っ掛けられた。
拘束する訳じゃないのか?
それでも俺達はお互いが届かない位置に居た。
「悪く思うなよ」
そう言って木村さんは部屋から出ていった。
俺は痺れて動けないなりに目だけで十夜さんを見る。
十夜さんは悔しそうに顔を歪めていた。
十夜さんも体が痺れているみたいで、呻くだけで喋れないみたいだ。
玄関がガチャンと音を立てたかと思ったら、リビングの入り口に知らない男が立っていた。
「あ…ぁ…」
十夜さんの顔が恐怖に歪み、目を見開くのが見える。
体は小刻みに揺れていて、はめられた手錠から鎖がチャリチャリと小さな音を鳴らしている。
もしかして、この人が?
いや、間違いない。
十夜さんの震え方が半端ない。
それに、その男の十夜さんを見つめる目は血走っていて常軌を逸している。
「やっと会えたね。小夜」
男の手には十夜さんの足に繋がれている反対側の手錠が握られていた。
「…ひっ‥」
その男はニタリと嗤って十夜さんに近付いていく。
その後の事は、正直、目を疑いたくなるような光景だった。
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