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≪本編≫

【本編33】

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お互いに馴れる為の同居生活が始まって5日が過ぎた。

この生活にもだいぶ慣れた。

でも、寝る位置が大問題だった…。

奥側が3人で1番端っこが俺なんだけどね。

3人は団子兄弟のようにくっついて…いや、細かく言えば十夜さんを真ん中にして抱き抱え合って寝ている。

羨ましくなんて無いから!

……嘘です!!

羨ましいです!

俺も十夜さん抱えて寝たい!

竜也さん、高千穂さん、代わって下さい!

と、声を大にして言いたい…。

そして、何で今までベッドじゃなかったか解りました。

その日端っこだった人が寝ぼけて落ちるんですね?

端っこに俺と言う防波堤があるから、ベッドを使いたかったんですね?

まぁ、時々高千穂さんに蹴り落とされるんですけど…。

ただ、3人共、朝、同じようにぼーっとしてるのが可笑しくて堪らないですw

そんなトコで血の繋がりを発揮しないで下さいよww

そして、寝ぼけた十夜さんが可愛すぎて毎朝どきどきですよ!!

後は、テレビ見る時は3人で川の字になるのがデフォとかで、まぁ、それは混ぜてもらえるのでいいんですけどね。

そんな俺は、母さんが言う通り、諦めるのをやめた。

好きなものは好き。

それでいいや。

好きになってもらえたらラッキーぐらいの気持ちで開き直った。

一緒に暮らしてみて感じた事。

炊事洗濯掃除を完璧にこなす竜也さん。

実はかなりの世話焼きでした。

同居初日に持たされたお弁当は栄養満点でボリュームたっぷりの大満足なもの。

更に、制服のワイシャツにアイロンがかかってて驚いたのは同居二日目の朝。

今まで家政婦さんがやってくれていた洗濯や掃除を全部やってくれる。

まさに理想のお母さんw

さすがに悪いからと、夕食は俺が作る時もあるけど、手伝いだけの時もある。

キッチンのブラックボードに、冷蔵庫に何が入ってるか細かく書いてあるし、朝には夕飯のリクエストを聞かれるので、大体の献立が解るようになっていて問題は無い。

…十夜さんの偏食以外は。

食べられないものが多くて全部は把握出来てないけど、ブラックボードには十夜さんだけ別メニューで書いてあるので解りやすい。

その通りに作れば十夜さんも食べてくれる。

ただ、十夜さんは食に対しての意識がかなり薄くておかしい。

例えば、コンビニのおにぎり二つ分の量が食べられないかと思えば、これでもかって食べる時もあるから、ものすごい波があるんだろう。

それでも、自分用に作られたご飯が食べきれない時は、かなり涙目でごめんなさいをする。

ちゃんと、勿体無いの精神を持っているので好感度は上がるばかりだ。

…決して、涙目にほだされた訳じゃないよ?

可愛いけど。

食べきれなかった分は、大体高千穂さんが食べる。

高千穂さんは意外と大食いだった。

成人男性の倍は食べるんじゃないかな?

本人は「フードファイトバトルに出たら予選通過出来るよ♪」と言っていたけど…。

なのに細いのはその後の運動量が関係してるんだろうか?

食後のくつろぎタイムには十夜さんがコーヒーか紅茶を淹れてくれる。

それがかなり本格的でめちゃくちゃ上手い。

お茶請けのお菓子も大体が手作りで美味しい。

甘さ控えめなのが食べやすい。

後、裁縫は竜也さんより十夜さんの方が得意だと言われた。

YORU用の特製下着も十夜さんのリメイクによるものらしい。

ホントに驚く程に不器用なのが高千穂さんだった。

彼は卵を握り潰すどころか、まな板を両断し、フライパンを洗おうとして握り潰した。

ってか、どんだけゴリラですか?

…前にも思ったけど、漫画のような人ってホントに居るんだなぁ。

そんな脳筋な高千穂さんと、本職の護衛さん指導の元、筋トレと護身術を習い始めた俺は、なぜリビングじゃ駄目なのか理解した。

運動量が半端じゃない!

鍛えてもらえるんだラッキーなんて、甘い考えだった事が判明した!

毎日筋肉痛です!

高千穂さんのトレーニング量が尋常じゃないんだけど、高千穂さんはいったい何を目指しているんだろう?とか思ったり…。

しかも、これリビングでやったら鬱陶しいデスネ…。

竜也さんが嫌がるのも頷ける。

だからってベッドもどうかと思う…。

丸見えだから衝立で仕切ったけど。

3人の住んでいた部屋は、下の階が駐車場になっていたから問題なかったらしいけど、ホント騒音で訴えられるレベル…。

真下の階が空き部屋だったのは幸いです。

そんな、体を鍛えて数日。

かなり体が引き締まってきた。

俺の腹は憧れのシックスパックを手に入れるのも近いだろう。

そんなこんなで、騒がしいのにも誰かの気配や温もりにも慣れ始めてしまったこの共同生活。

期間限定なんだよね…。
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