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西国編
新たなる眷属
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公都を辞して再び北上してエツリアを目指す。一行にはフェンリルのエスプリと金毛の妖狐(子狐)が合流している。もう動物率が半端ない。
「お前らはエスプリが不在の間、この山を任すからちゃんとしろよ?」
『ギャンギャン!!』×7
すっげえブーイングされてる気がする。
「お前らまでいなくなったらまたこの山の魔物の掃討しなくちゃなんねえからちゃんと留守番しとけ。」
『わふう…』
やっと諦めたか。
狼達とそんなやりとりもあったが。
「おい、妖狐。お前、敵か味方かいまいちハッキリしねえんだが。なんなの?」
ラングラーに跨る俺の股間のあたりにぐでーっとしてるんだよコイツ。
『あーし、わかんない。善になるか悪になるか、わかんないの。でも、悪になったらおにいちゃんにいたいことされる?』
「ああ。悪い事はしちゃダメだ。怖いフェンリルのおじさんがお仕置きするぞ。」
『我は関知せぬ。』
ちっ。ライム笑うな。
『おにいちゃん、おにいちゃんすごく つよかったきおく あるの。おにいちゃんのてき なりたくないの。』
「俺だって全盛期のお前とやり合うのは御免被る。マジで死に掛けたし人間やめる寸前だったんだぞ。」
『おにいちゃん、まだ にんげんのつもり?』
『ごしゅじんさま?』
『主よ…』
『ご主人様…』
『マスター…』
『カズト様?』
「カズトさん…」
「カズト殿…」
「殿…」
「お館様…」
「あっはっは!かずとったら凄いね!まさかの全員だよ!人間辞めてる疑惑!」
『でもおねえちゃんもたいがい。』
「ぐっ…まさかのブーメランね…」
あー、お前ら全員、後で憶えとけよ?
「それでお前、こっそり俺の魔力を吸収してるみたいだが…どういうつもりだ?」
そうなんだ。こいつが俺に纏わりついてくるのは恐らく魔力を吸収する為だろう。何か企んでるなら潰すなら今の内だけどな。
「おにいちゃんのまりょく、じゅんすいできれい。あーし、おにいちゃんのまりょくでちから、とりもどす。やくにたつ。おにいちゃんの なかま、なりたい。」
「………」
こいつの俺に臣従するかのような態度がどうにもな。忠誠とか親愛とか、そういうのじゃなくて自己保身なんだよな。だからイマイチ信用できん。ただ、俺の魔力を吸収するにつれ索敵に表示される色がより青が強い紫に変化している。判断に困る。
『ご主人様。いっその事眷属にしてしまっては如何でしょう?逆らえませんよ。眷属にすれば。』
『そうじゃな。精霊王の我らを従えるマスターならば造作もあるまい。』
『けんぞく、なる!あーし、おにいちゃんのけんぞくなる! そしたらおにいちゃん、しんよう してくれる?』
あちゃあ、ノリノリだわ。でもそれが一番安心か?
「サンタナ、アクア。眷属契約ってどうやんの?今までは気付いたら眷属になってたんだけど。」
『その妖狐に名前を付けてやればよいのですよ。その名前を受け入れれば契約成立です。』
『ライムのようにあんまりな名前を付けようとすると拒否されるので気を付けるのじゃ。』
「そこで私に飛び火!?」
う~ん、どうしよ?妖狐って言ったらもう妲己か玉藻の前しか思い浮かばねえ。ああ、あとはくら〇か。いっその事昔飼ってた犬の名前付けたろか?
『おにいちゃん、そのいぬ、かわいがってた?』
「おお。俺が捨てられてた子犬を拾ってな、育てたんだ。すげえ優しい犬だったなあ。」
『おにいちゃん。そのいぬのなまえがいい。』
マジか。
『いま、そのいぬのこと おもいだしてたおにいちゃんから やさしいきもち ながれてきた。ここちよかったから。』
「そっか。じゃあ今からお前の名前は蘭丸だ。」
『うふふふ。らんまる。ありがとう。あーし、らんまる!』
索敵の表示は鮮やかな青になった。
「お前らはエスプリが不在の間、この山を任すからちゃんとしろよ?」
『ギャンギャン!!』×7
すっげえブーイングされてる気がする。
「お前らまでいなくなったらまたこの山の魔物の掃討しなくちゃなんねえからちゃんと留守番しとけ。」
『わふう…』
やっと諦めたか。
狼達とそんなやりとりもあったが。
「おい、妖狐。お前、敵か味方かいまいちハッキリしねえんだが。なんなの?」
ラングラーに跨る俺の股間のあたりにぐでーっとしてるんだよコイツ。
『あーし、わかんない。善になるか悪になるか、わかんないの。でも、悪になったらおにいちゃんにいたいことされる?』
「ああ。悪い事はしちゃダメだ。怖いフェンリルのおじさんがお仕置きするぞ。」
『我は関知せぬ。』
ちっ。ライム笑うな。
『おにいちゃん、おにいちゃんすごく つよかったきおく あるの。おにいちゃんのてき なりたくないの。』
「俺だって全盛期のお前とやり合うのは御免被る。マジで死に掛けたし人間やめる寸前だったんだぞ。」
『おにいちゃん、まだ にんげんのつもり?』
『ごしゅじんさま?』
『主よ…』
『ご主人様…』
『マスター…』
『カズト様?』
「カズトさん…」
「カズト殿…」
「殿…」
「お館様…」
「あっはっは!かずとったら凄いね!まさかの全員だよ!人間辞めてる疑惑!」
『でもおねえちゃんもたいがい。』
「ぐっ…まさかのブーメランね…」
あー、お前ら全員、後で憶えとけよ?
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そうなんだ。こいつが俺に纏わりついてくるのは恐らく魔力を吸収する為だろう。何か企んでるなら潰すなら今の内だけどな。
「おにいちゃんのまりょく、じゅんすいできれい。あーし、おにいちゃんのまりょくでちから、とりもどす。やくにたつ。おにいちゃんの なかま、なりたい。」
「………」
こいつの俺に臣従するかのような態度がどうにもな。忠誠とか親愛とか、そういうのじゃなくて自己保身なんだよな。だからイマイチ信用できん。ただ、俺の魔力を吸収するにつれ索敵に表示される色がより青が強い紫に変化している。判断に困る。
『ご主人様。いっその事眷属にしてしまっては如何でしょう?逆らえませんよ。眷属にすれば。』
『そうじゃな。精霊王の我らを従えるマスターならば造作もあるまい。』
『けんぞく、なる!あーし、おにいちゃんのけんぞくなる! そしたらおにいちゃん、しんよう してくれる?』
あちゃあ、ノリノリだわ。でもそれが一番安心か?
「サンタナ、アクア。眷属契約ってどうやんの?今までは気付いたら眷属になってたんだけど。」
『その妖狐に名前を付けてやればよいのですよ。その名前を受け入れれば契約成立です。』
『ライムのようにあんまりな名前を付けようとすると拒否されるので気を付けるのじゃ。』
「そこで私に飛び火!?」
う~ん、どうしよ?妖狐って言ったらもう妲己か玉藻の前しか思い浮かばねえ。ああ、あとはくら〇か。いっその事昔飼ってた犬の名前付けたろか?
『おにいちゃん、そのいぬ、かわいがってた?』
「おお。俺が捨てられてた子犬を拾ってな、育てたんだ。すげえ優しい犬だったなあ。」
『おにいちゃん。そのいぬのなまえがいい。』
マジか。
『いま、そのいぬのこと おもいだしてたおにいちゃんから やさしいきもち ながれてきた。ここちよかったから。』
「そっか。じゃあ今からお前の名前は蘭丸だ。」
『うふふふ。らんまる。ありがとう。あーし、らんまる!』
索敵の表示は鮮やかな青になった。
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