125 / 151
????
122話 VS黒翼の天使 リチャード一世
しおりを挟む
エクスカリバーと融合したリチャードは、十本脚のケンタウルスという奇怪な姿で、されど雄々しく勇ましい姿で空中を疾走していた。
右手には器としてのエクスカリバーを、左手にはサブマシンガンを。さらに上半身も下半身も、自らの能力で作り上げた超硬質の土の甲冑を纏っている。それは鋭い棘だらけでまるでハリネズミのようである。
「はっはっは! 喰らえぇぇぇいっ!」
そのトゲトゲの一本一本がミサイルのように発射され、黒翼の天使へと殺到していった。
黒翼の天使は、それをうっとおしそうに魔力光線で放ち迎撃するが、リチャードの姿はすでにそこにはなく、また別の位置から同じように土のミサイルを放ち、黒翼の天使にストレスを与えていく。
また当たり前の事だが、土のミサイルを放ち続ければ、纏ってる土の甲冑のは薄くなっていく。そのため、時折地上に降りて土を補充しなければならない。
当然、黒翼の天使はそこを狙って攻撃してくる。すかさずリチャードは分厚い土のバリケードを作り出し、魔力光線を防ぐ。しかし、土の補充を終えたリチャードを狙い、バリケードから出たところを狙い撃たんを黒翼の天使が狙いを定めていた。
「まあ、そう来るであろうな」
だが、黒翼の天使は理解していなかった、リチャードの地形操作能力の多様性を。
リチャードはバリケードから出る事はせず、同じようなバリケードを黒翼の天使を囲うように、三百六十度に展開した。さらにリチャードはバリケードに沿って疾走しながら、ランダムなタイミングで土のミサイルを放ち牽制する。
こうなると、バリケードの向こうで見えないリチャードから、いいように攻撃を受ける黒翼の天使のストレスはマックスだ。
黒翼の天使はいつもの魔力光線よりも瘴気をチャージする時間を長くした。そして両手から斉射するように光線を放出し続け、自らも回転してバリケード全てを破壊しようと試みた。
これは黒翼の天使にとってもかなりの瘴気を消費したようで、身体を覆う障壁が一時的に消失してしまった。
「愚か者が!」
その時、黒翼の天使の直下、まさに地中からリチャードが躍り出た。
リチャードは黒翼の天使が瘴気をチャージしている間に、地形操作により地中へと潜っていた。その間に大量の土や鉱物を取り込み圧縮し、弾丸にも勝る硬度のあるものを生成していた。
突如真下、しかも地中から現れたリチャードに、黒翼の天使は咄嗟の反応も出来なかった。
甲冑から無数の土のミサイルを放ち、左手のサブマシンガンを乱射しながらリチャードは黒翼の天使に肉薄する。そして右手に持っていたエクスカリバーは、螺旋状に回転するランスのような形状の鉱物でコーティングされていた。
「貫けイッ! ドリルセイバー!」
何とか両翼で身体を包み込み、絶対防御の体制に入ろうとする黒翼の天使だが、それよりもリチャードの方が速かった。
股下から黒翼の天使の身体を貫くように、切っ先を高速回転させたドリルセイバーを構えたリチャードが駆け上がる。
左右に斬り裂かれた黒翼の天使が落下していくが、リチャードはそれを追いかけた。
「念には念を入れんとな。こやつの再生能力は厄介である故」
左右に分かたれた黒翼の天使の身体から、翼のみを切り離すリチャード。そして地形操作により、翼を地中深くまで沈めた。やがてそれはマントルまで深く沈み込み、焼き尽くされた。
リチャードにマントルの知識があった訳ではないだろうが、安全を考えてより深くまで沈めた事が、結果的に功を奏した訳だ。
二枚の翼を沈めたリチャードは、満足気に頷くと、次なる獲物を求めて基地の方角を見るのだった。
右手には器としてのエクスカリバーを、左手にはサブマシンガンを。さらに上半身も下半身も、自らの能力で作り上げた超硬質の土の甲冑を纏っている。それは鋭い棘だらけでまるでハリネズミのようである。
「はっはっは! 喰らえぇぇぇいっ!」
そのトゲトゲの一本一本がミサイルのように発射され、黒翼の天使へと殺到していった。
黒翼の天使は、それをうっとおしそうに魔力光線で放ち迎撃するが、リチャードの姿はすでにそこにはなく、また別の位置から同じように土のミサイルを放ち、黒翼の天使にストレスを与えていく。
また当たり前の事だが、土のミサイルを放ち続ければ、纏ってる土の甲冑のは薄くなっていく。そのため、時折地上に降りて土を補充しなければならない。
当然、黒翼の天使はそこを狙って攻撃してくる。すかさずリチャードは分厚い土のバリケードを作り出し、魔力光線を防ぐ。しかし、土の補充を終えたリチャードを狙い、バリケードから出たところを狙い撃たんを黒翼の天使が狙いを定めていた。
「まあ、そう来るであろうな」
だが、黒翼の天使は理解していなかった、リチャードの地形操作能力の多様性を。
リチャードはバリケードから出る事はせず、同じようなバリケードを黒翼の天使を囲うように、三百六十度に展開した。さらにリチャードはバリケードに沿って疾走しながら、ランダムなタイミングで土のミサイルを放ち牽制する。
こうなると、バリケードの向こうで見えないリチャードから、いいように攻撃を受ける黒翼の天使のストレスはマックスだ。
黒翼の天使はいつもの魔力光線よりも瘴気をチャージする時間を長くした。そして両手から斉射するように光線を放出し続け、自らも回転してバリケード全てを破壊しようと試みた。
これは黒翼の天使にとってもかなりの瘴気を消費したようで、身体を覆う障壁が一時的に消失してしまった。
「愚か者が!」
その時、黒翼の天使の直下、まさに地中からリチャードが躍り出た。
リチャードは黒翼の天使が瘴気をチャージしている間に、地形操作により地中へと潜っていた。その間に大量の土や鉱物を取り込み圧縮し、弾丸にも勝る硬度のあるものを生成していた。
突如真下、しかも地中から現れたリチャードに、黒翼の天使は咄嗟の反応も出来なかった。
甲冑から無数の土のミサイルを放ち、左手のサブマシンガンを乱射しながらリチャードは黒翼の天使に肉薄する。そして右手に持っていたエクスカリバーは、螺旋状に回転するランスのような形状の鉱物でコーティングされていた。
「貫けイッ! ドリルセイバー!」
何とか両翼で身体を包み込み、絶対防御の体制に入ろうとする黒翼の天使だが、それよりもリチャードの方が速かった。
股下から黒翼の天使の身体を貫くように、切っ先を高速回転させたドリルセイバーを構えたリチャードが駆け上がる。
左右に斬り裂かれた黒翼の天使が落下していくが、リチャードはそれを追いかけた。
「念には念を入れんとな。こやつの再生能力は厄介である故」
左右に分かたれた黒翼の天使の身体から、翼のみを切り離すリチャード。そして地形操作により、翼を地中深くまで沈めた。やがてそれはマントルまで深く沈み込み、焼き尽くされた。
リチャードにマントルの知識があった訳ではないだろうが、安全を考えてより深くまで沈めた事が、結果的に功を奏した訳だ。
二枚の翼を沈めたリチャードは、満足気に頷くと、次なる獲物を求めて基地の方角を見るのだった。
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる