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第四章
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※ ※ ※
草木が生い茂る季節であるが、弥生中旬過ぎても蕾のままで、庭に咲く桜は未だに固いままだった。
暖かくなる季節の筈なのに肌を掠める空気は冷たい。肌寒い為、羽織を羽織った雪は縁側に腰掛けて、伊織から届いた文を開いた。
『便りがないが元気か?』という雪を心配している内容がヒシヒシと綴られていた。
この家を出て行った時に雨が降る道で倒れ、冷たい雨に打たれて身体が冷え切り、肺炎寸前だった雪を必死に看病をしたのは、紛れもないない伊織であった。
手紙を読んで返事を書こうと筆を取ったが、返事を書くよりも顔を見せようと思った。ここ数日部屋に篭ってばっかりで、外の空気を吸いたくなったのである。
雪は青空の下で布団を干す久賀へ声を掛けた。
「俺も行こうかな」
干した布団をポンポンと手で叩いた久賀は振り返って縁側に座る雪にそう言うと、長い足で雪の傍へ行き隣りに腰掛けた。
まさか自分も付いて行くなんて言うとは思わず驚いて男を見ると、丁度首をこちらに回した男の瞳と合った。
何が嬉しいのかニコニコしながら見つめられる。腕と腕がくっつく程で、肌寒く服越しなのに触れている部分が熱い。横にずれるとじりっと距離を詰められた。
「何か嬉しい事でもあったのですか……?」
「俺は雪とこうしているだけで幸せだよ」
顔を覗かれて目を見つめられて雪は頬を染めた。
今朝、男との夢が急に思い出されて見てられずにプイと顔を逸らすと気にした様子はなく変わらずに嬉しそうに微笑むだけだった。
「わ、私もこうしてお喋りするだけでも、幸せです」
素直に気持ちを吐露する。
ちらりと視線だけ男を見るとそれを聞いた男はパァッと顔を輝かせて、腰を引き寄せてきたもんだから少女は慌てて「駄目」と一言吐いた。不満気な「何故?」と男は返すと雪は自分の腰に回った男の腕をそっと触れて腰から外した。
「くっつくのは、久賀さんが彼女と別れた時にします」
「本当に? 本当に別れたら沢山してくれるの?」
真剣な眼差しでぐっと顔を近付けられる。そんなに近いと夢の事を思い出しそうになってしまった。
最近、男との距離の取り方が分からない。髪を拭いて貰ったり梳いてもらったりとしてはいるが、くっついたり顔が至近距離に近くなるとどうも駄目だった。あんな夢を見たからだろう。
「俺は絶対別れる保証があるんだけど、それでもしちゃ駄目なの?」
「駄目です」
「えぇ……」と不満げに吐いた後に「我慢できるかな」という久賀の声が聞こえずに首を傾げると「なんでもないよ」と返された。
「付いていくというお話ですが――久賀さんはお忙しくないのですか?」
「全く」
と即答する。
久賀さんはお兄さんの道場の手伝いは良いのかな?
「花街へ足を運ぶ時は一人じゃ駄目って言ってあるでしょ。お喋りくそ野郎は本業が忙しいようだし、俺と一緒に行こう」
駄目と言ったにも関わらず久賀から腰に手を回されて「もう」と言いながら雪は後ずさる。すると「ちぇっ」と男は言ってから笑みを浮かべた。
「さて。一緒にお散歩がてらにお出掛けしようね」
お散歩。
お出掛けになるのか。
「お手て繋いでさ」
「お手ては駄目です」
「それも駄目なの?」
泣き出しそうな顔をされてしまい思わず手を繋いで歩くくらい良いのかも、と脳裏を掠めるが雪はすぐさま頭を振ってその考えを払い除けた。
兎に角肌が触れあうような事はしてはならない。
「恋人繋ぎじゃなくて普通の繋ぎなら良いと思うよ」
「普通の繋ぎ……?」
「はて?」と首を傾げると久賀は雪の細い手首をそっと手に取ると、その小さな掌に自分の掌を重ねた。
自分の手よりも倍ある大きな掌の感触に「数日前にこの手に胸を揉まれたんだ――三カ月前まではその手に沢山触られたんだ……」と夜の情事を思い出してしまう。赤面してしまいその掌を離そうとしたが、その前に男の指が雪の指の間にするっと滑り込んできた。
「これが恋人繋ぎね」
指と指を絡ませて手を繋ぐこれを『恋人繋ぎ』というらしい。
親指は自由でその親指で絡めている指を撫でられて、雪は思わず握り返そうとしたがその前に男の手が動いてしまう。
「で、これが普通ね。いつも俺らがしてるの」
そういって掌を合わせるように重ねられて指を揃えたまま掌を合わせて繋がれた。
「これなら良いでしょ? 普通のだから」
「う、うん……でも」
「でも駄目? ならこれは?」
スルリと雪から手を離すと雪の小指に自分の小指を引っ掛ける。
「指引っ掛け繋ぎは? べたべたしてないし、良いでしょ?」
「う、うん。これなら良いのかな」
「じゃ、この繋ぎ方で一緒に外に出ようね」
雪と小指を絡めたまま久賀はるんるんだ。
「そして帰りに一緒に着物を見ようか」
「着物を新調されるんですか? 季節は春だからですね」
「俺じゃない、雪にだよ」
「私は、今ある着物で充分ですよ」
由希さんから沢山貰ったし、伊織姐さんからも貰ったもので充分事足りる。
「簪も買おうね」
「私の髪長くないですよ」
「これから伸びるでしょ」
「でも、私の髪に高価なものつける必要ないですよ」
髪が今以上に伸びたら切るつもりだと言うとひどく悲しい顔をされた。
「俺から雪に贈りたいんだよ。俺からの贈り物迷惑?」
「迷惑じゃなくて……私にお金使わなくても良いんですよ」
「使わせてくれよ。ね?」
「お願い」と言わてれて雪は渋々承諾すると「俺に任せて」と男は笑顔を雪に向けた。
相変わらず、自分にお金を使おうとする久賀に苦笑を浮かべると、久賀の気持ちを無下にする事は出来ないから、薫の所で安い着物を一着購入してもらおうと雪は思った。やはり、久賀さんにお金を使わせてしまうのは忍びない。
逆に雪は、久賀に何か贈ってあげようと思った。いつも貰ってばっかりだ。それに我儘をいつも訊いて貰っている。雪があの刀は嫌いだと言った次の日には刀が違う物になっていた。刀は高価なものだ。それを二本共代えたとなると相当な額な筈だ。
何が良いかな?
久賀さんはお洒落だし、着物が良いのかな?
帯とかどうだろう?
でも季節毎に変える方だから、私の送った帯って大事にしてもらえるかな?
財布――とか良いのかも。
いつも身に着けて貰えるし、久賀さんが財布を持っている所を見た事がないような気がする。
薫に相談してみようかな?
「可愛い着物を買おうね」
「どういうのが良いのか分からないから、久賀さんにお任せします」
「任せて」
ニコニコとして男は機嫌がいい。
なんだか雪も久賀に財布を贈った時にどのように反応されるか楽しみになって、雪もニコッと微笑みを返した。
草木が生い茂る季節であるが、弥生中旬過ぎても蕾のままで、庭に咲く桜は未だに固いままだった。
暖かくなる季節の筈なのに肌を掠める空気は冷たい。肌寒い為、羽織を羽織った雪は縁側に腰掛けて、伊織から届いた文を開いた。
『便りがないが元気か?』という雪を心配している内容がヒシヒシと綴られていた。
この家を出て行った時に雨が降る道で倒れ、冷たい雨に打たれて身体が冷え切り、肺炎寸前だった雪を必死に看病をしたのは、紛れもないない伊織であった。
手紙を読んで返事を書こうと筆を取ったが、返事を書くよりも顔を見せようと思った。ここ数日部屋に篭ってばっかりで、外の空気を吸いたくなったのである。
雪は青空の下で布団を干す久賀へ声を掛けた。
「俺も行こうかな」
干した布団をポンポンと手で叩いた久賀は振り返って縁側に座る雪にそう言うと、長い足で雪の傍へ行き隣りに腰掛けた。
まさか自分も付いて行くなんて言うとは思わず驚いて男を見ると、丁度首をこちらに回した男の瞳と合った。
何が嬉しいのかニコニコしながら見つめられる。腕と腕がくっつく程で、肌寒く服越しなのに触れている部分が熱い。横にずれるとじりっと距離を詰められた。
「何か嬉しい事でもあったのですか……?」
「俺は雪とこうしているだけで幸せだよ」
顔を覗かれて目を見つめられて雪は頬を染めた。
今朝、男との夢が急に思い出されて見てられずにプイと顔を逸らすと気にした様子はなく変わらずに嬉しそうに微笑むだけだった。
「わ、私もこうしてお喋りするだけでも、幸せです」
素直に気持ちを吐露する。
ちらりと視線だけ男を見るとそれを聞いた男はパァッと顔を輝かせて、腰を引き寄せてきたもんだから少女は慌てて「駄目」と一言吐いた。不満気な「何故?」と男は返すと雪は自分の腰に回った男の腕をそっと触れて腰から外した。
「くっつくのは、久賀さんが彼女と別れた時にします」
「本当に? 本当に別れたら沢山してくれるの?」
真剣な眼差しでぐっと顔を近付けられる。そんなに近いと夢の事を思い出しそうになってしまった。
最近、男との距離の取り方が分からない。髪を拭いて貰ったり梳いてもらったりとしてはいるが、くっついたり顔が至近距離に近くなるとどうも駄目だった。あんな夢を見たからだろう。
「俺は絶対別れる保証があるんだけど、それでもしちゃ駄目なの?」
「駄目です」
「えぇ……」と不満げに吐いた後に「我慢できるかな」という久賀の声が聞こえずに首を傾げると「なんでもないよ」と返された。
「付いていくというお話ですが――久賀さんはお忙しくないのですか?」
「全く」
と即答する。
久賀さんはお兄さんの道場の手伝いは良いのかな?
「花街へ足を運ぶ時は一人じゃ駄目って言ってあるでしょ。お喋りくそ野郎は本業が忙しいようだし、俺と一緒に行こう」
駄目と言ったにも関わらず久賀から腰に手を回されて「もう」と言いながら雪は後ずさる。すると「ちぇっ」と男は言ってから笑みを浮かべた。
「さて。一緒にお散歩がてらにお出掛けしようね」
お散歩。
お出掛けになるのか。
「お手て繋いでさ」
「お手ては駄目です」
「それも駄目なの?」
泣き出しそうな顔をされてしまい思わず手を繋いで歩くくらい良いのかも、と脳裏を掠めるが雪はすぐさま頭を振ってその考えを払い除けた。
兎に角肌が触れあうような事はしてはならない。
「恋人繋ぎじゃなくて普通の繋ぎなら良いと思うよ」
「普通の繋ぎ……?」
「はて?」と首を傾げると久賀は雪の細い手首をそっと手に取ると、その小さな掌に自分の掌を重ねた。
自分の手よりも倍ある大きな掌の感触に「数日前にこの手に胸を揉まれたんだ――三カ月前まではその手に沢山触られたんだ……」と夜の情事を思い出してしまう。赤面してしまいその掌を離そうとしたが、その前に男の指が雪の指の間にするっと滑り込んできた。
「これが恋人繋ぎね」
指と指を絡ませて手を繋ぐこれを『恋人繋ぎ』というらしい。
親指は自由でその親指で絡めている指を撫でられて、雪は思わず握り返そうとしたがその前に男の手が動いてしまう。
「で、これが普通ね。いつも俺らがしてるの」
そういって掌を合わせるように重ねられて指を揃えたまま掌を合わせて繋がれた。
「これなら良いでしょ? 普通のだから」
「う、うん……でも」
「でも駄目? ならこれは?」
スルリと雪から手を離すと雪の小指に自分の小指を引っ掛ける。
「指引っ掛け繋ぎは? べたべたしてないし、良いでしょ?」
「う、うん。これなら良いのかな」
「じゃ、この繋ぎ方で一緒に外に出ようね」
雪と小指を絡めたまま久賀はるんるんだ。
「そして帰りに一緒に着物を見ようか」
「着物を新調されるんですか? 季節は春だからですね」
「俺じゃない、雪にだよ」
「私は、今ある着物で充分ですよ」
由希さんから沢山貰ったし、伊織姐さんからも貰ったもので充分事足りる。
「簪も買おうね」
「私の髪長くないですよ」
「これから伸びるでしょ」
「でも、私の髪に高価なものつける必要ないですよ」
髪が今以上に伸びたら切るつもりだと言うとひどく悲しい顔をされた。
「俺から雪に贈りたいんだよ。俺からの贈り物迷惑?」
「迷惑じゃなくて……私にお金使わなくても良いんですよ」
「使わせてくれよ。ね?」
「お願い」と言わてれて雪は渋々承諾すると「俺に任せて」と男は笑顔を雪に向けた。
相変わらず、自分にお金を使おうとする久賀に苦笑を浮かべると、久賀の気持ちを無下にする事は出来ないから、薫の所で安い着物を一着購入してもらおうと雪は思った。やはり、久賀さんにお金を使わせてしまうのは忍びない。
逆に雪は、久賀に何か贈ってあげようと思った。いつも貰ってばっかりだ。それに我儘をいつも訊いて貰っている。雪があの刀は嫌いだと言った次の日には刀が違う物になっていた。刀は高価なものだ。それを二本共代えたとなると相当な額な筈だ。
何が良いかな?
久賀さんはお洒落だし、着物が良いのかな?
帯とかどうだろう?
でも季節毎に変える方だから、私の送った帯って大事にしてもらえるかな?
財布――とか良いのかも。
いつも身に着けて貰えるし、久賀さんが財布を持っている所を見た事がないような気がする。
薫に相談してみようかな?
「可愛い着物を買おうね」
「どういうのが良いのか分からないから、久賀さんにお任せします」
「任せて」
ニコニコとして男は機嫌がいい。
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