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第二章
2-28
しおりを挟む「誓いの口付けは諦めて、他の誓いを立ててもらうよ。それは拒否はなしだからね」
いまだに口元を押さえている雪の右手を手に取ると、手の甲に唇を落とした。この一連の仕草が見事に綺麗に繋がってて本当に見えないのか疑惑は拭えないが、久賀の興味が唇から離れた事に胸を撫で下ろした。
指で雪の指先から辿っていき、鎖骨に指が当たると今度はそこに舌を這わせた。ここが何かと聞かれ、「鎖骨です」と答える。鎖骨に唇を落としたまま、さわさわと下がっていく手は、先刻とは逆の雪の乳首を探し出すと、先程と同様に指で弾いた。
「ひっ…まっ…」
「どこ?」
「胸ですっ…んっ」
「この突起が?」
言わせるつもりなのかと雪は真っ赤になり、消え入りそうな声で、
「………ち、くびです…」
「そうなの」
指先で掴まれ、挟まれて、クリクリと指先で押されていじめられ。
先刻まで舐めらていた為か久賀の涎まみれとなっていた胸は滑りが良くなっており、指で触られてるだけなのに、口に含まれている感覚に陥ってしまった。鎖骨にいた筈なのにいつの間にか片方の胸にあって、ちゅうちゅうと吸われ、舌で絡まれていた。反射的に嫌々と首を振るがそれくらいの抵抗ではその手はと口淫は止まる事はなかった。余計、強く吸われるだけで、その舌は乳首だけではなく乳房の下に舌を這わせられた。
「ふぁ、んっ、あっ、ひゃ、く、が、さ、っ…あ、あぅ」
喘ぎながら律儀に名前を呼ぶと、その舌の動きがゆっくりと動くのである。
「久、賀様、くっ、あっ、がっ、さまっ、なんかっ、へんっ、あっ、さ、まっ」
胸への愛撫は擽ったいものだったのに、久賀から耳と同時に舐められたせいで雪の躰は胸を触られる行為=気持ちが良いと認識してしまっていた。そのせいか執拗に舐められていると昨晩のお腹を押された時のような感覚があった。
「くっ…あぁ、ん、あっ、ふぁ、っ、んーーーーーーーーっ……ふぁ…?」
一瞬だけ、浮遊感を感じ急上昇する感覚に陥ったが、それは久賀が雪の胸から手と口を離した事により急下降を辿った。
「ふぁ…んっ…」
肩で息をしていると、前髪優しく払い除けられた。その表情は穏やかで、口元は優しく微笑みを作っている。
その笑みに見惚れていると、ちゅっと首筋に唇を落とされ、それから雪の顔中を啄むように唇を落とした。
「可愛いね」
愛おしげに言われる。可愛いという言葉が似合うのは、薫だったり由希さんだったりするのに、自分に相応しい形容詞なのか疑問だ。
しかし、久賀に愛おしげに見つめられ、慈しむように何度も繰り返し言われたら、本当にそうなのかもと錯覚してしまう、と雪は思った。
そうこうしていると、どっと疲れが襲ってきて、雪に睡魔が襲ってきた。昨晩のように寝てはいけないと頑張って目を見開いてみるが、雪の躰は今日の出来事を処理しきれずに、眠るように誘っているみたいだった。
ちゅっ、ちゅっと唇が下りて行くのには気付いていたが、それが妙に小刻みで眠りを誘ってくる。うとうととしていると、次の瞬間、睡魔も何もかもぶっ飛んでしまい凍り付いた。唐突に太腿を掴まれて脚を大きく開かれたのである。雪ははっとなって頭を起こした。
「久賀様、何を…!?」
太腿を掴み脚を開いた張本人は雪の脚の間に上手く割り込んでいた。じっと脚の間に視線を注がれて、恥ずかし過ぎて死にそうになり脚の間を隠そうと手を伸ばしたが、その手は払い除けられた。
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