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番外編
年越し 4
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うちに帰って庭の稲荷神社にもお参りすると、俺たちは2階に上がって昼寝をすることにした。
さすがに疲れていたので2人ともすぐに寝てしまう。
目が覚めると、もう夕方になっていた。
お腹が減っていたので、1階に降りて晩ご飯の支度をする。
俺が雑煮の汁を作っている間に、タロが餅を焼き、佐々木さんが置いていってくれたお酒を準備してくれる。
「よし、出来たぞ。
食べようか」
「はい、おせち出しますね」
タロが冷蔵庫からおせちを出し、俺たちはテーブルについた。
2人で「いただきます」と手を合わせた後、タロがおせちの入ったプラスチック容器のフタを開ける。
重箱がないので入れ物はなんだが、中身は伊達巻、黒豆、煮しめなど、定番のおせちがぎっしりと詰まっている。
「おー、すごい。本格的だな。
タロ、がんばったな」
「はい。
でもこれだけ出来たのは吉田のおばあちゃんが教えてくれたからで、僕1人じゃ作れなかったです」
「それでもすごいよ」
タロは年末に神社で仲良くなった吉田さんの家に行って、一緒におせちを作って来たのだ。
吉田さんは1人暮しで、すでに結婚している息子さんも正月は仕事が忙しくて会いに来ないため、もう何年もおせちは作っていなかったそうで、タロと一緒に久しぶりにおせちが作れてよかったと喜んでくれたらしい。
「どれがタロのオススメなんだ?」
「えーっと、全部食べて欲しいですけど、僕は黒豆が一番美味しかったです」
「どれどれ……あ、ほんとうまいな。
ふっくら炊けてて、甘すぎなくて、俺も好きだな」
「よかったです。
ご主人様が作ってくれたお雑煮も美味しいですよ」
「うん、これ、汁も悪くないけど、餅がうまいよな。
奮発して和菓子屋さんの餅買ってよかったな」
そうやって話をしながら楽しく食事を続け、お雑煮を食べ終えたところで日本酒に切り替えた。
酒屋さんオススメというだけあって、すっきりとして料理によく合う美味しい酒だ。
「うん、うまい。
タロも飲むか?
お正月だし」
「そうですね。
それじゃあ、せっかくですから少しだけ」
酒に弱いタロのために小さなおちょこを出して酒を注いでやる。
タロは一口飲むと「おいしいです」と顔をほころばせた。
おせちをつまみながらちびちび飲んでいるうちに、2人ともいい気持ちになって来たので、食器を洗うのは後にして、おせちだけ冷蔵庫にしまってソファに移動した。
お互いにぴったりと寄り添って、テレビのお笑い番組を見ながら笑っていたが、そのうちにタロは犬に戻って眠ってしまった。
「うーん、まあ、昼寝はしたけど、疲れてるところに飲んだらそうなるよなあ」
気持ちよさそうな顔でむにゃむにゃ言っているタロの尻尾が2本になっているのは、完全に酔っぱらっている証拠だ。
本人も弱いのはわかっているので、あまり飲んでいなかったが、疲れていたせいで酔いが回りやすかったのだろう。
俺は寝ているタロにフリースのひざ掛けをかけてやると、立ち上がって静かに食器を洗い、歯を磨いてパジャマに着替えてきた。
今日は俺も少し酔っぱらっているし、風呂は明日でいいだろう。
タロをそっと抱き上げたが、タロは「ふぅん」と鼻を鳴らしただけで目を覚まさなかった。
俺はそのままタロを起こさないように、静かに2階へと上がった。
そんなわけで俺とタロは、慌ただしいけれども、ある意味すごくお正月らしいお正月を過ごしたのだった。
さすがに疲れていたので2人ともすぐに寝てしまう。
目が覚めると、もう夕方になっていた。
お腹が減っていたので、1階に降りて晩ご飯の支度をする。
俺が雑煮の汁を作っている間に、タロが餅を焼き、佐々木さんが置いていってくれたお酒を準備してくれる。
「よし、出来たぞ。
食べようか」
「はい、おせち出しますね」
タロが冷蔵庫からおせちを出し、俺たちはテーブルについた。
2人で「いただきます」と手を合わせた後、タロがおせちの入ったプラスチック容器のフタを開ける。
重箱がないので入れ物はなんだが、中身は伊達巻、黒豆、煮しめなど、定番のおせちがぎっしりと詰まっている。
「おー、すごい。本格的だな。
タロ、がんばったな」
「はい。
でもこれだけ出来たのは吉田のおばあちゃんが教えてくれたからで、僕1人じゃ作れなかったです」
「それでもすごいよ」
タロは年末に神社で仲良くなった吉田さんの家に行って、一緒におせちを作って来たのだ。
吉田さんは1人暮しで、すでに結婚している息子さんも正月は仕事が忙しくて会いに来ないため、もう何年もおせちは作っていなかったそうで、タロと一緒に久しぶりにおせちが作れてよかったと喜んでくれたらしい。
「どれがタロのオススメなんだ?」
「えーっと、全部食べて欲しいですけど、僕は黒豆が一番美味しかったです」
「どれどれ……あ、ほんとうまいな。
ふっくら炊けてて、甘すぎなくて、俺も好きだな」
「よかったです。
ご主人様が作ってくれたお雑煮も美味しいですよ」
「うん、これ、汁も悪くないけど、餅がうまいよな。
奮発して和菓子屋さんの餅買ってよかったな」
そうやって話をしながら楽しく食事を続け、お雑煮を食べ終えたところで日本酒に切り替えた。
酒屋さんオススメというだけあって、すっきりとして料理によく合う美味しい酒だ。
「うん、うまい。
タロも飲むか?
お正月だし」
「そうですね。
それじゃあ、せっかくですから少しだけ」
酒に弱いタロのために小さなおちょこを出して酒を注いでやる。
タロは一口飲むと「おいしいです」と顔をほころばせた。
おせちをつまみながらちびちび飲んでいるうちに、2人ともいい気持ちになって来たので、食器を洗うのは後にして、おせちだけ冷蔵庫にしまってソファに移動した。
お互いにぴったりと寄り添って、テレビのお笑い番組を見ながら笑っていたが、そのうちにタロは犬に戻って眠ってしまった。
「うーん、まあ、昼寝はしたけど、疲れてるところに飲んだらそうなるよなあ」
気持ちよさそうな顔でむにゃむにゃ言っているタロの尻尾が2本になっているのは、完全に酔っぱらっている証拠だ。
本人も弱いのはわかっているので、あまり飲んでいなかったが、疲れていたせいで酔いが回りやすかったのだろう。
俺は寝ているタロにフリースのひざ掛けをかけてやると、立ち上がって静かに食器を洗い、歯を磨いてパジャマに着替えてきた。
今日は俺も少し酔っぱらっているし、風呂は明日でいいだろう。
タロをそっと抱き上げたが、タロは「ふぅん」と鼻を鳴らしただけで目を覚まさなかった。
俺はそのままタロを起こさないように、静かに2階へと上がった。
そんなわけで俺とタロは、慌ただしいけれども、ある意味すごくお正月らしいお正月を過ごしたのだった。
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