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本編

初めての 2★

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「それじゃあ、改めて」

そう言うと、倫くんは布団の上の僕に覆いかぶさってきた。
洋服越しに2人の体が密着して、それから唇が重なる。
さっきみたいな触れるだけのキスで済むはずもなく、すぐに熱い舌が唇を割った。
求められるままに必死に舌を絡めているうちに、何だかもっとくっつきたい気分になってきて倫くんの背中に両手を回すと、お返しのように倫くんの手が僕の左頬を撫でた。

頬を撫でた手は、そのまま首の辺りや耳に触れていく。

「…ふ、ぅ……」

あ、やば、声出た。

「耳、感じる?」
「……ん、そうみたい」

唇を離して聞いてきた倫くんにうなずくと、倫くんは顔をずらして僕の耳をなめてきた。

「う……」

また出そうになる変な声を我慢していると、倫くんが僕の服をまくり上げて腹や脇腹を撫で始めた。
大きな手のひらでただゆっくりと撫でられているだけなのに、耳に与えられている刺激と相まって、ぞくぞくするような快感がはい上がってくる。

僕が時々びくっと体を震わせていたからだろう。
倫くんがぼそっと「脱がせるよ」と言うと、体を離して僕の服を脱がせ出した。

「よかった……感じてくれてたんだ」

僕も協力しながら服を全部脱がせた後、倫くんはそうつぶやく。
倫くんの言う通り、僕のモノはまだ触れられてもいないのに半勃ちになっている。

「……倫くんは、脱がないの?」

自分の状態が恥ずかしくて照れ隠しにそう言うと、倫くんは「うん、脱ぐ」と言うが早いか、パッと全裸になった。

思わず驚いてしまったが、すぐに神通力で脱いだのだということに気が付いた。
驚きが落ち着くと、今度は倫くんの股間に目が行く。
そこに付いているモノは半勃ちどころではなく完勃ちで、その上ちょっと驚くくらいに大きかった。

「……まさか、それも神通力だったりする?」
「それはご想像におまかせします、ってことで」

つい自分のと比べてしまい、若干ふてくされたような言葉を口にすると、倫くんは苦笑しながらそう言って、僕を座らせて自分も正面から向き合う形で座った。

「ほら、つかまって」

倫くんは僕の両手を倫くんの肩にかけさせると、さらに体を近付けて自分のモノと僕のモノをひとまとめにして握り込んだ。

「あっ……んんっ…」

倫くんのモノの熱さと固さをじかに感じながら、倫くんの手で直接的な刺激を与えられて、僕のモノもすぐに完勃ちになる。
僕だけじゃなく倫くんも感じているようで、息が乱れ、頭の上の狐の耳もぴくぴくと動いている。
何かをこらえるように眉を寄せている顔には、僕が見ても男らしい色気が感じられた。

そんな倫くんに引き寄せられるようにして、思わずといった感じで僕の方から唇を重ねると、倫くんの手が止まった。

「……拓也」
「ん?」
「あのさ……ここに俺の入れたいんだけど……いい?」

倫くんが「ここ」と言いながら撫でたのは、僕のお尻の狭間だった。
この大きくて固いモノが自分のあんなところに入れられるのを想像すると、さすがに怖いとは思う。
それでも僕は迷うことなく倫くんの言葉にうなずいた。

「うん……いいよ」
「ありがとう……優しくするから」

僕が再び布団の上に横になると、倫くんはいつの間にか手に持っていたプラスチックのボトルを開け、その中身で指先を濡らした。
ああ、ローションかなと思いながら、僕はふとあることに気付く。

「あの……今さらだけど、僕シャワー浴びてきた方がよくない?
 その、そこ汚いし」

今から倫くんが指を入れようとしている場所のことを考えて僕がそう言うと、倫くんは「ああ」と言って、濡れてない方の手をさっとひと振りした。

「これできれいになったから大丈夫」
「ええっ」

自分の中の状態なんてわからないが、倫くんがそう言うのだからきれいになっているのだろう。
神聖なはずの神通力をそんなことに使うなんてと思ったが、よく考えたら僕だって神聖なはずの神様のお使いとこんなことをしているのだから今さらだ。

準備が出来た僕のそこに、ローションで濡れた倫くんの指が入ってくる。
倫くんは自分で言った通りに優しくゆっくりしてくれているから痛くはないけど、なんと言うか変な感じで落ち着かない。

「……あっっ!」

そうしているうちに、倫くんの指が僕の中のある一点に触れ、その途端に僕の躰に強い衝撃が走った。

「今の何……」
「さっきのが、拓也の感じるところだ」
「えっ……」

倫くんの言葉に僕は驚く。
さっきの衝撃は、僕が知っている「感じる」という感覚とはかけ離れていたからだ。

「大丈夫、初めてだからよくわからないかもしれないけど、慣れたらちゃんと感じられるようになるから」
「あっ、うん」

結局のところ考えても僕にはわからないことだし、倫くんを信じて任せることにする。
けれども倫くんは僕の中を触るのをやめ、指を抜いて代わりにそこに固いままのモノを押し当てた。

「力抜いてて」
「ん」

僕がうなずくと、倫くんはゆっくりと僕の中に入ってきた。

「……っ…」

いくら指で広げてもらったとはいえ、さすがにあれだけ大きなものを受け入れるのはつらい。
それでも倫くんがゆっくりと慎重に入れてくれたおかげで、それほど痛みを感じずに全部受け入れることができた。

「やっと一つになれた……」

そう言った倫くんは、色っぽいまなざしで僕を見下ろしている。
けれども、その背後に見える尻尾は左右にブンブンと振られていて、喜んでいるのが丸わかりだ。
獲物を手に入れた大人の男の顔と、子供みたいな喜びを表している尻尾のギャップがおかしくて、僕はつい笑顔になってしまう。

「笑える余裕があるんだ。
 だったら、もう動いても大丈夫だよね?」
「えっ、待って……」

倫くんは僕の制止を無視して動き出した。
大きくて大胆なその動きは、あっと言う間に僕を翻弄する。

「…あっ! そこ、あっ……やっ……」

倫くんの大きくて固いモノが、さっき倫くんの指が触れた僕の中の感じるところを擦っていくたび、僕は強い衝撃を感じて声を上げる。
それは初めての感覚だったけど、確かに快感だった。

「あ……のり、くん、も、イキそう……」
「うん…俺も」

倫くんは息を乱しながらそう言うと、動きを早めた。
そして僕のモノに手を伸ばして握ると、一気にそれを擦り上げた。

「…ああっ……!」
「くっ……」

僕が達するのと同時に、倫くんも僕の中でイッたらしい。
僕の中が熱く濡れたもので満たされていくのがわかった。

「……すごい良かった。
 拓也のこと、もっと好きになった」

倫くんがそんな恥ずかしいことを言っているのが聞こえたけれど、初めての経験に疲れ切ってしまった僕は、そのまま意識を失ってしまった。
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