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双剣のガース

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「困るなぁ兄さん。そのバカ。バーカスを渡してくれないかな?」

 俺は男の攻撃を避けた後に男は俺にいい、チドラが俺の代わりに男の前に立ち

「主人。ここは我にお任せを。主人はそいつをマーズのもとに」

 チドラが俺に言った瞬間男は今度はチドラに斬りかかる。

「邪魔をするな!色黒姉ちゃん!」

 チドラは男の攻撃を避けた後、男の腕を軽く殴って剣を地面に落とさせる。

「何!?」
「どれだけ強いか知らんがお前は我には勝てない。人間である限り我にはな」
「人間である限り?どういう意味だ!」

 男は逆の手で体に忍ばせていた針のようなものを投げつけチドラは投げてきた針を避ける。その避けた針は俺たちの方に向かって投げられていたようだがオルゴロスがいる限り俺たちには当たらない。オルゴロスが空間魔法で消し去るからだ。

「な、何だと」
「飛び道具など姑息な。男なら正々堂々とやらねぇか!」

 チドラは男の顔を殴るが男は

「炎よ!私を守りたまえ!ファイヤ・ウォール!」

 自分の顔の前に炎の小さな壁を出現させチドラの腕を燃やす。

「ほぉ」
「はは!ばかめ!私はこれでもAランクに近いBランク冒険者、双剣のガースとしって挑んでくるとはな。お前らが私の攻撃の避け方に少々驚きはしたがだが私が負けるほどの相手ではないとみた!」
「ほぉ。それは我も舐められたものよな」

 チドラは軽く腕をはらうと燃えていた腕は燃えていない状態に戻る。双剣のガースと名乗った男は一旦チドラと距離をおき、チドラは

「今のうちに行ってください。すぐに終わらせますから」
「わかった。はやくこいよ」

 俺たちはチドラをその場に置いて村の入り口に向かった。



 キナが村の入り口に向かったのを見届けた後チドラはガースにむきなおり

「さて。我はお前に聞きたいことがある」
「あ?なんだ?遺言か姉ちゃん?」
「は?遺言?ここまで我に対してダメージを上手いこと与えられてもいないお前が我に遺言はと聞くとはな。まぁよい。貴様サラマンドールという言葉に聞き覚えはないか?」
「サラマンドール?何だそれは。食い物か?」

 ガースが笑いながらチドラに言うとチドラは

「そうか。時間をとらせたな。では安心して死ね」
「それはこっちのセリフじゃあ!」

 ガースは双剣で一気にチドラに斬りかかったがガースが次に見た光景は自分の体が倒れ、チドラによって首を持たれている状態だった。

「あ、れ?」
「お前にはもう用はない人間。土に帰るといい」

 チドラはガースの頭を砂に変え、頭を処分した後体も砂へと変えた。

「これが地龍である我の魔法。貴様らには到底使えぬ人体を砂に変える土魔法よ」
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