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ドラの悲しみ 再
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「ゴブくん。ここに倒れてる獣人たち頼める?」
「…………どうせ断ってもお願いしてくるんでしょう?」
「うん!」
「…………分かりましたよ」
俺の願いをゴブくんは渋々受け入れてくれる。
口にはしていないがゴブくんも理解しているのだろう。
これからの戦いに準魔王級は足手まといだと。
「これからどうするんだ? 神獣の行方もまだ分かってないぞ?」
その言葉から推測するに先ほどの軍というものに探させているのだろう。
だが、それは必要あるまい。
「俺が魔力残滓を辿るから大丈夫。ドラは俺に付いて来てもらうよ」
「分かった。主は俺がしっかり守ってやるぜ!」
「アハハ…………蜥蜴は呑気でいいわねぇ」
【契約憑依】を習得したことを知らないドラは俺がただの人間でしかないと思っているのだ。
その光景を見てリーシャが苦笑いを隠せていない。
ゴブくんが回復ポーションや回復魔法をかけてくれたのだろう。
体は軽くなって少しだけ精神力も回復している。【契約憑依《レゾナンス》】を行使することも可能だ。
「…………よし! 見つかった!」
神獣が転移した場所はここから北に進んだところだった。
特に地図にはこの場所は何も描かれていなかったはずなのだが、何の用なのだろうか。
「絶対に体だけには気をつけてねぇ」
「うん。絶対に帰ってくるから」
リーシャの心配そうな表情を拭うように俺は元気よく答えた。
それより、リーシャはこれほど可愛かっただろうか。恋愛対象として見るだけでこれほど認識が変わるとは。
この戦いが終わったら絶対にデートをしよう。
「「……………………え?」」
その光景をドラとゴブくんがまさかね。と言いながら苦笑いして見ていた。
そして、ドラが笑いながら聞いてくる。
「流石にね? 主とリーシャが結ばれてたりはしてないよな?」
「あ~言ってなかったよね。俺たち付き合うことになったから!」
「「…………はあああああああぁぁぁぁ!?」」
二人はその俺の言葉を聞いた途端二人で顔を見合わせ、素っ頓狂すぎる声を上げた。
「なっ! まだ主は十五歳か十六歳ぐらいだっただろうが! 俺もとうとう合コンに手を出すしか…………」
「くッ! 一番最初に魔王城に行った時に、リーシャを見てヒロインコース行くなと思ってたんですよ! あの時に潰しておけばよかった!」
二人とも考えが危ない方向に行っているが大丈夫だろうか。
まぁ俺もそこまで言われたら悪い気もしない。
すると、ドラがもじもじしながらこちらに寄ってきた。
「あのぉ…………神獣のところに向かう前にアレをもらいたいんですけどぉ?」
「…………アレ?」
どうしたのだろうか。急に女の子らしくなったではないか。
「もぅ主ったら! そうやって誤魔化してぇ!」
ドラは俺に軽く体当たりしながらニヤニヤしてくる。
ってか今は【契約憑依】してないので普通に痛いのだが?
「ごめん。本当に分からないんだけど?」
「………………………………………………は?」
俺の謝罪にドラは死んだ魚の目をした。
「アハハ…………俺のプリンのことですよぉ」
「…………………あ。忘れてた」
「…………え?」
「ごめん! 本当に忙しくて買えてなかった!」
忙しかったというのは普通に言い訳である。リールとテールに油揚げを三十回以上作る暇はあった。
…………油揚げ?
「あ、これ…………」
「なんだ? これ?」
「…………油揚げ」
俺は【インベントリ】から油揚げを取り出してドラの手中に収める。
これは帰ったらリールとテールにあげるつもりだったものだ。
今は仕方がない。永遠の相棒と天秤にかけたら結果は明白である。
それなのにもかかわらず…………
「ふ、ふ、ふざけんなよおおおおおおおおおぉぉぉぉ! なんでいつも俺だけこんな目にいいいいいいいいぃぃぃぃ!」
ドラは空に反響するように泣きながら叫んだのだ。
あれ? 即相棒解除?
「…………どうせ断ってもお願いしてくるんでしょう?」
「うん!」
「…………分かりましたよ」
俺の願いをゴブくんは渋々受け入れてくれる。
口にはしていないがゴブくんも理解しているのだろう。
これからの戦いに準魔王級は足手まといだと。
「これからどうするんだ? 神獣の行方もまだ分かってないぞ?」
その言葉から推測するに先ほどの軍というものに探させているのだろう。
だが、それは必要あるまい。
「俺が魔力残滓を辿るから大丈夫。ドラは俺に付いて来てもらうよ」
「分かった。主は俺がしっかり守ってやるぜ!」
「アハハ…………蜥蜴は呑気でいいわねぇ」
【契約憑依】を習得したことを知らないドラは俺がただの人間でしかないと思っているのだ。
その光景を見てリーシャが苦笑いを隠せていない。
ゴブくんが回復ポーションや回復魔法をかけてくれたのだろう。
体は軽くなって少しだけ精神力も回復している。【契約憑依《レゾナンス》】を行使することも可能だ。
「…………よし! 見つかった!」
神獣が転移した場所はここから北に進んだところだった。
特に地図にはこの場所は何も描かれていなかったはずなのだが、何の用なのだろうか。
「絶対に体だけには気をつけてねぇ」
「うん。絶対に帰ってくるから」
リーシャの心配そうな表情を拭うように俺は元気よく答えた。
それより、リーシャはこれほど可愛かっただろうか。恋愛対象として見るだけでこれほど認識が変わるとは。
この戦いが終わったら絶対にデートをしよう。
「「……………………え?」」
その光景をドラとゴブくんがまさかね。と言いながら苦笑いして見ていた。
そして、ドラが笑いながら聞いてくる。
「流石にね? 主とリーシャが結ばれてたりはしてないよな?」
「あ~言ってなかったよね。俺たち付き合うことになったから!」
「「…………はあああああああぁぁぁぁ!?」」
二人はその俺の言葉を聞いた途端二人で顔を見合わせ、素っ頓狂すぎる声を上げた。
「なっ! まだ主は十五歳か十六歳ぐらいだっただろうが! 俺もとうとう合コンに手を出すしか…………」
「くッ! 一番最初に魔王城に行った時に、リーシャを見てヒロインコース行くなと思ってたんですよ! あの時に潰しておけばよかった!」
二人とも考えが危ない方向に行っているが大丈夫だろうか。
まぁ俺もそこまで言われたら悪い気もしない。
すると、ドラがもじもじしながらこちらに寄ってきた。
「あのぉ…………神獣のところに向かう前にアレをもらいたいんですけどぉ?」
「…………アレ?」
どうしたのだろうか。急に女の子らしくなったではないか。
「もぅ主ったら! そうやって誤魔化してぇ!」
ドラは俺に軽く体当たりしながらニヤニヤしてくる。
ってか今は【契約憑依】してないので普通に痛いのだが?
「ごめん。本当に分からないんだけど?」
「………………………………………………は?」
俺の謝罪にドラは死んだ魚の目をした。
「アハハ…………俺のプリンのことですよぉ」
「…………………あ。忘れてた」
「…………え?」
「ごめん! 本当に忙しくて買えてなかった!」
忙しかったというのは普通に言い訳である。リールとテールに油揚げを三十回以上作る暇はあった。
…………油揚げ?
「あ、これ…………」
「なんだ? これ?」
「…………油揚げ」
俺は【インベントリ】から油揚げを取り出してドラの手中に収める。
これは帰ったらリールとテールにあげるつもりだったものだ。
今は仕方がない。永遠の相棒と天秤にかけたら結果は明白である。
それなのにもかかわらず…………
「ふ、ふ、ふざけんなよおおおおおおおおおぉぉぉぉ! なんでいつも俺だけこんな目にいいいいいいいいぃぃぃぃ!」
ドラは空に反響するように泣きながら叫んだのだ。
あれ? 即相棒解除?
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