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進軍
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「おい。緑悪王。お前、何か隠してないか?」
「……………………丁度よかった。炎竜王。少し時間ありますか?」
「ああ…………」
二人はラークとグレードがいなくなった王城で再び同じ席に座った。
そしてゴブくんは重い口を開く。
「僕は…………僕は主に置いていかれたくないという気持ちで半年間必死に頑張ってきました」
「お前の頑張りは隣にいた俺が一番わかってるつもりだ。良くやったと思うよ。本当に」
ゴブくんはアレンが人間の大陸に行ったあと、すぐに行動に移した。
それはアレンが昔言っていた全種族が笑い合える世界を作るということだ。
そのため、魔大陸の中心に新たな国、新生人魔共栄国を建てた。
そして、すぐに仕事を割り振って、ラークには経済を。グレードには政治を。ドラには防衛を。
こうして半年で魔大陸で一番の大都市にまで登り詰めた。
「それでも、本当にこんなやり方で良かったのでしょうか?」
「まぁアレン様がいたら笑顔で頷いたりはしなかっただろうな」
新生人魔共栄国がここまで急激に成長したのには各種族の協力によるものが大きい。
当然、武力は行使せずに協力を得た。
だが、このやり方はほぼ武力に近い。
六魔獣に関しては進化しなければ魔獣の中での立場が低くなる。アレンの配下になれば、そのアドバンテージを埋めることが出来る。
邪蛇族と土竜族の二種族はどうやら本気だったようが、残りの種族はアレンのことなど、どうでもいいようだった。
「だが、お前はアレン様のためにやったんだろ? ならあの方も良く思ってくれるはずさ」
「……………………それなら良いんですけど」
しかし、ドラがそう口にしてもゴブくんの表情は晴れない。
「「…………………………………………」」
その様子を見てドラは我慢できなくなったのか、立ち上がりながら机をドンッと叩いて叫んだ。
「ああ! もうめんどくせぇ! さっさと本題を話せよ! お前はこんなことでそんな顔をする奴じゃないだろうが!」
「……………………あっはっは。僕だって少しぐらいは悪いと思っていますよ? まぁでも利用できるものは利用するのが僕の性格ですからね」
するとゴブくんは作り表情から少し悪い表情に変わる。
その様子に落ち着きを取り戻したドラは席に座り直した。
「ちッ。本当にお前が味方で良かったぜ。相手にいたら一番厄介な部類だわ」
「それは光栄ですね…………ちなみに軍を二万ほど借りれたりしますか? 全員準魔王級以上で」
次は真剣な表情と多彩な表情を持つゴブくんにドラは少し苦笑いをする。
そして、当然のようにドラは言った。
「それが本題か…………まぁ余裕だ。やばいのか? アレン様は」
「ええ…………何か悪い予感がするんです。契約上の繋がりですかね」
どんよりとした空気がこの王城に流れる。
悪い予感がするなんて今まで一度もなかった。ということは本格的にアレンに危機が襲い掛かろうとしているということだ。
「……………………どうすれば」
この旅はアレン自身の成長の旅。本当ならゴブくんたちは手出ししてはいけない。
ゴブくんはそのことを十分理解しているつもりだ。
だから、今迷っている。本当に助けに行くべきか、見守るべきか。
「そうか。なら今すぐ行くぞ」
「…………え⁉ 今すぐに行くんですか⁉」
「そりゃそうだろ。アレン様の危機なら誰でも行動してくれるさ」
そんな大胆なドラの行動にゴブくんは驚いた声を出す。
しかし、ドラは当たり前のように言って、椅子から立ち上がった。
「行くぞ。緑悪王。お前の大好きな主様がお待ちだ」
「あっはっは。あなたも十分、主にぞっこんですね」
「ふっ。お前が言うな」
二人はしっかりアレンの配下として強固な絆を感じながら王城をあとにしたのだった。
こうして二人と獣人の二万の軍勢はオースガイアへと向かうことになる。
「……………………丁度よかった。炎竜王。少し時間ありますか?」
「ああ…………」
二人はラークとグレードがいなくなった王城で再び同じ席に座った。
そしてゴブくんは重い口を開く。
「僕は…………僕は主に置いていかれたくないという気持ちで半年間必死に頑張ってきました」
「お前の頑張りは隣にいた俺が一番わかってるつもりだ。良くやったと思うよ。本当に」
ゴブくんはアレンが人間の大陸に行ったあと、すぐに行動に移した。
それはアレンが昔言っていた全種族が笑い合える世界を作るということだ。
そのため、魔大陸の中心に新たな国、新生人魔共栄国を建てた。
そして、すぐに仕事を割り振って、ラークには経済を。グレードには政治を。ドラには防衛を。
こうして半年で魔大陸で一番の大都市にまで登り詰めた。
「それでも、本当にこんなやり方で良かったのでしょうか?」
「まぁアレン様がいたら笑顔で頷いたりはしなかっただろうな」
新生人魔共栄国がここまで急激に成長したのには各種族の協力によるものが大きい。
当然、武力は行使せずに協力を得た。
だが、このやり方はほぼ武力に近い。
六魔獣に関しては進化しなければ魔獣の中での立場が低くなる。アレンの配下になれば、そのアドバンテージを埋めることが出来る。
邪蛇族と土竜族の二種族はどうやら本気だったようが、残りの種族はアレンのことなど、どうでもいいようだった。
「だが、お前はアレン様のためにやったんだろ? ならあの方も良く思ってくれるはずさ」
「……………………それなら良いんですけど」
しかし、ドラがそう口にしてもゴブくんの表情は晴れない。
「「…………………………………………」」
その様子を見てドラは我慢できなくなったのか、立ち上がりながら机をドンッと叩いて叫んだ。
「ああ! もうめんどくせぇ! さっさと本題を話せよ! お前はこんなことでそんな顔をする奴じゃないだろうが!」
「……………………あっはっは。僕だって少しぐらいは悪いと思っていますよ? まぁでも利用できるものは利用するのが僕の性格ですからね」
するとゴブくんは作り表情から少し悪い表情に変わる。
その様子に落ち着きを取り戻したドラは席に座り直した。
「ちッ。本当にお前が味方で良かったぜ。相手にいたら一番厄介な部類だわ」
「それは光栄ですね…………ちなみに軍を二万ほど借りれたりしますか? 全員準魔王級以上で」
次は真剣な表情と多彩な表情を持つゴブくんにドラは少し苦笑いをする。
そして、当然のようにドラは言った。
「それが本題か…………まぁ余裕だ。やばいのか? アレン様は」
「ええ…………何か悪い予感がするんです。契約上の繋がりですかね」
どんよりとした空気がこの王城に流れる。
悪い予感がするなんて今まで一度もなかった。ということは本格的にアレンに危機が襲い掛かろうとしているということだ。
「……………………どうすれば」
この旅はアレン自身の成長の旅。本当ならゴブくんたちは手出ししてはいけない。
ゴブくんはそのことを十分理解しているつもりだ。
だから、今迷っている。本当に助けに行くべきか、見守るべきか。
「そうか。なら今すぐ行くぞ」
「…………え⁉ 今すぐに行くんですか⁉」
「そりゃそうだろ。アレン様の危機なら誰でも行動してくれるさ」
そんな大胆なドラの行動にゴブくんは驚いた声を出す。
しかし、ドラは当たり前のように言って、椅子から立ち上がった。
「行くぞ。緑悪王。お前の大好きな主様がお待ちだ」
「あっはっは。あなたも十分、主にぞっこんですね」
「ふっ。お前が言うな」
二人はしっかりアレンの配下として強固な絆を感じながら王城をあとにしたのだった。
こうして二人と獣人の二万の軍勢はオースガイアへと向かうことになる。
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