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2章 最強冒険者
異常
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しゅんと縮こまった私を見てアレンは助け舟を出そうとする。
「アハハ…………まぁ別に攻略が進むのは良いこと――」
「アレン様もアレン様です。貴方は国民の英雄なのですよ? 簡単に婚約とか口にしないでください。本当にエリス様もアレン様も身の程をわきまえてもらいたいものです」
「「…………うっ!」」
私とアレンはシャウラに対して何も言い返すことが出来ず、黙り込んでしまう。
どうやら助け船は沈没したようだ。更に私まで被害が及ぶという特典付きで。
身の程をわきまえるって調子に乗っている奴に言うのでは? とは思ったものの、ツッコんでしまったら生きて帰れそうにないので私は心の中で我慢した。
「話が逸れましたね。エリス様が持ち帰った魔石ですがあれはカイロス様、エリス様の父君が買い取られました」
「…………父が?」
「はい。あの魔石は今まで発見されてきた中で一番の特上ものでしたから。国王様にでも献上するのでしょう」
シャウラの話には筋が通っている。
もし、私が気付かないうちに最前線に出ていたのなら、今までと比べて最高級の魔石であるというのも頷ける。
また、アルローゼ伯爵家には魔石加工に特化した職人が数人いる。
魔法術式が組み込まれた魔道具や、ネックレスなどの装飾にも加工できるのだ。
今までも父が王族に品物を献上しているという話は聞いたことがある。
そして、父なら一億パルなど余裕で払えるというわけだ。
「ま、まぁそれは理解したわ。でもまだ私が破壊者だなんて信じられないわよ。私はⅮランク冒険者なのよ?」
「それに関しては私も同じ意見です」
「いや、エリス様を調べつくした俺だから分かる。破壊者はエリス様だ」
少しアレンの言葉に危険を感じたことは置いておこう。
私はⅮランク冒険者だ。絶対にSランク冒険者のアレンとは比べ物にならないほど弱いはずである。
それが覚醒。それが冒険者なのだから。万が一に成長するなんてことはありえない。
「ということで一番疑いがあるものを調べることにしました」
そう言ってシャウラは机上に一つの石板のようなものを置いた。
私もこれは一度だけ見たことがある。
「鑑定石ね」
「そうです。これで一度、エリス様のスキルを再確認させてほしいんです」
シャウラは私の前に鑑定石を差し出して言った。
アレンも私のスキルに興味津々そうだ。
そのため本当に残念である。私も見せれるのならば見せるのに。
「でも、出ないと思うわよ?」
「出ない? なんでだ?」
「私のスキル。貰い物だもの」
「「……………………へ?」」
私は苦笑いをしながら答える。
前にスキルを説明したのを覚えているだろうか。少しあれには誤りがある。
私の最初のスキルは【鉄鍋】。能力は一つの鉄鍋を発現させる。ただそれだけだった。
それも当たり前である。所詮、最弱冒険者。強力なスキルなどもらえるはずがない。
最初は本当に嘆いた。それこそ死んだ魚の目をして生きていた。
まぁそれから色々あって私のスキルに殺戮が付与されたのだ。
「まぁ私みたいな人、ほかにもいるかも…………どうしたの?」
シャウラとアレンはその場で銅像のように固まっていた。
何か驚かせるようなこと言っただろうか。
だが、こういうのは当の本人は何とも思っていない場合が多い。
それはここ数日で身に染みるほど学んできた。
なので、どうせ私がまた常識知らずなことを言ったのだろう。
でなければこの二人の表情の説明が出来ない。
「「はああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!?」」
二人は目を限界まで見開いて驚きをあらわにしたのだった。
「アハハ…………まぁ別に攻略が進むのは良いこと――」
「アレン様もアレン様です。貴方は国民の英雄なのですよ? 簡単に婚約とか口にしないでください。本当にエリス様もアレン様も身の程をわきまえてもらいたいものです」
「「…………うっ!」」
私とアレンはシャウラに対して何も言い返すことが出来ず、黙り込んでしまう。
どうやら助け船は沈没したようだ。更に私まで被害が及ぶという特典付きで。
身の程をわきまえるって調子に乗っている奴に言うのでは? とは思ったものの、ツッコんでしまったら生きて帰れそうにないので私は心の中で我慢した。
「話が逸れましたね。エリス様が持ち帰った魔石ですがあれはカイロス様、エリス様の父君が買い取られました」
「…………父が?」
「はい。あの魔石は今まで発見されてきた中で一番の特上ものでしたから。国王様にでも献上するのでしょう」
シャウラの話には筋が通っている。
もし、私が気付かないうちに最前線に出ていたのなら、今までと比べて最高級の魔石であるというのも頷ける。
また、アルローゼ伯爵家には魔石加工に特化した職人が数人いる。
魔法術式が組み込まれた魔道具や、ネックレスなどの装飾にも加工できるのだ。
今までも父が王族に品物を献上しているという話は聞いたことがある。
そして、父なら一億パルなど余裕で払えるというわけだ。
「ま、まぁそれは理解したわ。でもまだ私が破壊者だなんて信じられないわよ。私はⅮランク冒険者なのよ?」
「それに関しては私も同じ意見です」
「いや、エリス様を調べつくした俺だから分かる。破壊者はエリス様だ」
少しアレンの言葉に危険を感じたことは置いておこう。
私はⅮランク冒険者だ。絶対にSランク冒険者のアレンとは比べ物にならないほど弱いはずである。
それが覚醒。それが冒険者なのだから。万が一に成長するなんてことはありえない。
「ということで一番疑いがあるものを調べることにしました」
そう言ってシャウラは机上に一つの石板のようなものを置いた。
私もこれは一度だけ見たことがある。
「鑑定石ね」
「そうです。これで一度、エリス様のスキルを再確認させてほしいんです」
シャウラは私の前に鑑定石を差し出して言った。
アレンも私のスキルに興味津々そうだ。
そのため本当に残念である。私も見せれるのならば見せるのに。
「でも、出ないと思うわよ?」
「出ない? なんでだ?」
「私のスキル。貰い物だもの」
「「……………………へ?」」
私は苦笑いをしながら答える。
前にスキルを説明したのを覚えているだろうか。少しあれには誤りがある。
私の最初のスキルは【鉄鍋】。能力は一つの鉄鍋を発現させる。ただそれだけだった。
それも当たり前である。所詮、最弱冒険者。強力なスキルなどもらえるはずがない。
最初は本当に嘆いた。それこそ死んだ魚の目をして生きていた。
まぁそれから色々あって私のスキルに殺戮が付与されたのだ。
「まぁ私みたいな人、ほかにもいるかも…………どうしたの?」
シャウラとアレンはその場で銅像のように固まっていた。
何か驚かせるようなこと言っただろうか。
だが、こういうのは当の本人は何とも思っていない場合が多い。
それはここ数日で身に染みるほど学んできた。
なので、どうせ私がまた常識知らずなことを言ったのだろう。
でなければこの二人の表情の説明が出来ない。
「「はああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!?」」
二人は目を限界まで見開いて驚きをあらわにしたのだった。
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