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四章 魔術大会

一回戦

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 しっかりドラコをボコボコにしてから俺たちはすぐに転移陣に乗った。
 もし、優勝した際にはこいつ一人で式典に参加させよう。

『では転移を開始しますぅ!』

 そんなアナウンスとともに俺たちの視界は真っ暗に染まった。



「…………ん? ここは?」

 視界が明るくなると、そこには見覚えのない住宅街が広がっていた。
 試しに地面や建物を触ってみるが、感触はあるものの実体感はない。
 どうやら魔法で作られた戦闘場のようだ。

 しかし、ここまで細かく再現するとなると超繊細な魔力操作を必要とする。
 幹部クラスがかかわっているのは間違いない。

「じゃあ寝るか」

 軽く魔法で探知するが、とてつもない速さでこちらに向かってきている一人以外、強力な魔力反応はない。
 正直、汗水かいて必死に戦闘! なんてことをしたかったが予選ではできなさそうだ。
 決勝戦も余裕で勝てると思っていたのだが、数人、魔王幹部より強いものがいた。
 そこでは十分本気を出せるかもしれない。

 そのためそこまでは体力温存だ。

 俺は住宅街の壁を蹴って屋上へと昇る。
 本当なら家の中に入ってベッドを借りたかったのだが、そこまで繊細には作られていなかった。
 少しだけ残念である。

「じゃあお隣もらいますね」
「お前は本当に物好きだよな」

 エルフリアは音もたてずにこの屋上にやってきた。
 そして、仰向けになっている俺の横でちょこんと体育座りをする。

 確か、エルフリアとは転移場所が真反対だったはずなのだが、まさか一瞬でここまで走って来るとは思っていなかった。

「私とレイ様は運命の赤い糸で繋がってますから!」
「…………はぁ。はいはい」

 どうせここで粘っても無駄であろう。
 まぁドMではないときのエルフリアは美女だ。別に悪い気もしない。
 一応、エルフリアも俺とは少し距離をとってくれるようだ。

「終わったら起こしてくれ」
「分かりました。おやすみなさい、レイ様」

 そうして俺とエルフリアは場外ギリギリで休息をとることになった。
 


***

今回は短めで申し訳ございません。
明日は2000字ほど書いているので是非、読んでいただけると嬉しいです!
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