上 下
3 / 6

第一町②

しおりを挟む
そして宿屋で受付を始めた。
「アリスちゃんだっけ」
「はい、そうです」
「何日くらい止まるの?」
「そうですね。一応二泊くらいでしょうか」
「じゃあ、二泊ね。値段は八千ペルね」
「結構安いですね」
「まぁ、地方でも安いのかもしれないわね。でもあなたはモイラの紹介でもあるし、こんなかわいらしい子が旅をしてるんだもん。応援したくなちゃうわ。もう少しおまけしようかしら」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「えっ、そうなの。なんなら無料でもいいわよ」
「それはさすがに冗談ですよね」
「どっちだと思う」
タダほど怖いものはないし、これは冗談だろう。
「冗談ですね」
「半分正解で半分不正解かしらね」
「どちらを選んでても同じだったんですね」
「いやそんなことはないさ。冗談じゃないと言ってたら私は少なくとも注意してただろうね」
「そうですか」
「ただほど怖いものはないし、悪いことに引っ掛からないとも限らないしね」
「そうですね。ありがとうございます」
「いいや、こちらこそごめんね。余計なおせっかいだったかしら」
「いいえ、ありがとうございます。旅に出る時、家族に結構注意されてきたので、それを少し思い出しました」
「あら、恋しい思いをさせてしまったかしら」
「恋しい思いがないといえば嘘になりますが、今は旅をしていて新しい発見や体験があるので楽しいです。でも、旅をしていて注意をしてくれるはがあまりいないので、アイリスさんがお母さんみたいに感じました」
「いいよいいよ、私をお母さんだと思って帰ってきてね」
少し笑いながら言った。
「もう少しで夕暮れだけど、どこか見て回るの」
「そうですね、今日は部屋で休もうと思います」
「しっかり休んで旅の疲れを取ってね。食事の時は呼びに行った方がいいかしら」
「食事ができて、私が来なかったらお願いします」
「その時は呼びに行くわね」
「あっ、お金出しますね」
「あらっ、私も忘れていたわ」
私はお代を渡した。
「ちょうどね。じゃあ、これ部屋の鍵ね。部屋は101番って書いてある部屋ね」
「分かりました」
「ゆっくり休んでね」
「はい」
そう言って、私は部屋に向かった。
私は101番の部屋を見つけると、部屋の鍵を開けて、中に入った。荷物を置き、ベッドの上に倒れこみ、横になった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

猫が作る魚料理

楓洋輔
ライト文芸
猫人間のモモ子は魚料理が大得意。ほっこりした日常を描くレシピ小説です。 香織(32歳)はモモ子と一軒家で同居している。モモ子は、二足歩行で言葉を喋る、人間と同じくらいの大きさの猫だ。猫だけに、いつもぐうたらと怠けているモモ子だが、魚が好きで、魚料理が大得意。魚料理は下ごしらえなどが面倒なので、怠け者のモモ子は手間のかからない、お手軽だけど絶品な魚料理のレシピを次々と披露する。そのレシピは、普段料理をしない人でも簡単にできてしまうようなものばかり。同じく同居人の誠也(22歳)と共に、仕事や恋に悩みながらも、香織はモモ子の魚料理を堪能していく。

僕と私の最後の49日。

翠sui
ライト文芸
僕と君の最後の49日を書いた薄暗いラブストーリー。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

処理中です...