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第3章 真偽の裏表
29.割り切れない夢の中で ①/神685-6(Und)-7
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執務室を出た私たちはすぐさま私の部屋に集まった。
話の内容は執務室内で行われた会話に関する情報の共有と議論。
国王の正体、人間と絶対神の関係、明日の宴会、その後の継承の間に関してなど。
何を準備するべきで、何を備えるべきか、短い時間だが簡単にでも会話した。
人間と絶対神の関係については私の方で情報を共有した。
今までイミテーや他の神との会話ですでに確証が取れていたからだ。
ただ、二人とも人間が絶対神の種族だったことには、意外と驚いていなかった。
もしかすると、国王が正体を明かした時から薄々感じていたのかもしれない。
宴会に関しては、取引を気にする必要がなくなった分、心は軽くなった。
ベルジュたちが手を回さなくても、継承の間に入る目的は果たされるだろうから。
ただ、その結果とは関係なく、エレミアたちの決心は揺らがなかった。
私が宴会に出る以上、自分たちも取引に関係なく出ると、そう言っている。
時間的にも、説得できる機会はあと一回くらいだろう。
彼女たちの反応を見ると、説得できる可能性はゼロに近い。
そのことは確かに心配だったが、今回の件で私も心を決めた。
いざという時にそういう柵を気にする人間ではないけど、気は楽になった。
公爵家とか、他人の目を気にする必要がなくなった以上、私も彼女らを守るため何でもできるようになったから。
そんなあれこれを話した後、日も暗くなったので夕食を済まして眠りについた。
混乱した頭が、眠りの中で落ち着くことを祈りながら。
――だからこそ、今の状況がどうしても理解できなかった。
「……何だ、これは」
想像すらしなかった光景を前に、心の声が飛び出る。
私は目の前に広がる、懐かしさすら感じる光景に戸惑っていた。
自己開発の本と昔ながらのVHSが隙間なく埋まっている本棚。
高性能のデスクトップ型のパソコンと、黒いノートパソコン。
壁に飾ってるどっかの海外にありそうな民族仮面。
私はここを知っている。
元の世界にある私の故郷、両親が住んでいる家だ。
そしてこの部屋は、私が実家に来た時に寝室として使っている父の書斎だった。
「帰って、来たのか?」
口にするのと同時に、もしやと思いながら頭の真横辺りを手探り始める。
しばらくして手に伝わる四角い何かの感触。
掴んで確認したそれは、やはり私がいつも使っていた黒いスマホだった。
手から伝わる違和感、初めて触るかのような感触を無視し、ロック画面を映そうとした瞬間、部屋の外から声が聞こえてきた。
『歩望ちゃーん、まだ寝てるー? ご飯できたよー?』
優しくも懐かしい声。
不意に涙がこぼれようとするのを必死に堪えながら、声を張る。
「起きてる、今いくから!」
張り上げた声は気を遣ったにもかかわらず、なぜか震えてるように感じた。
そして掴んだ手のスマホから見える日付を見た瞬間、全てを理解した。
――――20△○年3月19日。
私が異世界へと飛ばされる約一年前。
大学の卒業を控えた最後の休み。
もしかしたら私の人生で一番平和だったであろう頃に、帰ってきたのだ。
もちろん、ありえないことだというのはわかっていた。
本来の私の時間からも一年以上ずれていて、何よりも私は未だ異世界から抜け出せていない。
じゃあ、この状況は何なんだろうか。
あまりにも現実感あふれる感覚だったが、私はこれを夢と決めつけるのに、そう長い時間はかからなかった。
神力あふれる王城の中で眠った私に、神が見せる明晰夢、それが一番近いだろう。
この状況になる直前の記憶を振り返ってみると、それしか答えが出なかった。
「……いっそ、来る直前の時間に戻してくれてたら」
だったら、私は今の状況を夢から覚めただけだと仮定できたはずだ。
元の世界から夢を通して異世界を見たのか。
異世界から夢を通して元の世界を見てるのか。
前者と後者を見分けることができないなら、希望がある方へと考えは傾くものだ。
しかし、私が騙されたくても状況が許してくれなかった。
たとえこれが夢でなくても、過去の時間である以上は偽りに違いはないからだ。
そう、良く出来上がっている幻だ。
まるで、現実を見てるかのように。
『歩望ちゃん! 早く起きなさい! ご飯冷めちゃうでしょ!』
「起きたってば!」
『寝ぼける歩望ちゃんはいつもそういう!』
「うっ……ちょっと待って!」
私はすぐに布団を蹴飛ばして起き上がる。
クローゼットの中から良く着てた黒いパーカーに着替えて、部屋の外へと出た。
そしてそこには、本当に夢にも見た光景が広がっていた。
「こら、休日だからってだらけすぎるんじゃねーぞ?」
「もうあなたったら、休みの日くらいはホッとして起こうよ。歩望、早くおいで、ご飯食べなきゃ」
軽い口調で小言を言う父さん。
それをたしなめながら私をかまってくださる母さん。
当たり前で懐かしく、また恋しい風景。
この時期が去ってから、私は一人暮らしをしながら仕事をしていき、ここに戻るのは年末になってからだ。
そこから戻って、元の世界で約三カ月。
またこの世界でも約三カ月ぐらいが過ぎて、合わせると半年だ。
胸の中に、年末に帰った時にも感じられなかった懐郷の念が溢れていた。
胸が張り裂け、目頭は熱くなる。
今までの出来事が、漠然とした悲しみとなり再び蘇る。
しかしこの思いを吐き出すことはできなかった。
この夢が覚めてしまったら、この一時の夢すら見れなくなる。
だからこそ私は、記憶に残っている私の反応を演じることにした。
「そう言わなくてもあと数日だ、これくらいの怠惰は勘弁してくれ」
「そうそう、だから早く食べましょう、冷めたらせっかく作ったのにもったいないでしょ」
そんな私の言葉に母さんは肯定し、朝の一時はこうして流れる。
《いただきます》が食卓に鳴り響き、ささやかな日常がまた始まる。
これが夢で偽りであることは知っている。
でも、それがどうしたと言うんだ。
いつか覚めるべき夢であっても、あまりにも恋しい夢だ。
この夢の中では、この偽りの中の家族の前では。
私は異世界人も、神の使徒でもない、ただの歩望に帰ることができる。
それを真っ向から否定できるほどに、私は強くなかった。
だから、せめて今日の今だけは、この偽りの中を望んでさまようと、誓った。
***
Interude
深い夜、侯爵家の執務室の中には蝋燭の日が未だ灯されていた。
中に集まっている人は全部で三人。
侯爵の息子であるシエガ・エドウィン、ジェネシスのグスタフ主教。
そして、この執務室の主とも言えるエドウィン侯爵本人となる。
「それで、神の使徒はどうだった」
「本物かはわかりませんが、それを裏付けるくらいの神力だけは本物でした」
「噂通り、神々から加護を授けられたのでしょう。
どう繕っても普通の人間とは考えられませんな」
「なるほど、公爵家が言いふらすだけはあるということか、予想はしていたが」
そう言ってるエドウィン侯爵の顔は苦悩に満ちていた。
神の使徒がこの国に現れたこと自体はおめでたいことだろうが、そういう存在がいる場所は自分たちの側ではなかったからだ。
「神の使徒は公爵家と共にある、か」
「今日は陛下との謁見で、明日の宴会にも参加するそうです」
「……面倒なことになるか、こちらに引き出せるか?」
「公爵家の守りが硬いです、賢者の懐刀まで借りてる状況です」
「《虚闇の薔薇》か」
沈黙の賢者直属の部下であり、彼がもっとも信頼する仲間。
その冷たくも鋭い忠犬のことは、侯爵もよく知っていた。
ただ、それだけだったら接触自体は難しくないだろうと、侯爵は踏んだ。
「どうせ賢者は今回の件に中立を守るしかない。
単に話に誘うだけなら、あの女も使徒殿を出さないわけいにはいかないだろう。
とりあえず、宴会前に時間を見て話をしてみろ」
「わかりました、公爵家に使う適当な言い訳を考えてみましょう」
神の使徒に関する話題は一段落したが、侯爵の顔に差した影は晴れない。
両陣営の拮抗状態は新たな変数により動き出し、それが侯爵家にとって不利になることは火を見るより明らかだった。
あの公爵家なら、どう転んでも自分たちの利益になるよう設計したはず。
だからこそ、侯爵は明日の宴会を準備しながらも最悪の状況も念頭に入れていた。
こうして先手を奪われた以上、どこまで転がるかわからなかったからだ。
「――グスタフ主教」
「はい、何でしょうか」
「アレの準備は、どうなってる?」
「目標の五割といったところでしょうか、試せなくはないですが、おすすめはできませんな」
「なら、可能性は存在すると見てもいいだろう」
グスタフ主教は細い片目をチラッと開けて、侯爵を見つめた。
蝋燭の火と部屋中に満ちている暗闇の不気味さからが、その顔はどこか不穏な色を浴びていた。
「計画の進行と、その開始の権限は侯爵殿に委ねてます。
やると仰るのなら従いますとも――ただ、始まってしまったらもう戻れません、それはご存じでしょう」
「知らなかったのなら、そちらと協力することもなかっただろう」
「よろしい、ならこちらからは何も言いますまい――全ては、崇高なる一のために」
月明かりすら映らない暗闇で、蝋燭の火だけが風に震えた。
Interude Out
話の内容は執務室内で行われた会話に関する情報の共有と議論。
国王の正体、人間と絶対神の関係、明日の宴会、その後の継承の間に関してなど。
何を準備するべきで、何を備えるべきか、短い時間だが簡単にでも会話した。
人間と絶対神の関係については私の方で情報を共有した。
今までイミテーや他の神との会話ですでに確証が取れていたからだ。
ただ、二人とも人間が絶対神の種族だったことには、意外と驚いていなかった。
もしかすると、国王が正体を明かした時から薄々感じていたのかもしれない。
宴会に関しては、取引を気にする必要がなくなった分、心は軽くなった。
ベルジュたちが手を回さなくても、継承の間に入る目的は果たされるだろうから。
ただ、その結果とは関係なく、エレミアたちの決心は揺らがなかった。
私が宴会に出る以上、自分たちも取引に関係なく出ると、そう言っている。
時間的にも、説得できる機会はあと一回くらいだろう。
彼女たちの反応を見ると、説得できる可能性はゼロに近い。
そのことは確かに心配だったが、今回の件で私も心を決めた。
いざという時にそういう柵を気にする人間ではないけど、気は楽になった。
公爵家とか、他人の目を気にする必要がなくなった以上、私も彼女らを守るため何でもできるようになったから。
そんなあれこれを話した後、日も暗くなったので夕食を済まして眠りについた。
混乱した頭が、眠りの中で落ち着くことを祈りながら。
――だからこそ、今の状況がどうしても理解できなかった。
「……何だ、これは」
想像すらしなかった光景を前に、心の声が飛び出る。
私は目の前に広がる、懐かしさすら感じる光景に戸惑っていた。
自己開発の本と昔ながらのVHSが隙間なく埋まっている本棚。
高性能のデスクトップ型のパソコンと、黒いノートパソコン。
壁に飾ってるどっかの海外にありそうな民族仮面。
私はここを知っている。
元の世界にある私の故郷、両親が住んでいる家だ。
そしてこの部屋は、私が実家に来た時に寝室として使っている父の書斎だった。
「帰って、来たのか?」
口にするのと同時に、もしやと思いながら頭の真横辺りを手探り始める。
しばらくして手に伝わる四角い何かの感触。
掴んで確認したそれは、やはり私がいつも使っていた黒いスマホだった。
手から伝わる違和感、初めて触るかのような感触を無視し、ロック画面を映そうとした瞬間、部屋の外から声が聞こえてきた。
『歩望ちゃーん、まだ寝てるー? ご飯できたよー?』
優しくも懐かしい声。
不意に涙がこぼれようとするのを必死に堪えながら、声を張る。
「起きてる、今いくから!」
張り上げた声は気を遣ったにもかかわらず、なぜか震えてるように感じた。
そして掴んだ手のスマホから見える日付を見た瞬間、全てを理解した。
――――20△○年3月19日。
私が異世界へと飛ばされる約一年前。
大学の卒業を控えた最後の休み。
もしかしたら私の人生で一番平和だったであろう頃に、帰ってきたのだ。
もちろん、ありえないことだというのはわかっていた。
本来の私の時間からも一年以上ずれていて、何よりも私は未だ異世界から抜け出せていない。
じゃあ、この状況は何なんだろうか。
あまりにも現実感あふれる感覚だったが、私はこれを夢と決めつけるのに、そう長い時間はかからなかった。
神力あふれる王城の中で眠った私に、神が見せる明晰夢、それが一番近いだろう。
この状況になる直前の記憶を振り返ってみると、それしか答えが出なかった。
「……いっそ、来る直前の時間に戻してくれてたら」
だったら、私は今の状況を夢から覚めただけだと仮定できたはずだ。
元の世界から夢を通して異世界を見たのか。
異世界から夢を通して元の世界を見てるのか。
前者と後者を見分けることができないなら、希望がある方へと考えは傾くものだ。
しかし、私が騙されたくても状況が許してくれなかった。
たとえこれが夢でなくても、過去の時間である以上は偽りに違いはないからだ。
そう、良く出来上がっている幻だ。
まるで、現実を見てるかのように。
『歩望ちゃん! 早く起きなさい! ご飯冷めちゃうでしょ!』
「起きたってば!」
『寝ぼける歩望ちゃんはいつもそういう!』
「うっ……ちょっと待って!」
私はすぐに布団を蹴飛ばして起き上がる。
クローゼットの中から良く着てた黒いパーカーに着替えて、部屋の外へと出た。
そしてそこには、本当に夢にも見た光景が広がっていた。
「こら、休日だからってだらけすぎるんじゃねーぞ?」
「もうあなたったら、休みの日くらいはホッとして起こうよ。歩望、早くおいで、ご飯食べなきゃ」
軽い口調で小言を言う父さん。
それをたしなめながら私をかまってくださる母さん。
当たり前で懐かしく、また恋しい風景。
この時期が去ってから、私は一人暮らしをしながら仕事をしていき、ここに戻るのは年末になってからだ。
そこから戻って、元の世界で約三カ月。
またこの世界でも約三カ月ぐらいが過ぎて、合わせると半年だ。
胸の中に、年末に帰った時にも感じられなかった懐郷の念が溢れていた。
胸が張り裂け、目頭は熱くなる。
今までの出来事が、漠然とした悲しみとなり再び蘇る。
しかしこの思いを吐き出すことはできなかった。
この夢が覚めてしまったら、この一時の夢すら見れなくなる。
だからこそ私は、記憶に残っている私の反応を演じることにした。
「そう言わなくてもあと数日だ、これくらいの怠惰は勘弁してくれ」
「そうそう、だから早く食べましょう、冷めたらせっかく作ったのにもったいないでしょ」
そんな私の言葉に母さんは肯定し、朝の一時はこうして流れる。
《いただきます》が食卓に鳴り響き、ささやかな日常がまた始まる。
これが夢で偽りであることは知っている。
でも、それがどうしたと言うんだ。
いつか覚めるべき夢であっても、あまりにも恋しい夢だ。
この夢の中では、この偽りの中の家族の前では。
私は異世界人も、神の使徒でもない、ただの歩望に帰ることができる。
それを真っ向から否定できるほどに、私は強くなかった。
だから、せめて今日の今だけは、この偽りの中を望んでさまようと、誓った。
***
Interude
深い夜、侯爵家の執務室の中には蝋燭の日が未だ灯されていた。
中に集まっている人は全部で三人。
侯爵の息子であるシエガ・エドウィン、ジェネシスのグスタフ主教。
そして、この執務室の主とも言えるエドウィン侯爵本人となる。
「それで、神の使徒はどうだった」
「本物かはわかりませんが、それを裏付けるくらいの神力だけは本物でした」
「噂通り、神々から加護を授けられたのでしょう。
どう繕っても普通の人間とは考えられませんな」
「なるほど、公爵家が言いふらすだけはあるということか、予想はしていたが」
そう言ってるエドウィン侯爵の顔は苦悩に満ちていた。
神の使徒がこの国に現れたこと自体はおめでたいことだろうが、そういう存在がいる場所は自分たちの側ではなかったからだ。
「神の使徒は公爵家と共にある、か」
「今日は陛下との謁見で、明日の宴会にも参加するそうです」
「……面倒なことになるか、こちらに引き出せるか?」
「公爵家の守りが硬いです、賢者の懐刀まで借りてる状況です」
「《虚闇の薔薇》か」
沈黙の賢者直属の部下であり、彼がもっとも信頼する仲間。
その冷たくも鋭い忠犬のことは、侯爵もよく知っていた。
ただ、それだけだったら接触自体は難しくないだろうと、侯爵は踏んだ。
「どうせ賢者は今回の件に中立を守るしかない。
単に話に誘うだけなら、あの女も使徒殿を出さないわけいにはいかないだろう。
とりあえず、宴会前に時間を見て話をしてみろ」
「わかりました、公爵家に使う適当な言い訳を考えてみましょう」
神の使徒に関する話題は一段落したが、侯爵の顔に差した影は晴れない。
両陣営の拮抗状態は新たな変数により動き出し、それが侯爵家にとって不利になることは火を見るより明らかだった。
あの公爵家なら、どう転んでも自分たちの利益になるよう設計したはず。
だからこそ、侯爵は明日の宴会を準備しながらも最悪の状況も念頭に入れていた。
こうして先手を奪われた以上、どこまで転がるかわからなかったからだ。
「――グスタフ主教」
「はい、何でしょうか」
「アレの準備は、どうなってる?」
「目標の五割といったところでしょうか、試せなくはないですが、おすすめはできませんな」
「なら、可能性は存在すると見てもいいだろう」
グスタフ主教は細い片目をチラッと開けて、侯爵を見つめた。
蝋燭の火と部屋中に満ちている暗闇の不気味さからが、その顔はどこか不穏な色を浴びていた。
「計画の進行と、その開始の権限は侯爵殿に委ねてます。
やると仰るのなら従いますとも――ただ、始まってしまったらもう戻れません、それはご存じでしょう」
「知らなかったのなら、そちらと協力することもなかっただろう」
「よろしい、ならこちらからは何も言いますまい――全ては、崇高なる一のために」
月明かりすら映らない暗闇で、蝋燭の火だけが風に震えた。
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