異世界人として生きるのは

「時代と世界が変わっても、現実は変わらない」

 いつものように眠り、いつものように起きる。
 しかしそこは既にいつもの場所ではなかった。
 右も左も分からず閉じ込められ、隣のエルフに助けられるも、向かった先に安住の地は存在しない。
 この世界でも私はただの異物でしかなかった。

 世界が変わっても現実は変わらない。
 自分という人間もまた、そう簡単に変わらない。

 だったらいつものように生きていくしかない。
 十人十色でも、私のやり方は今も昔も一つだけだ。

――足掻いて、もがけ。
  それだけが今を生きる人間の逝き方だ。

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