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もうすです!4
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出産して次の日から沙羅の病室にはベビーベッドが運び込まれ、親子同室になった。
赤ちゃんの泣き声は、まるで子猫のようだ。
「ほぎゃぁ、ほぎゃぁ」
「はい、はい、先にオムツ交換しましょうね」
沙羅は、2回目の子育てと言っても、前回からかなり間が空いている。
なにせ、美幸は現在中学2年生の14歳なのだ。
久しぶりの子育てに沙羅は、おぼつかない手つきで、オムツを交換する。
最近のオムツは、随分薄くなったなぁっと関心したり、授乳用のクッションもなかなか便利で、子育ての情報も上書きが必要だった。
オムツを外したところで、沙羅はちょっと、にやついてしまう。
「足も小っちゃいくて、可愛い。ふふっ、男の子」
無事にオムツを替え、手を洗いと消毒をして、おっぱいをあげ始めた。
この時期、母乳は濃度が高く栄養たっぷりで、赤ちゃんの免疫力を高める働きがある。
赤ちゃんは、小さな口でやっと吸いついている。まだ、上手に吸えずに、必死の様子だ。その姿に母性本能を刺激される。
「ホント、何をしていても可愛いわね」
コンコンとノックをして、美幸が顔を出した。その後に慶太も続く。
「お母さん、プリン買って来たよ。あっ、赤ちゃんがいる」
「沙羅、会いに来たよ」
「ふたりとも、ありがとう。でも、まずは、手洗いうがいをお願いします」
「はぁい」と美幸はさっそく洗面台で、手洗いうがいを始めた。
子供を抱き母乳を与えている沙羅の姿が尊く見えて、慶太は思わず見とれてしまう。
「沙羅、ありがとう。そして、おつかれさまでした」
「うん、心配かけてごめんね」
「いや、沙羅こそ大変だったね。ふたりとも無事で良かった」
お腹がいっぱいになったのか、おっぱいから口を離し、ムニャムニャとおとなしくなった。
沙羅は赤ちゃんを縦抱っこにして、背中をポンポンと擦り、ゲップをさせる。
「慶太パパも抱っこしてみる?」
「そうだな。抱かせてもらおうかな」
「わ~、いいな。次は、わたしも抱っこする」
慶太はベッドに腰掛け、おっかなびっくりで赤ちゃん待ちの体制だ。
「上手く抱けるかな?」
広げた手の中に、沙羅がそっと赤ちゃんを受け渡す。
「大丈夫よ、頑張って新米パパさん。まだ、首が座っていないから、首の後ろを肘で支えるように、そうそう、で、右手をおしりに、うん。上手よ」
初めて抱く我が子は、小さくて、フニャフニャで、温かい。まだ、目は良く見えていないはずなのに、好奇心旺盛に瞳を動かしている。
「可愛いな」
「うん、世界で一番可愛いでしょう」
沙羅はエッヘンと胸を張る。
親バカになって良いのだ。子供に無限の愛情を注げるのは、親の特権なのだから。
「沙羅に似ている」
「あら、私は慶太に似ていると思う。赤ちゃんのわりに目鼻立ちがはっきりして、将来モテモテになるわね」
神様は器用なもので、慶太と沙羅、ふたりのいろんな部分を赤ちゃんに組み込んでいた。
「ねえ、赤ちゃんをなんて呼んであげたら良いの? 名前は? 」
美幸が、慶太に抱かれた赤ちゃんを覗き込みながら、首を傾げた。
「名前はね。慶太と相談していた名前の候補がいくつかあったでしょう」
「ああ、どの名前にしたんだ?」
「さんずいに奏でるの湊に、慶太から太の文字を一字もらって、『湊太』が、良いかなって。湊には人が集まるって意味もあるんですって、この子にはたくさんの人に囲まれて、楽しく暮らしてもらえたらと思っているの」
「うん、俺は、その名前良いと思う。湊太、パパだよ」
「湊太。そうちゃんかー。そうちゃん、お姉ちゃんだよー」
美幸の声掛けで反応したように、湊太が顔を向けた。
「いま呼んだら、わたしの事見てくれた!あっ、紀美子さんに赤ちゃん産まれたって言ったら、すごい喜んでいたよ。名前が決まったのも教えてあげようっと」
美幸は、パシャッと湊太の写真を撮って、さっそくメッセージを送る。
すると、直ぐに返信があった。
「紀美子さん、出産直後は疲れているだろうから、退院の時にお迎えに来てくれるって、おめでとう湊太君に会えるの楽しみにしてます。だって」
「萌咲も赤ちゃん見たいから、沙羅の体調が戻る頃に連絡入れるって言っていたのを伝えておくよ」
「みんなに祝福されて、幸せだわ」
ふわりと沙羅が微笑む。
慶太も湊太を抱き、目を細めながら笑う。
「ああ、幸せだな。新しい家族をみんなが祝福してくれている」
「うん」とうなずいていると横で美幸がスマホを持って張り切っている。
「4人で記念写真撮ろうよ。タイマー10秒でセットするね」
「えー、私すっぴんなのに……」
「いいじゃん!ほら、タイマー進んでる。ハナ、トゥル、セッ、はーと」
パシャッと笑顔が写真におさまった。
この幸せを笑顔をいつまでも忘れずに居よう。
私たちは信頼で結ばれた家族だ。
【終わり】
赤ちゃんの泣き声は、まるで子猫のようだ。
「ほぎゃぁ、ほぎゃぁ」
「はい、はい、先にオムツ交換しましょうね」
沙羅は、2回目の子育てと言っても、前回からかなり間が空いている。
なにせ、美幸は現在中学2年生の14歳なのだ。
久しぶりの子育てに沙羅は、おぼつかない手つきで、オムツを交換する。
最近のオムツは、随分薄くなったなぁっと関心したり、授乳用のクッションもなかなか便利で、子育ての情報も上書きが必要だった。
オムツを外したところで、沙羅はちょっと、にやついてしまう。
「足も小っちゃいくて、可愛い。ふふっ、男の子」
無事にオムツを替え、手を洗いと消毒をして、おっぱいをあげ始めた。
この時期、母乳は濃度が高く栄養たっぷりで、赤ちゃんの免疫力を高める働きがある。
赤ちゃんは、小さな口でやっと吸いついている。まだ、上手に吸えずに、必死の様子だ。その姿に母性本能を刺激される。
「ホント、何をしていても可愛いわね」
コンコンとノックをして、美幸が顔を出した。その後に慶太も続く。
「お母さん、プリン買って来たよ。あっ、赤ちゃんがいる」
「沙羅、会いに来たよ」
「ふたりとも、ありがとう。でも、まずは、手洗いうがいをお願いします」
「はぁい」と美幸はさっそく洗面台で、手洗いうがいを始めた。
子供を抱き母乳を与えている沙羅の姿が尊く見えて、慶太は思わず見とれてしまう。
「沙羅、ありがとう。そして、おつかれさまでした」
「うん、心配かけてごめんね」
「いや、沙羅こそ大変だったね。ふたりとも無事で良かった」
お腹がいっぱいになったのか、おっぱいから口を離し、ムニャムニャとおとなしくなった。
沙羅は赤ちゃんを縦抱っこにして、背中をポンポンと擦り、ゲップをさせる。
「慶太パパも抱っこしてみる?」
「そうだな。抱かせてもらおうかな」
「わ~、いいな。次は、わたしも抱っこする」
慶太はベッドに腰掛け、おっかなびっくりで赤ちゃん待ちの体制だ。
「上手く抱けるかな?」
広げた手の中に、沙羅がそっと赤ちゃんを受け渡す。
「大丈夫よ、頑張って新米パパさん。まだ、首が座っていないから、首の後ろを肘で支えるように、そうそう、で、右手をおしりに、うん。上手よ」
初めて抱く我が子は、小さくて、フニャフニャで、温かい。まだ、目は良く見えていないはずなのに、好奇心旺盛に瞳を動かしている。
「可愛いな」
「うん、世界で一番可愛いでしょう」
沙羅はエッヘンと胸を張る。
親バカになって良いのだ。子供に無限の愛情を注げるのは、親の特権なのだから。
「沙羅に似ている」
「あら、私は慶太に似ていると思う。赤ちゃんのわりに目鼻立ちがはっきりして、将来モテモテになるわね」
神様は器用なもので、慶太と沙羅、ふたりのいろんな部分を赤ちゃんに組み込んでいた。
「ねえ、赤ちゃんをなんて呼んであげたら良いの? 名前は? 」
美幸が、慶太に抱かれた赤ちゃんを覗き込みながら、首を傾げた。
「名前はね。慶太と相談していた名前の候補がいくつかあったでしょう」
「ああ、どの名前にしたんだ?」
「さんずいに奏でるの湊に、慶太から太の文字を一字もらって、『湊太』が、良いかなって。湊には人が集まるって意味もあるんですって、この子にはたくさんの人に囲まれて、楽しく暮らしてもらえたらと思っているの」
「うん、俺は、その名前良いと思う。湊太、パパだよ」
「湊太。そうちゃんかー。そうちゃん、お姉ちゃんだよー」
美幸の声掛けで反応したように、湊太が顔を向けた。
「いま呼んだら、わたしの事見てくれた!あっ、紀美子さんに赤ちゃん産まれたって言ったら、すごい喜んでいたよ。名前が決まったのも教えてあげようっと」
美幸は、パシャッと湊太の写真を撮って、さっそくメッセージを送る。
すると、直ぐに返信があった。
「紀美子さん、出産直後は疲れているだろうから、退院の時にお迎えに来てくれるって、おめでとう湊太君に会えるの楽しみにしてます。だって」
「萌咲も赤ちゃん見たいから、沙羅の体調が戻る頃に連絡入れるって言っていたのを伝えておくよ」
「みんなに祝福されて、幸せだわ」
ふわりと沙羅が微笑む。
慶太も湊太を抱き、目を細めながら笑う。
「ああ、幸せだな。新しい家族をみんなが祝福してくれている」
「うん」とうなずいていると横で美幸がスマホを持って張り切っている。
「4人で記念写真撮ろうよ。タイマー10秒でセットするね」
「えー、私すっぴんなのに……」
「いいじゃん!ほら、タイマー進んでる。ハナ、トゥル、セッ、はーと」
パシャッと笑顔が写真におさまった。
この幸せを笑顔をいつまでも忘れずに居よう。
私たちは信頼で結ばれた家族だ。
【終わり】
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