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子供の一番可愛い時期を彼は知らない。
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「はー、疲れた」
やっと、家にたどり着いた遥香は、泣き疲れて眠る真哉をベッドにおろした。
さすがに15キロを超した子供を抱き続けるのはかなりの重労働だ。腕に力が入らずプルプル小刻み震えている。
『城間別邸』から駆け付けた保育所で、先生に抱かれて泣きべそをかいていた真哉は、遥香の顔を見るなりホッとしたのか、「ママ~」と大泣きし始めた。
真哉のケガの原因は、はしゃぎすぎ。
園庭で、追いかけっこをしている時に派手に転んでしまって、おかしな手のつき方をしたらしい。
左の手首をしきりに痛がっている。頬やおでこにも、擦り傷で赤くなり、見た目もなかなか痛々しい姿になっていた。保育所で応急処置をしてはくれてはいるが、念のため病院に行く事にした。
「男の子なので、怪我は付きもの気にしないでください」
保育所の先生は、申し訳なさそうに何度も謝ってくれて、こちらの方が申し訳ない気持ちになってしまうほどだ。
急いで、かかりつけのおじいちゃん先生の診療所に連れて行き、レントゲンを撮ってもらったら、骨には異常なしとの事。手首の捻挫という診断で、シップと痛み止めの処方で済んだ。
頬やおでこの擦過傷の消毒の時、また大泣きされて、遥香はヘトヘトだ。
院外処方箋をもらったけど、薬局に提出しただけで、出来上がりを待たずにそのまま帰宅してしまった。
もう一度、薬局へお薬を取りに行く気力も無く、夕飯の買い物をする元気もない。
やっと力が戻った手で冷蔵庫の扉を開いた。
「たまごと玉ねぎ、ウインナー。今日は、オムライスでいいか」
中身を確かめながらつい独り言が出てしまう。
「起きたらシンちゃんは、甘ったれが発動だな」
熱や怪我をした時には、ここぞとばかりにワガママになる。
まあ、しょうがない。母親に甘えるのは子供が小さいうちの特権なのだから。
それにしても、疲れてしまって動きたくない。
遥香は、スマホを取り出しSNSアプリを立ち上げた。そして、アドレスの中にある城間陽太の名前をタップする。
『真哉が手首捻挫して処方箋預けてあるから、仕事の帰りにもらって来てくれるかな?』
送信するとすぐに返事がある。
『わかった』
それだけの短い内容。ひらがなの『わ』だけ、入力すると出てくる定型文。
スマホの返信に関しては、めんどくさがりの陽太らしい内容だなと思った。
「あー、ホント疲れた。私も休憩しよ」
台所で、マグカップにインスタントコーヒーと砂糖を入れ、お湯を注いでかき混ぜる。そして、牛乳をたっぷりと入れて、ぬるいカフェオレを作った。
子供が生まれてからの家での定番。これなら万が一こぼしても火傷をする心配がないから。
真哉が眠るベッドの脇に遥香は座り込み、ベッドを背もたれにして体育座りをした。
手にしたマグカップの中のカフェオレを口にすると、まろやかなミルクと砂糖の甘さ、そしてコーヒーの香りに癒される。
ふーっ。と、息を吐きだし目を瞑る。
すると、直哉の柔らかなの微笑みが脳裏に浮かぶ。
5年前、熱い日差しに焼かれるようにプールで、抱き合い情熱を交わした。
それからは、直哉が東京に帰るまでのわずかな日々を惜しむように、ふたりで指を絡ませ何度も愛しあった。
もちろん、ビーチで遊んだり、買い物をしたり、有名リゾートホテルのレストランで海を見ながらコース料理を堪能した。
二人でいるのが楽しくて、何をしていても幸せだった。
若かったと言えばそうなのかもしれない。
でも、若いからこそ打算も駆け引きもなく、本能に導かれるままに愛し合うことが出来た。
一生に一度の燃えるような恋だと思う。
何も言わなくても目を見れば気持ちが伝わり、重ねた肌の熱が愛を語った。
耳元に掛かる吐息で、頭の中まで蕩けてしまって何も考えられなくなってしまう。
優しいのに少し強引。
そして、寂しがり屋。
それは、直哉の印象だ、それは彼の生い立ちが関係している。
直哉がポツリポツリと語ってくれた話しは、幼い頃に両親が離婚。父方に引き取られ、新しく出来た母親と半分血のつながった弟。そんな家族の中に自分の居場所が無かったそうだ。
それは、両親を失い天涯孤独となった遥香と寂しさの質が似ていたのかもしない。
「おはよう」とか「おやすみ」が言い合える何気ない日常、あたたかな『家族』が無いこと。
だから彼が「必ず迎えに来る」と言ってくれた言葉は軽いものでないと信じていた。
直哉と家族になれると思っていたから、「おはよう」とか「おやすみ」が言えるあたたかな家庭を直哉と作って行こうと思っていた。
東京に直哉が帰ってから、しばらくして連絡が取れなくなってしまった。
心の片隅で遊ばれたんだと思っていても、彼を信じたい気持ちが大きかくて、いつまでもあきらめきれずにいた。
そのうちに妊娠がわかって、不安な気持ちを抱えたまま、直哉に会うために羽田行きの飛行機に乗った。
沖縄で生まれ育った遥香にとって、東京の高い建物やたくさんの人、複雑な電車の乗り換え。どれもこれも慣れない事ばかりで、戸惑いながらやっと直哉の住むマンションへたどり着いた。
でも、マンションの受付に居るコンシェルジュにロボットのような作り笑顔で『柏木様は、ご不在でお繋ぎできません』と言われ、姿を見るどころか、部屋の前に行く事すら叶わずに『やっぱり、弄ばれて捨てられたんだ』と泣いて帰って来た。
その時期に直哉が事故で入院していたとは、遥香には知る由もなかったのだ。
日に日に大きくなるお腹を抱えて、片親であること、経済的なこと、遥香は悩み抜いた。
でも、天涯孤独になった遥香にとって、お腹の子供は、唯一の家族だった。
贅沢は出来ないけど、いっぱい愛して、いっぱい可愛いがって育てていこうと決心した。
産もうと決めた後も遥香には不安が付きまとう。
でも、不安ばかり見て、命を消してしまう事など、遥香には出来なかった。
そして、真哉を産んでからは、周りの手を借りながら、一生懸命に育ててきたつもりだった。
「パパか……シンちゃん、やっぱり寂しいのかな……」
今は、まだ父親のイメージが漠然としたものなのかもしれない。遊んでもらえるとか、抱っこしてもらえるとか、いたらいいなぁ。って、思っているだろう。
この先、思春期になって、母親だけでは賄いきれない精神面の問題とかでくるはず。あんまり、先の事を心配してもどうしようもないのは、わかっているんだけど不安になる。
もしも、直哉の記憶が戻らないままだったら……。
直哉に自分の息子がいることを言わなくてもいいのだろうか?
このまま、直哉の滞在の日程が過ぎ、東京に帰ってしまったら、接点など無いふたりが再び会うなんて無いはずだ。
その考えに辿り着いた瞬間、ゾクッと背筋を冷たいものが走る。
(このまま、何もしないでいたら、この先、会うこともなく私や真哉の人生からいなくなるの?
それで、いいの?
私は後悔しないの?)
遥香は、自分自身に問いかけた。
「ママ」
「あ、起きた? おやつ食べる?」
空いたマグカップを手に台所に行き、流し台に置いた。かわりに、食器棚にしまってあるクッキーを取り出しテーブルに置いた。ベッドの上で真哉はべそをかいている。
「ママ、だっこ~」
「シンちゃんは、甘ったれさんだなぁ」
「へへっ」
きっと、こんな風にべったりママにくっついてくれる期間なんて、今のうちだけだろうなと遥香は思った。
小学校に入ったら、良い事も悪い事もたくさん覚えてお兄ちゃんになって行くんだろう。
ずっしりと重くなった真哉を抱き上げ、少しヨロヨロしながら台所の椅子に座る。
「シンちゃん重くなったなぁ。ママ、抱っこ出来なくなっちゃう。今度は、シンちゃんにママが抱っこしてもらおうかなぁ」
真哉は、びっくりしたように目をクリクリさせ、へろっと笑う。
「ママ、おデブさんだからシンちゃん、やだよ。つぶれちゃう」
とんでもない理由で拒否られた遥香はトホホな気分だ。
「ひどいなぁ。ママ泣いちゃう。えーん」
わざとウソ泣きをして、手を目元に寄せ、チラリと様子を伺う。
「ママ、なかないで、ごめんね」
「うん、シンちゃんがごめんねしてくれたからママは泣かないよ」
こんなに可愛い時期は、きっと今しかないのだろう。
そして、息子の存在を知らない直哉は、些細な日常の心温まるような瞬間に立ち会えないまま、年齢を重ねていくのだ。
ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
「シンちゃん、誰か来たみたい。ちょっと降りてくれる?」
真哉はコクリとうなずき、椅子の上に座る。
「はーい、今、行きます」
やっと、家にたどり着いた遥香は、泣き疲れて眠る真哉をベッドにおろした。
さすがに15キロを超した子供を抱き続けるのはかなりの重労働だ。腕に力が入らずプルプル小刻み震えている。
『城間別邸』から駆け付けた保育所で、先生に抱かれて泣きべそをかいていた真哉は、遥香の顔を見るなりホッとしたのか、「ママ~」と大泣きし始めた。
真哉のケガの原因は、はしゃぎすぎ。
園庭で、追いかけっこをしている時に派手に転んでしまって、おかしな手のつき方をしたらしい。
左の手首をしきりに痛がっている。頬やおでこにも、擦り傷で赤くなり、見た目もなかなか痛々しい姿になっていた。保育所で応急処置をしてはくれてはいるが、念のため病院に行く事にした。
「男の子なので、怪我は付きもの気にしないでください」
保育所の先生は、申し訳なさそうに何度も謝ってくれて、こちらの方が申し訳ない気持ちになってしまうほどだ。
急いで、かかりつけのおじいちゃん先生の診療所に連れて行き、レントゲンを撮ってもらったら、骨には異常なしとの事。手首の捻挫という診断で、シップと痛み止めの処方で済んだ。
頬やおでこの擦過傷の消毒の時、また大泣きされて、遥香はヘトヘトだ。
院外処方箋をもらったけど、薬局に提出しただけで、出来上がりを待たずにそのまま帰宅してしまった。
もう一度、薬局へお薬を取りに行く気力も無く、夕飯の買い物をする元気もない。
やっと力が戻った手で冷蔵庫の扉を開いた。
「たまごと玉ねぎ、ウインナー。今日は、オムライスでいいか」
中身を確かめながらつい独り言が出てしまう。
「起きたらシンちゃんは、甘ったれが発動だな」
熱や怪我をした時には、ここぞとばかりにワガママになる。
まあ、しょうがない。母親に甘えるのは子供が小さいうちの特権なのだから。
それにしても、疲れてしまって動きたくない。
遥香は、スマホを取り出しSNSアプリを立ち上げた。そして、アドレスの中にある城間陽太の名前をタップする。
『真哉が手首捻挫して処方箋預けてあるから、仕事の帰りにもらって来てくれるかな?』
送信するとすぐに返事がある。
『わかった』
それだけの短い内容。ひらがなの『わ』だけ、入力すると出てくる定型文。
スマホの返信に関しては、めんどくさがりの陽太らしい内容だなと思った。
「あー、ホント疲れた。私も休憩しよ」
台所で、マグカップにインスタントコーヒーと砂糖を入れ、お湯を注いでかき混ぜる。そして、牛乳をたっぷりと入れて、ぬるいカフェオレを作った。
子供が生まれてからの家での定番。これなら万が一こぼしても火傷をする心配がないから。
真哉が眠るベッドの脇に遥香は座り込み、ベッドを背もたれにして体育座りをした。
手にしたマグカップの中のカフェオレを口にすると、まろやかなミルクと砂糖の甘さ、そしてコーヒーの香りに癒される。
ふーっ。と、息を吐きだし目を瞑る。
すると、直哉の柔らかなの微笑みが脳裏に浮かぶ。
5年前、熱い日差しに焼かれるようにプールで、抱き合い情熱を交わした。
それからは、直哉が東京に帰るまでのわずかな日々を惜しむように、ふたりで指を絡ませ何度も愛しあった。
もちろん、ビーチで遊んだり、買い物をしたり、有名リゾートホテルのレストランで海を見ながらコース料理を堪能した。
二人でいるのが楽しくて、何をしていても幸せだった。
若かったと言えばそうなのかもしれない。
でも、若いからこそ打算も駆け引きもなく、本能に導かれるままに愛し合うことが出来た。
一生に一度の燃えるような恋だと思う。
何も言わなくても目を見れば気持ちが伝わり、重ねた肌の熱が愛を語った。
耳元に掛かる吐息で、頭の中まで蕩けてしまって何も考えられなくなってしまう。
優しいのに少し強引。
そして、寂しがり屋。
それは、直哉の印象だ、それは彼の生い立ちが関係している。
直哉がポツリポツリと語ってくれた話しは、幼い頃に両親が離婚。父方に引き取られ、新しく出来た母親と半分血のつながった弟。そんな家族の中に自分の居場所が無かったそうだ。
それは、両親を失い天涯孤独となった遥香と寂しさの質が似ていたのかもしない。
「おはよう」とか「おやすみ」が言い合える何気ない日常、あたたかな『家族』が無いこと。
だから彼が「必ず迎えに来る」と言ってくれた言葉は軽いものでないと信じていた。
直哉と家族になれると思っていたから、「おはよう」とか「おやすみ」が言えるあたたかな家庭を直哉と作って行こうと思っていた。
東京に直哉が帰ってから、しばらくして連絡が取れなくなってしまった。
心の片隅で遊ばれたんだと思っていても、彼を信じたい気持ちが大きかくて、いつまでもあきらめきれずにいた。
そのうちに妊娠がわかって、不安な気持ちを抱えたまま、直哉に会うために羽田行きの飛行機に乗った。
沖縄で生まれ育った遥香にとって、東京の高い建物やたくさんの人、複雑な電車の乗り換え。どれもこれも慣れない事ばかりで、戸惑いながらやっと直哉の住むマンションへたどり着いた。
でも、マンションの受付に居るコンシェルジュにロボットのような作り笑顔で『柏木様は、ご不在でお繋ぎできません』と言われ、姿を見るどころか、部屋の前に行く事すら叶わずに『やっぱり、弄ばれて捨てられたんだ』と泣いて帰って来た。
その時期に直哉が事故で入院していたとは、遥香には知る由もなかったのだ。
日に日に大きくなるお腹を抱えて、片親であること、経済的なこと、遥香は悩み抜いた。
でも、天涯孤独になった遥香にとって、お腹の子供は、唯一の家族だった。
贅沢は出来ないけど、いっぱい愛して、いっぱい可愛いがって育てていこうと決心した。
産もうと決めた後も遥香には不安が付きまとう。
でも、不安ばかり見て、命を消してしまう事など、遥香には出来なかった。
そして、真哉を産んでからは、周りの手を借りながら、一生懸命に育ててきたつもりだった。
「パパか……シンちゃん、やっぱり寂しいのかな……」
今は、まだ父親のイメージが漠然としたものなのかもしれない。遊んでもらえるとか、抱っこしてもらえるとか、いたらいいなぁ。って、思っているだろう。
この先、思春期になって、母親だけでは賄いきれない精神面の問題とかでくるはず。あんまり、先の事を心配してもどうしようもないのは、わかっているんだけど不安になる。
もしも、直哉の記憶が戻らないままだったら……。
直哉に自分の息子がいることを言わなくてもいいのだろうか?
このまま、直哉の滞在の日程が過ぎ、東京に帰ってしまったら、接点など無いふたりが再び会うなんて無いはずだ。
その考えに辿り着いた瞬間、ゾクッと背筋を冷たいものが走る。
(このまま、何もしないでいたら、この先、会うこともなく私や真哉の人生からいなくなるの?
それで、いいの?
私は後悔しないの?)
遥香は、自分自身に問いかけた。
「ママ」
「あ、起きた? おやつ食べる?」
空いたマグカップを手に台所に行き、流し台に置いた。かわりに、食器棚にしまってあるクッキーを取り出しテーブルに置いた。ベッドの上で真哉はべそをかいている。
「ママ、だっこ~」
「シンちゃんは、甘ったれさんだなぁ」
「へへっ」
きっと、こんな風にべったりママにくっついてくれる期間なんて、今のうちだけだろうなと遥香は思った。
小学校に入ったら、良い事も悪い事もたくさん覚えてお兄ちゃんになって行くんだろう。
ずっしりと重くなった真哉を抱き上げ、少しヨロヨロしながら台所の椅子に座る。
「シンちゃん重くなったなぁ。ママ、抱っこ出来なくなっちゃう。今度は、シンちゃんにママが抱っこしてもらおうかなぁ」
真哉は、びっくりしたように目をクリクリさせ、へろっと笑う。
「ママ、おデブさんだからシンちゃん、やだよ。つぶれちゃう」
とんでもない理由で拒否られた遥香はトホホな気分だ。
「ひどいなぁ。ママ泣いちゃう。えーん」
わざとウソ泣きをして、手を目元に寄せ、チラリと様子を伺う。
「ママ、なかないで、ごめんね」
「うん、シンちゃんがごめんねしてくれたからママは泣かないよ」
こんなに可愛い時期は、きっと今しかないのだろう。
そして、息子の存在を知らない直哉は、些細な日常の心温まるような瞬間に立ち会えないまま、年齢を重ねていくのだ。
ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
「シンちゃん、誰か来たみたい。ちょっと降りてくれる?」
真哉はコクリとうなずき、椅子の上に座る。
「はーい、今、行きます」
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