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バレンタイン小話(前日)
しおりを挟むふふふっ!!明日は恋人にとっては欠かすことのできないイベントの一つ。バレンタインだ!今回も今回とてみんなを巻き込むことに決めて、こちら側であろう面々に声をかけた。まずは弟のリオネル、それから母さんと、ティナさんをキッチンに集めた。
「よーし!みんな居るね!それでは今日やることを発表します!!」
「おー!」
「今度は何始めるんだ?」
「なんだろう?楽しみです!」
「えぇ、明日は椿の月の14日です!」
「うん…?普通の日だね。」
「それはちがーう!!違うんだよリオネル!!明日は恋人たちにとって…いや恋する人にとっては欠かすことの出来ないイベントデーなんだよ!」
「恋人たちにとって…?」
「うん!明日はね、好きな人にチョコレートとか、お菓子をあげる日なんだよ!」
「……なんで?」
「え?…えっと…なんでだっけ…?いやいや!!そんな理由とかはいいの!!とにかくみんなでお菓子を作るよー!」
「…すごい誤魔化し方…まぁいっか…。いつものことだし。それで…ナルアは何作るの?」
「えっと…タルトかな!丁度いいイチゴ手に入れたし!」
「そうなんだ。んー…ロウはあんまり甘過ぎると駄目みたいだから、ビターチョコにしようかな。」
「うんうん!いいと思う。簡単で美味しい生チョコ教えてあげるからね!」
「ありがとうナルア」
「ん~トワは何でも食うから、俺もその生チョコ?とやらにするかな。」
「ティナさんは?」
「えっと…そ、それじゃあタルト一緒に作ってもいいかな?」
「もちろん!じゃあそれぞれ作るものも決まったし、生チョコの工程を説明します!~~~~~~~~で冷やしたら完成!」
「え?それだけ?」
「うん、それだけ!簡単でしょ?」
「確かにそれなら簡単に出来そう」
「母さん、作業始めよっか。」
「だな、リオネル。」
「じゃあティナさんはこっちー!」
「う、うん。よろしくね」
それから数時間後には、それぞれ苦労もありつつ、きれいにラッピングまでしてもう渡すだけの状態になっていた。
「はぁ…思ったよりムズかった…ナルアに騙された…」
「ええ?騙してなんて無いんだけどなぁ…でも…綺麗にできてるね!きっとロウくん喜んでくれるよ!」
「うん…そうだといいな。」
「ふふっ」
不貞腐れていたかと思えば、すっかり恋する乙女のような表情に早変わりだ。うんうん可愛い弟だね。流石に母さんの方が綺麗に出来てるみたいだ。料理してるだけあって、慣れてるからかな。
「父さんは…言うまでもなく喜ぶのが目に浮かぶ…」
「はははっ!だな。トワは何でも喜んでくれるだろうな。家族への溺愛っぷりは凄いからな!そこが良いんだけどな。」
「うんうん、そうだね母さん。」
ティナさんは美しくカッティングして、花の形を見事に表現していた。それは見事なタルト…。手先がすごく器用なんだよね、ティナさん。
「ティナさん、今度カットの仕方とか教えてくれませんか?」
「え?…う、うん…いいよ。ナルアくんの方が上手だと思うけど…」
「そんなことないですよ?すっごく素敵です!」
「ありがとう///」
「ウェンさんに喜んでもらえるといいですね!」
「うん」
俺もテスラさんに喜んでもらえると良いな。なんだか明日手渡すまで、どんな反応をされるかドキドキしてしまいそうだ。
「あ!最後にバレンタインの一番大事なルールね!!~~~~~~。絶対守ってね?ハッピーバレンタイン!」
「「「……」」」
「え?まじ?」
「まじ…だろうね…。」
「せ、折角作ったし…が、がんばりましょう…。」
「だな…」「うん」
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