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84.小学校編47
しおりを挟む最近はテスラさんのことで頭が一杯で、家族やみんなのことをちゃんと見ていなかった…反省しないとね…。ちなみに俺がテスラさんにべったりだったみたいに、リオネルが俺にべったりになってしまった。可愛いからいいんだけどね。
「ナルア?」
「なぁに、リオネル」
「ううん、いるならいいの。」
まぁこの通り、俺が側にいるかずっと気にかけている。寂しいと思う暇もないくらい忙しない。修行もしないとだし、ご飯も作るの手伝うようになったし。あと、本来なら小学校に通わないといけないんだけど…
今回の件を把握してくれているケイン先生が、課題提出で出席としてくれるらしいので、その課題もやっている。わからなかったらトール先生に聞いたらいいしね。
今回のことはテスラさんが国を出たことで、取り敢えず睨み合ったまま平行線を辿るだろうということだ。王族の方も国民の反感を買っているからね…。「王族は悪意ある攻撃をしても罰せられない」そんな風に国民に思わせたんだ…そりゃあそうだよね。
目撃者多数の中、子供に対してあんな攻撃を仕掛けたにも関わらず罰せられないどころか、王はそのバカ王子に味方して、謝罪の一つもしない。加えて、国の守護神であるテスラさんが出て行った。
王様の評判は地に落ちたようなものだ。世代交代も時間の問題だね。
第一王子は…まだ話せる人のようだったから、さっさと代わってくれるといいんだけど…。今や魔道士団は第一王子派だしね。テスラさん、部下からの信頼厚かったからね。それに俺、度々魔道士団の訓練に混ぜてもらったりもしてたから、魔道士団員の人たちにも可愛がってもらってるし。
ちなみに風の噂で、騎士団長のツェルトさんも怒っているらしい、と聞いている。まぁだからこそ、父は家に居れてるんだろう。ツェルトさんも魔道士団からも見放された王様と王子はどうするつもりなんだろうねぇ。
「ツェルトさんにも、魔道士団の人たちにも会いたいなー。」
「ナルア、でかけるの?」
「ううん、出かけないよ」
「ならいい。出かけるなら僕も行くから」
「うん。ちゃんと言うよ」
「団長に会いたいの?ナルア」
「うん!会いたいよ」
「じゃあ呼んでみようか。団長もナルアのこと気にかけてたからね。」
そう言って父は連絡を取りに向かった。すぐに戻って来たかと思えば、ツェルトさんが話したいと言ってくれたらしい。俺も話したかったので、部屋に向かう。リオネルもついてきた。
「もしもし!ツェルトさん!」「もしもし!」
「おう!元気そうだな!ナルア!リオネル!」
「うん!元気!…でもテスラさんが居なくなっちゃって寂しい…」
「…その件については俺も腹に据えかねてる…全くクソッタレだぜ王族ってやつはよぉ…。ともかく俺はお前たちの味方だからな!」
「うん!ありがとう!」
「ありがと!ツェルトさん、会える?」
「おう!明日早速行くぜ!」
「「やったー!」」
「ところで…魔道士団を仕切るやつがいねぇんだが、ウェンは居るか?」
「うん…居るけど…代わる?」
「そうだな、ちょっと話してぇな」
「わかったよ!ちょっと待っててね!リオネル行くよ!」
「うん!」
ウェンさんはどうやら、自室にいるようなので、部屋に突撃していく。普段なら、ちゃんとノックするけど…。
「ウェンさーん!!」
「うわぁ!!」「ふにゃあああ!!」
「あ…ごめん…ティナさん」
「ど、どうしたっすか?ナルアくん…ていうかなんでティナにだけ…」
「だ、大丈夫だよ」
「ツェルトさんと連絡してたんだけど、ウェンさんと話したいって!だから呼びに来た!」
「呼びに来た!」
「了解っす」
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