上 下
54 / 239

53.小学校編17

しおりを挟む





なんというか、王子様は思っていたほど俺様な感じでもなくて、傷つきやすいし、言われて直そうとする素直さがある。なんというか、全然友達になれそうだ。というかもう友達なのかな?

まあリオネルとは仲良くとまではいかないかもだけど…。それでも嫌悪はしていないようなので、平和に過ごせそうで何よりだな。今日は新しい友達が二人もできたし嬉しいな。

ヨルクと話して、教室に戻ると、ウルたちが待ち構えていた。ヨルクからの話やどうなったのかが気になったのだろう。エルもヨルクが上手くやれたのか少し心配そうだ。

「…どうでしたか?」

「と、友達になったぞ!凄いだろ!!」

「…」

ちらりとエルがこちらに視線をよこす。ヨルクの言うことを確認しているようなので頷くと、エルは少しほっとしたようだ。

「…何故疑ったんだ!?エル?」

「…いえ、ヨルク様人柄を知っておりますので…無理矢理命じたのやもと思いまして。」

「ふぇ……ひどいぞ…」

「日頃の行いの結果ですね…」

「うぅ…」

「ナルア、リオネル、良かったのか?」

「うん、謝ってくれたし。もういいよ。」

「…ナルアがこう言うから仕方なく、ね。」

リオネルはしかめっ面ながらも、許してあげれたようだ。いい子だ!偉い!褒めて欲しそうなリオネルをなでなでしてあげる。満足気にニコニコしてるのが愛らしい。

「良かったですね、ヨルク様」

「ああ!」

「それで…他の方とは友達にならなくてよろしいので?」

「…そう…だな…その…ウル、メル、リリス、それから…たしかロウだったな。」

「はい!ロウです」

「そ、その良ければ友達になってほしい…駄目…か?」

「もちろんです!ええと…ヨルク様!」

「リリスもいいよ」

「まぁ二人がそう言うなら僕もいいですよ。」

「チッ…仕方なくだ…」

「ありがとう!!」

「だからってお前が嫌なやつなことに変わりはないからな!」

「うっ…ウルは厳しいな…まぁ頑張って直すから気長に頼む…」

「ああ」

「リリス友達増えて嬉しいな!」

「そうだね、リリス。僕も嬉しいや。もっと仲良くなれるといいね」

「うん!」

「週末遊ばない?」

「うん!ウルも!ナルアもリオネルもロウもヨルク様も!」

「…リリスたちが行くなら…まぁ…」

「ナルアどうする?」

「行きたいけど…俺達は1回確認してみるね!」

「そうだね、僕達も確認しないとね…」  

「僕は是非行きたいです!」

「い、いいの…か?行くぞ!必ず行く!!」

「みんな予定大丈夫だったら行こうね!駄目な人がいたらまた予定立てよう!」

「「「「うん/ああ」」」」

「あ…あと…そのだな…様はつけなくていい…というか…つけないでほしい…ナルアのようにヨルクと呼んでくれ。…様付は…さみしいからな。」

「うん!ヨルク!」

「ええっと…よ、ヨルク」

「ヨルク」

「クソ王子」

「ウル」

「んだよエル」

「口が悪い。誰かに聞かれたら面倒事になるだろう。やめておくように」

「…わかった」  

「……ぐすん…」

「…流石にちょっとかわいそうかも…」

「そうかな?ウルくらい厳しくするくらいがちょうどいいよ」

「……そう、かな…」

…もしかしてリオネルはドSなのだろうか…可哀想なくらいいじめるのが好きなのか?…リオネル…そんな子に育てた覚えはありません!!きっと何か別のまともな理由があると信じたい…

その日の授業も基礎の基礎からだったので、一応知っている内容だったけれど、子供ながら前世の記憶がある俺はファンタジー世界のことに関して学ぶのが楽しくて仕方ない。知っていても、楽しいものだ。










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される

Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木) 読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!! 黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。 死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。 闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。 そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。 BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)… 連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。 拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。 Noah

ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話

かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。 「やっと見つけた。」 サクッと読める王道物語です。 (今のところBL未満) よければぜひ! 【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

貧乏Ωの憧れの人

ゆあ
BL
妊娠・出産に特化したΩの男性である大学1年の幸太には耐えられないほどの発情期が周期的に訪れる。そんな彼を救ってくれたのは生物的にも社会的にも恵まれたαである拓也だった。定期的に体の関係をもつようになった2人だが、なんと幸太は妊娠してしまう。中絶するには番の同意書と10万円が必要だが、貧乏学生であり、拓也の番になる気がない彼にはどちらの選択もハードルが高すぎて……。すれ違い拗らせオメガバースBL。 エブリスタにて紹介して頂いた時に書いて貰ったもの

マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 〜強面、筋骨隆々、とても強い。 でもとっても優しい男が異世界でのんびり暮らすお話〜

かむら
ファンタジー
【ファンタジー小説大賞にて、ジョブ・スキル賞受賞しました!】  身長190センチ、筋骨隆々、彫りの深い強面という見た目をした男、舘野秀治(たてのしゅうじ)は、ある日、目を覚ますと、見知らぬ土地に降り立っていた。  そこは魔物や魔法が存在している異世界で、元の世界に帰る方法も分からず、行く当ても無い秀治は、偶然出会った者達に勧められ、ある冒険者ギルドで働くことになった。  これはそんな秀治と仲間達による、のんびりほのぼのとした異世界生活のお話。

もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、騎士見習の少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。

【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜

N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間) ハーレム要素あります。 苦手な方はご注意ください。 ※タイトルの ◎ は視点が変わります ※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます ※ご都合主義です、あしからず

処理中です...