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53.小学校編17
しおりを挟むなんというか、王子様は思っていたほど俺様な感じでもなくて、傷つきやすいし、言われて直そうとする素直さがある。なんというか、全然友達になれそうだ。というかもう友達なのかな?
まあリオネルとは仲良くとまではいかないかもだけど…。それでも嫌悪はしていないようなので、平和に過ごせそうで何よりだな。今日は新しい友達が二人もできたし嬉しいな。
ヨルクと話して、教室に戻ると、ウルたちが待ち構えていた。ヨルクからの話やどうなったのかが気になったのだろう。エルもヨルクが上手くやれたのか少し心配そうだ。
「…どうでしたか?」
「と、友達になったぞ!凄いだろ!!」
「…」
ちらりとエルがこちらに視線をよこす。ヨルクの言うことを確認しているようなので頷くと、エルは少しほっとしたようだ。
「…何故疑ったんだ!?エル?」
「…いえ、ヨルク様人柄を知っておりますので…無理矢理命じたのやもと思いまして。」
「ふぇ……ひどいぞ…」
「日頃の行いの結果ですね…」
「うぅ…」
「ナルア、リオネル、良かったのか?」
「うん、謝ってくれたし。もういいよ。」
「…ナルアがこう言うから仕方なく、ね。」
リオネルはしかめっ面ながらも、許してあげれたようだ。いい子だ!偉い!褒めて欲しそうなリオネルをなでなでしてあげる。満足気にニコニコしてるのが愛らしい。
「良かったですね、ヨルク様」
「ああ!」
「それで…他の方とは友達にならなくてよろしいので?」
「…そう…だな…その…ウル、メル、リリス、それから…たしかロウだったな。」
「はい!ロウです」
「そ、その良ければ友達になってほしい…駄目…か?」
「もちろんです!ええと…ヨルク様!」
「リリスもいいよ」
「まぁ二人がそう言うなら僕もいいですよ。」
「チッ…仕方なくだ…」
「ありがとう!!」
「だからってお前が嫌なやつなことに変わりはないからな!」
「うっ…ウルは厳しいな…まぁ頑張って直すから気長に頼む…」
「ああ」
「リリス友達増えて嬉しいな!」
「そうだね、リリス。僕も嬉しいや。もっと仲良くなれるといいね」
「うん!」
「週末遊ばない?」
「うん!ウルも!ナルアもリオネルもロウもヨルク様も!」
「…リリスたちが行くなら…まぁ…」
「ナルアどうする?」
「行きたいけど…俺達は1回確認してみるね!」
「そうだね、僕達も確認しないとね…」
「僕は是非行きたいです!」
「い、いいの…か?行くぞ!必ず行く!!」
「みんな予定大丈夫だったら行こうね!駄目な人がいたらまた予定立てよう!」
「「「「うん/ああ」」」」
「あ…あと…そのだな…様はつけなくていい…というか…つけないでほしい…ナルアのようにヨルクと呼んでくれ。…様付は…さみしいからな。」
「うん!ヨルク!」
「ええっと…よ、ヨルク」
「ヨルク」
「クソ王子」
「ウル」
「んだよエル」
「口が悪い。誰かに聞かれたら面倒事になるだろう。やめておくように」
「…わかった」
「……ぐすん…」
「…流石にちょっとかわいそうかも…」
「そうかな?ウルくらい厳しくするくらいがちょうどいいよ」
「……そう、かな…」
…もしかしてリオネルはドSなのだろうか…可哀想なくらいいじめるのが好きなのか?…リオネル…そんな子に育てた覚えはありません!!きっと何か別のまともな理由があると信じたい…
その日の授業も基礎の基礎からだったので、一応知っている内容だったけれど、子供ながら前世の記憶がある俺はファンタジー世界のことに関して学ぶのが楽しくて仕方ない。知っていても、楽しいものだ。
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