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副総長×平凡13
しおりを挟むなんだか、望月さんはヤバい人ではあるけど、危険ではなさそうで、緊張感が抜ける。連絡もしてくれるらしいので、秋夜さんたちも無事だろう。
スマホのコール音が静かになった部屋に響く。スマホを机に置いてスピーカーで電話してくれるらしい。
「…テメェなんのようだ!!…今はテメェに構ってる暇なんかねぇんだよ…クソッ香夜…」
秋夜さんの怒鳴る声が聞こえ、その後に追い詰められたような声音で俺の名前が呼ばれる。
「秋夜さん!!香夜です!」
「え?……は?!香夜?なんで…いや、そんなことはいい。無事なんだな?」
「はい…ご心配おかけしました。望月さんが助けてくれたらしいです。」
「…はぁっ……良かった……まじで…ホントに心配した…」
「はい…ホントにごめんなさい!!」
「はぁ…rion潰してきたけど居ないし……クソ情報屋に聞いても、さらったのは確実にrionだって言うし…。ホントに…良かった…」
「佐久間、rion潰したのかよ!すげぇな!俺ともタイマンしようぜ?嫌って言っても如月預かってるからよ。な?」
「クソ戦闘狂が…取り敢えず、行くから場所教えろ。」
「お?まじ?やってくれる感じ?いいね!場所送るわ。あと、如月には何もしてねぇから安心しな。」
「手ぇ出してたら許さねぇよ。もうちょっと待っててな香夜。」
「はい!待ってます。」
なんだか不穏なことを、電話の中で言っていたけど、気にしないことにする。それよりも秋夜さんが俺のことを本気で心配してくれていた。その事実が俺の胸を温かくする。あとは、何より秋夜さんたちが無事みたいでよかった。
結局待っている間に腕が痛いと言ったら腕も解いてくれて自由になった身で、寝かされていたベッドに座って、秋夜さんを待つ。
20分くらいして、秋夜さんがやってきたらしく部屋のチャイムがなった。望月さんが部屋から出ていって、ドアが乱暴に開けられるようなドンッという大きな音が聞こえ、バタバタとした足音がすぐに近づいてくる。
ガチャッ!!
「香夜!!」
入ってきた勢いそのままに、抱きしめられる。以前にも抱きしめられたりしているけど、いつもは包み込むようにふんわりと抱きしめてくれる。けれど、今日は苦しいくらいにギューっと力が込められている。
「秋夜さん!ご心配おかけしました。ごめんなさい。」
「ん、無事だったならいい。」
そう言ってくれたものの、まだ暫く俺を離す気はないらしい。今回は完全に俺が悪かったし、このまま腕の中に収まっておくことにする。
「お前ら人の部屋でイチャつくなよなー。あと喧嘩は?」
「邪魔すんな。出てけ。また今度してやる。」
「出てけって俺の家な?酷くねぇか?なぁ如月もそう思うだろ?喧嘩の約束またすっぽかすんだろー?」
「香夜に話しかけんな。お前のせいで香夜が穢れたらどうすんだ。…今回は香夜助けてもらったし…ちゃんとやってやる。」
「マジか!楽しみにしてるからな!ってか独占欲強すぎじゃね?」
「…うるせぇ。香夜は俺のなんだよ。帰るぞ香夜」
「え?あ!はい!」
口を挟む間もない会話を聞いてぼーっとしていたら、もう帰ることになったらしい。
「お前らまたなー。」
「えっと…お邪魔しました?」
「おう」
腕を引かれるままに、止められていた車に乗り込む。タクシーかな?秋夜さんが高校の名前を告げる。走り始めた車の中は静寂を保っていた。
俺も何も言えないまま、高校前にタクシーが着けられた。秋夜さんに促されるままに降りると、外は真っ暗で、殴られて寝ている間に随分と時間が過ぎていたらしい。
そのまま、また腕を引かれて秋夜さんの家に向かっているらしい道をただただ歩く。家についても手は離されることなく、そのままリビングのソファに座る秋夜さんの上に座るように誘導される。
電気も付けずに座ったので、その目の前の顔さえ、表情はよくわからない。ただそのまま抱き締められて首元に顔を埋められる。髪の触れる感覚が少し擽ったい。
……それだけではなく、秋夜さんの身体が僅かに震えているのがわかった。寒い季節という訳でもない…。
「秋夜さん…心配掛けてごめんなさい。助けに来てくれてありがとうございます。」
「…香夜…ほんとに怖かった…お前に何かあったらって…ばか…」
「…はい…一人になるなって忠告して、護衛まで頼んでもらってたのに…ほんとに反省してます…。」
「…反省…言葉だけじゃ、ほんとに反省したか分からない…それに今回は偶々大丈夫だったから、どんなに危ない状況だったのかわかってないでしょ?」
「うぅ…確かにそうですね…じゃあ何すればわかってくれますか?…一般生徒なので不良に捕まることが、どんなことなのか確かに、よくはわからないです…。」
「…ん、だからお仕置き、しないとな?」
「おし…おき…え?なんで…ちょっ…」
お仕置きって何!?
押し倒されてるけど?!イケメンに押し倒されて、見上げる綺麗な紫な瞳に月明かりがさして怪しく光る。
腕を抑えられて抵抗できない。秋夜さんはそのまま顔を近づけてくる。ゆっくりとキスが落とされる。触れ合った唇の柔らかさと温かさに胸の鼓動が今までにないくらい高まる。秋夜さんが一度口を離す。
「香夜…口、開けな?…」
「…ん…はぁ…」
息をするために開けた口に、そのまま舌を差し込まれる。優しく撫でられるように口の中をなぞられる。秋夜さんはキスが上手いのだろう。俺は初めてのソレにどうすればいいかわからず、されるがままになっていた。
「…チュッ…はぁ…はっ…ふぅ…」
「…ん、気持ちかった?香夜」
「…ん、よかった…です…」
「ふふっそっか…じゃあもっと気持ち良くしてあげるから。…んーベッド行こっか?」
「…はい…。」
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