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しおりを挟む朝からコクヨウを起こして、保存食で朝食をとり、手分けして家を掃除した り服を洗濯したりした。部屋の中はそこまで汚れてなかったけど、やっぱり掃除するとスッキリするな。布団も干したし墓も掃除した。一通りのことは終わりだ。
「タカミ、これで終わり?街行ける?」
「ん、終わりだ。」
「よし!じゃあ行こ!買い物もしないとだし!」
「そうだな。」
「んふふ!久し振りだし、たのしみー!」
「……」
家でやることも終わっているし、街にはどのみち行かなくてはならないんだが…気まずくてあんまり街には行ってないんだよなぁ、俺。コクヨウのことSランクパーティーに預けた事でコクヨウの友達に怒られて何も言えなくて…はぁ…。どうするかなぁ…。
「…どうしたの?タカミ」
「え?」
「いや、暗い顔してたから何かあったのかなって…街行きたくない?」
「…まぁ…そう、だな…」
「……そっか…えっと…何があったのか聞いてもいい?」
「そう…だな…お前には話しとくか…その…情けない話なんだが…~~~~~~~というわけだ。」
「…なるほど…うーん、多分大丈夫!行こタカミ。もし何かあっても僕がいるから、ね?」
「そうだな。ありがとうコクヨウ」
合わせる顔もないが…そこはコクヨウに任せることにするか。本当に情けないが…。俺の気をそらすようにコクヨウが話を変えてくれた。
「ねぇ、タカミ、今日の夕飯どうする?」
「んー、そうだな…宿で食べるか。」
「あ、あそこ!懐かしいね、うん!そうしよ。」
「おう。挨拶もしたいしな。」
俺はコクヨウに手を引かれながら戦々恐々としながらスールエへとやって来ていた。みんな成長したコクヨウに驚きながらも、温かくおかえり、と迎えてくれていた。そして俺にもAランクおめでとうとか、おかえりとか言ってくれて、改めていい街だと思ったね。
「店主、久しぶりだな。」「お久しぶりです!」
「お!二人とも来たのか!久しぶりじゃねぇか。飯だな?食ってけ食ってけ!」
「おう、大盛りで頼むぜ」「僕も」
「おうよ!今日は良い肉が入ったからな!素材活かしてステーキだぜ」
「ステーキか。美味そうだな。」「うん!」
大きく切り分けた肉を鉄板で焼きながら話を続ける店主。久しぶりに来たがやはりいい場所だな。大きな肉を焼いている匂いが鼻をくすぐる。もう腹が減って仕方がない。
「相変わらず仲良さそうで安心したぜ。タカミのほうが一人で帰ってきたって聞いたときは何事かと思ったが…。それにしても二人揃ってAランクとSランクになって帰ってくるたぁすげぇなお前ら!」
「まぁ…コクヨウは本当にすげぇよ。」
「んふふ、頑張ったからね。これでタカミに恩返しするんだ。」
「そうかそうか。親孝行だな。いや、それとも恋人か?」
「っ!?」
「ふふっ恋人の方かな。最近やっと手に入れたんだ。」
「おおっ惚気聞いちまった!街の女共が悲しむなぁ?色男」
「ふふっ元々好きなのはタカミだけだよ。」
「はぁ…勘弁してくれ。その手の話は馴れない。」
「ははっ!照れやがって。取り敢えず肉食え!」
「「いただきます」」
熱々の焼き立て肉が出され、照れ隠しに肉に齧り付く。コクヨウも笑っていたのでおそらくバレてるが…こういうことに耐性が全くと言っていいほど無い俺はやられっぱなしだ…。
コクヨウだって俺が初めてで変わらない筈だろ?なのに何だこの余裕は…。やっぱりモテる男は違うってことか?ずりぃよな。
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