転生先はもふもふのいる世界です

84

シスターに話を聞かせてもらったが有力な情報を得ることは出来なかった。手掛かりを掴むことも出来ないまま、その日の捜索は断念することになった。心配したパパ達が僕らを迎えに来てしまったのだ。レンドーレさんもシスターに怒られて寝かされていたから、また明日から子供達を探すことにして帰路についた。

ロコさんの情報を信じるなら子供達は無事。その後に気にかかる表現はあったが、生きているのは確実だろう。追い詰められている、というのが精神的になのか、身体的になのか。どちらにしろ早めに見つけてあげたほうが良い。

「ねぇパパ、ロコさんの師匠、知ってる？」

「あ？知らねぇよ。俺はロコとはほとんど関わりねぇからな。」

「そっかぁ…」

「子供達、見つからなかったんだな。」

「うん、でもスヴェンさんが知ってるって。」

「ほぉ…そのスヴェンってのがロコの師匠なのか？」

「うん」

「…まあ、頑張れよ。」

「うん！」

「クー、スイ、ククリを頼んだぞ。」

「こん！（任せろ）」「わかってる」

んー、子供達を見つける方法考えなきゃ。疲れた頭ではいい考えは浮かばないし、今はしっかり休息をとろう。順番にお風呂に入って、スー兄にお休みを言ってベッドに潜り込む。

（ククリ、あまり気負わずにな。）

「ん、ありがとうクー」

（ゆっくりお休み。）

「おやすみ」

翌日になって、朝日が登るような早朝に目を覚ます。クーと共に起き出して顔を洗って、身嗜みを整える。

「すぅ…はぁ…なーんにも思いつかなかった…」

「ククリ、早いね。おはよう」

「おはようスー兄」

「よく眠れたみたいでよかった。」

「うん、いっぱい寝た。頭は冴えてるけど、いい考え浮かばない…」

「なんとかなるよ。」

「そう…だよね。」

「ああ」

お腹を満たして早速孤児院へと向かうことにする。辿り着いてみれば、レンドーレさんも既に準備は終えている様子だった。

「おはよう、二人とも！」

「おはようございます、レンドーレさん」「…おはよう」

「早速だが、子供達を探す為に何をするべきか話し合いたい。」

「うん…でも何も思いつかなかった…」

「……」

「そうか…街の中は粗方見て回ったつもりだ。けど痕跡が尽く消されててな…この街に既にいないんじゃないか、とも思ってるんだ。」

「街の外まで探しに出るのは反対だ。流石に危険過ぎる。」

「…だよな…」

三人で…いや、スー兄は至極どうでも良さげだったので、実質僕とレンドーレさんで頭を悩ませる。そんなとき、クーが近くにいれば匂いを拾える、と言ってくれた。しらみ潰しにはなってしまうけれど、行動あるのみ！街に出て捜索を開始することにした。刑事ドラマでも言ってた！足を使うのが捜査の基本だって！！