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しおりを挟む悪感情ではなくとも、長時間様々な感情に晒されていると流石に気分が悪い…。授業中はなんとか頑張って、少し長い休み時間であるお昼に教室を抜け出して、人気の無い場所を目指す。
「ククリ、私に乗るか?」
「ううん、歩けるよ。」
「無理はするな…。」
「うん。ありがとう。周りに人がいない所だったら大丈夫だと思うから。」
「うむ、少し休んだほうがいい。」
学校の校舎から離れていくにつれて人が減っていき、僕に流れ込む感情も落ち着いていく。大きめの木に寄りかかって座り、クーを抱きしめる。そうして少し眠って体力を回復させることにした。
そして暫く休んでいると誰かが近づいて来る。最初はスー兄かな、と思ったけど違ったみたいだ。でも知らない人というわけでもなかった。クーが僕の前に出て守ろうとしてくれる。でも危ない人じゃないから大丈夫だよ。
「ん?おー、スイの弟じゃねぇか。こんなとこで何やってんだ?」
木刀片手に現れたその人は前に一度スー兄と話しているのを見かけた人だった。確かレンドーレさんだ。スー兄の同級生の人。
「ええと、ちょっと休憩です。レンドーレさんは?」
「お!名前覚えててくれたんだな!そうか、休憩してるとこ邪魔して悪かったな。オレは普段いつもここら辺で鍛錬してんだ。内緒にしといてな?」
「そうなんですね。秘密の鍛錬なんですか?」
「おう、お前の兄貴に勝ちたくてな。」
「ふふっスー兄は強いですからね。」
「それな…マジで反則級に強え…。だから、努力のしがいがあるってもんだぜ!」
なんか格好良い人だな。スー兄も格好良くて強いけど、それとは別の強さだ。折れない心を持っている。こんなにも努力出来る人なんだ、きっと凄く強くなるんだろうな。
「格好良いです!」
「お?そうか?ありがとな。なんかスイがお前を可愛がってるのわかるぜ。」
僕の頭をわしゃっと撫でて、にかっと笑ってみせる。
「っと、そろそろ鍛錬しねぇとな。ククリ休憩中に邪魔したな。またな。」
「いえ、大丈夫です。また!」
「おう。あー、従魔が相当強そうだから問題なさそうだが、気を付けてな。」
「はい!」
あ、スー兄の事を聞かせてもらいたいなーと思ってたんだった。まあまた会えるよね。同じ学校にいるんだし。それにしてもあの日本刀の形状の武器を使ってるの珍しい。スー兄もパパも剣を使っているし。ロコさんは暗器だし。
日本刀ってそれ独自の魅力があるよね。美しい刃紋に曲線を描いた形状。そしてその切れ過ぎるくらいの切れ味。レンドーレさんに今度鍛錬してるところ見せて貰おっと。
そろそろ時間だし戻らないと駄目だな。んー、ゆっくり休めたし午後も頑張ろう!
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