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しおりを挟む僕も将来的には様々な国に行ってみたい、という将来目標を立てている僕だけど、家族には反対されそうだと思ってるんだよね。特にスー兄には心配症だからなぁ。クーが僕の従魔として護衛してくれても、まだ許しを得られるかは怪しい。
そういった理由で僕自身の強化が必要だ、と考えているのだけど…。剣も出来ないし、体術も出来ない。根本的に体を動かすのに向いていない。運動能力が壊滅的だという自覚はある。
可能性的には魔法だけれど。攻撃魔法のスキルは貰っていないから、相当の修行を積まないと、使えるようにならないらしい。ママいわく、スキル無しに魔法を行使するには、魔法一つにつき、早い人で5年の歳月がかかるという。
一つで五年…つまりファイアーボールに5年、ウォーターボールに5年…といった具合になる。そしてこれは最短での想定であって、これ以上の時間がかかる可能性も否定できない。流石に効率が悪い。
いっその事、攻撃はクーに任せて防御だけを訓練したほうが良いのかな?防御に適した能力は貰っている訳だし。と思って最強の盾になる事を目指すことにした。僕のためにクーが傷付くのも嫌だしね。
「ねぇママ、僕最強の盾になりたい。」
「…どうしてその考えに至ったのか分からないけれど、取り敢えず防御出来るのは良いことだと思うよ。」
「どんな修行すればいい?」
「そうだね、考えておくよ。」
「うん、ありがとう。」
「取り敢えずは体力作りだね。」
「うん」
やっぱり冒険するのなら体力作りは必要だよね。頑張って体力つけよう。いくら運動能力がなくたって、走るくらいは出来るし。スキルについても毎日欠かさず使用して、その力を高められるように努力している。
その後ママがパパと考えてくれた防御の為のスキル訓練は、当たってもちょっと衝撃が来るだけの魔法を僕に向かって使ってもらい、只管ガードするものだ。初めのうちは少ない数に対して結界を張る。2個なら大丈夫だったけれど、3個以上になると結界を張るスピードが追いつかなくなる。
「むうぅ…」
「んー、スキルを使い始めたばかりなら上等だね。」
「…でもまだまだ!」
「ククリは努力家だね。けど、頑張り過ぎないように。」
「うん。」
攻撃が来るのが分かっていても、防げなくては意味がない。結界を張るスピードと強度…課題がいっぱいだね。課題を意識して頑張ろう。
「毎日よく頑張ったね。」
「うん!」
「スキルの使い方も凄く上達した。凄いねククリ。」
ママに付き合ってもらって頑張ったところ、学校に通うようになるまでに全包囲結界も張ることが出来るようになった。しっかりと上達したのが感じられてとても嬉しかった。ママもパパもスー兄もクーも褒めてくれたし!
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