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しおりを挟むお昼を終えて、一休みといった雰囲気で、特に何をするわけでもなく寛いでいた。まぁ僕の隣を争って決闘が始まりそうだったんだけど…。そこは穏便にじゃんけんで解決してもらった。因みにこの世界にじゃんけんは存在していなかったため、説明をするところからだった。
そして、結果として僕の隣にはスー兄とロコさんが座ることとなった。そしてそれを恨めしげに見ているノワールが正面の椅子に座っている。そして隣にやってきたロコさんが、僕に小包を手渡してくる。
「さて、今のうちに渡しておきましょう。」
「…これなぁに?」
「開けてみてください。」
「うん!」
包装を開けてみると、手渡されたのは小箱のようなもので、キラキラと輝いている。森の中に佇む狐に見える。リアルだけど目がクリクリとしていて愛らしい。とっても素敵だ。
「お祝いとして持ってきたプレゼントです。これはオルゴールなのでお部屋にでも飾っていただけると嬉しいです。」
「凄く綺麗…これってクー?」
「ええ、特注でお願いして作ってもらいました。」
「ありがとうロコさん!大事に飾るね!」
「ふふっええ。」
僕がクーのことを好きなのを知っていて特注してくれたなんて、嬉しすぎる。小箱のふたをパカリと開けてみると、オルゴールの音が流れ始める。明るい雰囲気の音楽で、なんというか夜明けみたいなイメージだ。綺麗な曲だな。
「んふふー!綺麗な曲だね!」
「ええ、私の一番気に入っている曲です。ククリ様にとっても好きな曲になると嬉しいですね。」
「うん、たくさん聞くね!」
早速部屋に飾ることにして、前に買ったデフォルメキャラっぽい置物、ミニクーの隣に置いた。うん、クーコレクションだね!
そして休憩も終わりにして、今日はやりたいことをやっていいと言われていたから、考えてみてやっぱり森に動物を探しに行きたいと思った。許可されたので今日は午後からは動物との触れ合いを目的に森に行く。ロコさんも一緒に来てくれるらしいので、テンションが上がる。
「んー、あっちに居る気がする。」
「ん、じゃあ行ってみよ。」
「うん、ありがとうスー兄。」
ママに軽食も作ってもらったので、ピクニックも兼ねたお散歩だ。小動物たちは強い気配があると本能的に危険だと思うのか、近づきてきてくれない。僕一人だったら来てくれるんだけど…。
あ、でも僕だって少しくらいは強くなってるよ?ママに護身術だって習い続けてるし、気配の消し方だって、ロコさんと会うたびに見てもらってるし。成長に伴って、動きも良くなってきたと思うし!
「んー…逃げちゃったみたい…」
「そうか……ノワール、お前のせいだぞ。」
「な!?なんで俺なんだ!俺は何もしてない!」
「何もしてないからだろ!!気配消せ!ククリは小動物に会いたがってるのにお前のせいで近付いたら逃げられる。」
「ぐっ…俺が着いてきたせいで…ごめんククリ…先に帰っておく。」
「駄目だよノワール。一緒にピクニックしよ?」
「…いいのか…?」
「うん!皆でピクニック楽しいよ!」
「ああ!」
ククリの優しさが嬉しい。だが、今度会うときには上手く気配を殺せるようになっておく、と心に決めるノワールであった。
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