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しおりを挟むヘンリーおじちゃんとネルじぃちゃんがやってきて2日、もう年末がやってきた。年の瀬というのは、なんとも言えない特別な感じがする。もう新しい年を迎えるんだなぁ。今年も色々なことがあって、沢山の出会いがあった。
今年お世話になったレオおじさんのところにも年末年始のお手紙を送った。ロコさんにも手紙で挨拶したし、ノワール君にも手紙を書いた。今年やり残した事は無いはず!これで心置きなく新年を迎えられるというものだ。
「はぁ…今年ももう終わりだな。」
「そうだね、今年も楽しかった。」
「おう、楽しかったわ。んじゃ今年も神殿に挨拶行かなきゃな。」
日本では神社に参拝に行くものだったけど、この世界では神殿に行くんだそうだ。そして今年もありがとうございました、と来年もよろしくお願いしますって挨拶するんだ。
おせち料理みたいなやつもあって、内容は少し違うけどママが作ったんだから美味しいに決まってる!楽しみだなぁ。年の瀬の定番は年越しそばだけど、そもそも蕎麦がないらしく、良い肉を食べるんだってさ。
何で良い肉を食べるかというと、とにかく縁起物らしいんだ。神様もお肉をお供えすると喜ばれるんだって。だからパパも年末前に沢山の魔獣を狩って街の人達の分の肉の準備をしていたわけだ。
「肉、クーが狩ってきたやつ?」
「俺も狩ったぜ?」
「こーん」
「クー、かり、じょーず!」
「まぁそれはそうだな。クーの方が良い肉獲ってくるんだよな…。」
「俺達も手土産持ってきてるぜ。酒と菓子だ。」
「お菓子?」
「おう、スイとククリにと思って用意してきたぜ。」
「ありがとうヘンリーおじちゃん!」
夕方のうちに睡眠を取って、夕飯にママが作ったおせち料理的なご飯と美味しいお肉料理を食べる。夜まで起きている間にヘンリーおじちゃん達がくれたお菓子を食べた。そして夜中に街へ向かう。逸れたりしないように両側を固められている。
「じゅうしんさまに、ごあいさつ!」
「おう、そうだな。混んでるだろうから、逸れないようにな。」
「クー、そばいてね!」
「こーん」
本当にすごい人混みで、歩くのも一苦労って感じだった。神殿に近づく程に人口密度が上がる。周りに押し潰されそうなくらいだ。そう思っていたら、ヘンリーおじちゃんに抱き上げられた。隣でスー兄もパパに抱き上げられてる。
「流石に潰されそうだからな。それに、結構並んでる。休んどけ。」
「うん、ありがとう。」
抱き上げられて視線が高くなる。そこから見ると確かにまだ時間が掛かりそうだと分かる。夜遅いこともあるから、眠い…。神殿に近付いたらまた起こしてくれるだろうから今はまだ寝ておこう。甘えて、ヘンリーおじちゃんの胸に頭を預ける。
「よしよし、おやすみククリ」
「おやすみ…ネルじぃちゃん…」
頭を優しく撫でる手が暖かくて安心する。
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