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 パパもクーも2時間位で帰ってきたし、皆で街に出かける。美味しいお店とかも知ってるし、お昼はそこで取ることにする。ついでにギルドへの報告と、狩ってきた魔獣の素材を売りに行くらしい。

「もう粗方狩り終えたから森へ行くのも大丈夫だと思うぜ。だから明日は森だな!」

「やったー!ありがとうクー!パパ!」

「こーん。」「おう。」

 擦り寄ってきたクーを撫で回す。ふわっふわの毛並みに手が埋もれる。ふぁぁ…至福。いつ撫でても良いもふもふだねぇ。でもそろそろお風呂に入れて、綺麗にブラッシングして毛並みを整えないと、少し乱れてきてるみたいだから。

「んじゃ、ま、行きますか。んで、飯はいつものとこか?」

「そうだよ。取り敢えず個室準備してもらえるように手配したから。」

「それならククリも大丈夫だね。」

「うん、ありがとうママ」

ご飯も美味しく食べて、一旦パパは冒険者ギルドに寄り道していた。その後街のお店を見て行った。前に来たときと特にお店が変わったりとかはしていなさそうだったけれど、品揃えは変わっていたので楽しかった。ロコさんはお酒を買い込んでいた。好きらしい。

ただ酔うことは無いみたいだけど。毒に慣らされているせいなのか、酒にも酔わないんだって。それでも晩酌するのが好きで、お酒の味が好みなんだってさ。なんだか珍しいお酒も手に入ったみたいで、喜んでいたので良かったと思う。

「ククリ様にはまだ分からないでしょうが、お酒は良いものですよ。大人になったら一緒に飲みましょうね。」

「うん。」

「でも、ククリは酒弱そうだよな…。」

「確かにね、まぁ、ククリがお酒を飲めるようになる年まではまだまだ時間があるからね。その時まで楽しみにしてよう。」

「だな!」

「成人の時には是非お酒をプレゼントさせて下さい。勿論スイ様の時にも送らせて頂きます。」

「本当!ありがとうロコさん!俺楽しみにしてる!」

「はい、勿論です。どんな味がお好みか、また聞かせてくださいね。」

「うん!」

「スーにぃ、よかったね!」

「ふふっそうだね。」

ロコさんが成人祝いにお酒をくれるのか。楽しみにしていよう。それにしても嬉しそうなスー兄とっても可愛い。尻尾が揺れてる。隣に座ってるからふぁさふぁさと尻尾で撫でられる。それにしてもスー兄が人に懐くのって珍しいかもしれない。それだけロコさんは魅力的な人だってことだよね。

「んふふ!」

「どうしたの?ククリ」

「んー?スーにぃがうれしそうだから、ククリもうれしいんだよ!」

「っ!そっか!ククリは本当に可愛いよね。」

「んふふ!スーにぃのほうが、かわいいよ?」

「えー?そんなこと無いよ、ねぇ?ロコさん」

「ふふっ私からすればお二人とも可愛くていらっしゃいますよ。」

「「えー!!」」

「ふふふっ」

笑ってかわされたけど、ロコさん多分嘘は言ってないんだよなぁ。ロコさんに可愛がられてるのは普通に嬉しい。スー兄は可愛いって言われるのちょっと嫌みたいだけど。

「ねぇロコさん、俺に色々教えてよ。」

「色々、ですか?」

「そう、ロコさん強いでしょ。俺はパパに教わってるけど、それだけだと偏るから。」

「ふむ、分かりました。明日は森に行くのでしたね。その時に少しお教えしましょう。」

「ありがとう!」

久しぶりの街も楽しかったなぁ!神殿に寄らせてもらうことが出来そうだったので、そのまま神殿に行ってきた。久しぶりの獣神様とのお話!

「獣神様ー!!会いに来ましたー!」

「おお!空紅梨!よく来たな!」

「んふふ!はい!お菓子持ってきたので置いていきます!」

「ああ、ありがとう。だが、自分で食べていいのだぞ?」

「とっても美味しかったから獣神様にもあげたかったの!」

「そうかそうか!それでは頂くとしよう。」

「うん!最近は、パパとママの仲良しのレオおじさんの所へ遠出してたんだ。それで~~~~~~はっ!話し過ぎた?」

「ふふっ楽しく暮らしているようで何よりだ。」

「うん!獣神様がこの世界に送ってくれてから、ずっと楽しい!」

「ああ、それならば良かったぞ。そろそろお別れか。またおいで空紅梨」

「うん!また来るね!」






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