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僕達が席について暫くして、レオおじさん一家が入ってきた。レオおじさんの隣には水色髪の美人さんが立っていた。その人の腕の中には赤子が抱かれている。その後ろからシグナルドがついてきていた。

「みんなおはよう、お!ククリも起きてきたか!」

「おはようございます、レオおじさん!」「「おはよう」」「おはようございます」

「はじめましてククリ君、シアだよ。よろしくね。」

「はじめまして!ククリです!」

「ふふっ可愛いね。」

「ククリは俺の可愛い弟だから。」

「スイに会うのは久しぶりだね、覚えてるかな?」

「なんとなく?」

「そうか、小さかったからなぁ。」

「取り敢えず、家の娘を紹介しよう。リリア・セーデルだ。」

シアさんの腕の中に抱かれていたのはリリアと言うらしい。リリアちゃんは、僕達を見て目をパチクリしている。知らない人に囲まれても泣かないでいる。僕なんて初対面のときパパ見て泣いちゃったのに…。人懐っこいのかな?

ママが可愛いと言いながら頬を突いている。柔らかそうなすべすべのほっぺだ。リリアちゃんはシアさん似らしく、髪は水色を受け継いでいる。顔立ちもシアさんに近いかな。目や鼻の形がレオおじさんに似てるかも。真ん丸なお目々が可愛い。

「腹減った。」

「ああ、ごめんねシグ。」

「みんな、朝食にするから座るか。」

シグナルドはとても静かだ。さっきはあんなに元気だったのにどうしたんだろう?と思ったけど、ご飯を食べたらあっという間に昨日と同じくらい元気になったので大丈夫そうだね。お腹が空いてただけみたいだ。

「スイ!明日って言ったけど、今日じゃ駄目なのか?」

「今日はククリとクーとパパと街に行く予定だから。」

「すぐ終わるぜ?」

「嫌だね。約束は明日。変えないよ。」

「えぇ?!いいじゃねぇかよ!」

「…うるさい…。」

「…こーん……」

スー兄は早速絡まれて辟易としていた。僕の側にいるクーもそっと距離を取ってるし。確かに声が大きいんだよね。

「確かにシグナルドは元気だね。レオナルド」

「はぁ…わりぃな迷惑かけて。」

「スイもクーも怒ると怖いから気を付けてね、とだけ言っておくよ。」

「あぁ、それを言われたからってシグは怒らせなきゃ分からないタイプだからな…。」

「まぁ…ククリにさえ手を出さなきゃよっぽど大丈夫だよ。」

「あいつらの逆鱗はククリなんだな。」

「因みに俺達の逆鱗もな?家族に手出されて平気な奴なんて普通は居ねぇよ。」

「ははは!愛されてんなぁ。シグは自業自得だからな…。」

「パパ、ママもう行こう。俺もうやだ。」

「待てよー!スイ!」

「はぁ…」

「おいシグ、そこまでにしとけ!」

「なんだよ父さん。」

「絡むんじゃねぇよ。嫌がってるだろうが。」

「そうか?なんでだよ、戦おうって言ってるだけだぜ?」

「うるさいってば!」

スー兄が怒鳴ってる…初めて見たや。スー兄、嫌だって言っても聞いてもらえなくてずっと同じ事ばっかり言われてたからな。

「スーにぃ、クー、いこ?」

「うん、ククリ」「こん」

「そうだね、ククリもスイもお部屋行って準備しておいで」

「はーい。」「うん、行こうククリ」

僕達は街に行っても目立たないように、貴族服から一般的な平民の服に着替えた。というか、普段着に戻っただけだね。いつもは高級な服なんか着てないし。まぁもちろんママが加工してて安全性は保証されてる。そういう意味ではよっぽど価値のあるものだと思う。

「準備出来たかー?」

「うん!だいじょーぶだよ、パパ」

「よし!着替えは済んでるな。けど…これじゃあ目立つな。」

「うん、ククリは可愛いからね。」

「…だいじょーぶだとおもうよ?」

「いや、フード被っておこうねククリ。」

ママまで!?結局街で歩くときは手を繋いで、フードを被るってことになった。そんなにする必要あるかな?逆に目立つと思うんだけど…。それにパパもママもスー兄も美形なんだから、みんなの方こそ隠すべきなんじゃ…?

馬車で移動して、セーデル領の大きな街にやってきた。レオおじさんによると、ここには様々な物が集まるらしく他ではお目にかかれない珍しい物も多いらしい。

因みに僕の心配は、現実になることは無かった。何故なら、僕の家族は気配を消すのが異常に上手かったからだ。特殊な訓練受けてます?普段街に行く時には気配消したりしてなかったからとっても目立ってたのに!今は全く持って注目されてない。僕の家族がハイスペック過ぎる件…。

「ククリ、見たいものとかあったら言うんだよ?」

「うん!」

せっかく来たからには全力で楽しませて貰おう!未だに人混みはあまり得意じゃないけど、楽しみも沢山だからね!





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