126 / 137
125
しおりを挟む秋夜はなんとかすると言ってくれた。だからきっと大丈夫。後少し…後少し我慢すればいい。と思ってたんだけどなぁ…。来ちゃったか…向こうから。しかもちゃんと俺が一人になるタイミング狙ってきたあたり…
「お前でしょ?平民のクズのくせに僕の秋夜を縛ってるのは。本当に邪魔!!邪魔!邪魔!早く秋夜の前から居なくなってくれない?お金はあげるからさぁ?どうせ金目当てなんでしょ?」
「……」
「何?無視?低俗な人間のくせに…この僕のこと無視していいと思ってんの?おいっ!!なんとか言ってみろよ。」
なかなかヤバい人だコレ。確かに見た目は綺麗…なのか?俺は秋夜とか鳴海とかシオンさんとか咲人さんとか見慣れてるからな。そんなにレベルが高いように思えないや。
というかお近づきになりたくないんですが…。俺に難癖つけながら一歩一歩近づいてくるから俺も下がる。まだ1m以上離れているけど、香水なのか何なのかとても強い臭いがする。正直言って鼻が曲がりそう。
「いや、お前誰だよ。臭いし近づかないで」
「なっ!?臭い…だって…?僕が?お前ゴミの匂い嗅ぎすぎて鼻腐ってんじゃないの!!ほんとムカつく!!」
「…うるさい。喚かないで」
「おっ前!!!許さねぇからな!!」
「…だから近づかないでよ。あ、俺にもだけど秋夜にも近づかないで。彼は俺の番だから。」
「…本当に…邪魔だよ!僕を怒らせたこと後悔するといいよ!」
……なんかすごい強烈な人だったな。怒りながら去っていった。俺も秋夜のこと狙ってるの知ってるし大分キツい当たり方した。駄目だったんだよ…コイツのせいでって思ってしまった…
俺も性格悪いなぁ…。
でも秋夜がしきりにお風呂に入る訳がわかった。あんなに臭いんじゃそりゃお風呂に入りたくなる。もういいかな…会っちゃったし。もう秋夜に会いに行こ。
「ん、如月さんどうしたんすか?ここには近づかないようにしろって言われてませんか?」
「そう…なんだけど、もう例の人と会っちゃったし…いいかなって」
「あぁ…えっと災難だったっすね…じゃあどうぞ。」
「失礼します」
溜まり場に入れば、少し驚いたように俺を見るものの、秋夜のいる所をみんな教えてくれる。進んでいけば、イライラした様子で指示を飛ばす秋夜がいた。すぐに俺に気づいて、こちらを見る。流石に吃驚してる。
「な…んでいるの?」
「秋夜、ごめん。来ちゃった。」
「あ、ん、おいで?」
「うん、ありがと。」
「えっとなんかあった?っていうか…見た?」
「ん?何を?」
「いや、さっきの俺…」
「見たよ?なんで?」
「いや怖がらせたかと…思って?」
あぁ、なるほど。秋夜は俺に優しいところしか見せたがらないもんね。確かに不安げに瞳が揺れている。
「ん?怖くないよ。秋夜大好き。」
「そっか。良かった。」
俺が構わず抱き付けば、ニコリと笑ってくれる。一旦離れて隣に座る。
「ところで何やってたの?邪魔しちゃった?」
「あぁ…アイツを排除するために手を回してた。」
「なるほど…さっき会ったけど強烈な人だったね…ボロクソ言われた」
「…会ったの?」
「うん」
「…はぁ…香夜には会わせたくなかった…」
「あはは、ありがと。俺に出来ることならするからね。」
「じゃあ俺を癒やして」
「ん、じゃあぎゅーする?」
「うん」
21
お気に入りに追加
1,275
あなたにおすすめの小説
弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!
灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」
そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。
リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。
だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く、が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。
みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。
追いかけてくるまで説明ハイリマァス
※完結致しました!お読みいただきありがとうございました!
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました。
おまけのお話を更新したりします。
え?俺って思ってたよりも愛されてた感じ?
パワフル6世
BL
「え?俺って思ってたより愛されてた感じ?」
「そうだねぇ。ちょっと逃げるのが遅かったね、ひなちゃん。」
カワイイ系隠れヤンデレ攻め(遥斗)VS平凡な俺(雛汰)の放課後攻防戦
初めてお話書きます。拙いですが、ご容赦ください。愛はたっぷり込めました!
その後のお話もあるので良ければ
過保護な不良に狙われた俺
ぽぽ
BL
強面不良×平凡
異能力者が集まる学園に通う平凡な俺が何故か校内一悪評高い獄堂啓吾に呼び出され「付き合え」と壁ドンされた。
頼む、俺に拒否権を下さい!!
━━━━━━━━━━━━━━━
王道学園に近い世界観です。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる