不良×平凡 オメガバース

おーか

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二人で観覧車に乗り込む。先に乗り込んだ秋夜さんが俺の手を引いて、乗り込むのを手伝ってくれた。エスコートまでさらっとしてくれる。俺の恋人かっこよすぎんか?

「香夜隣同士でいい?」

「あ、はい!」

「ん、じゃあ隣どーぞ。」

「はい」

「外、まだ明るいけど、綺麗だね」

「わぁ!!凄いですね!」

段々と上がっていく観覧車の中で、外を見れば綺麗な景色が広がっている。窓に張り付いた俺の横に秋夜さんも顔を寄せる。至近距離の秋夜さんにドギマギしながらも外を眺めていた。

「もうすぐ天辺…ですね」

「ん、そうだね。…ねぇ、キスしよっか?」

秋夜さんから言ってくれると思わなかったからちょっとびっくりしたけど、キスしたいな。照れるけどちゃんと言わなきゃ。

「えっと…はい、したいです」

「ん、じゃあこっち向いて」

「はい」

ゆっくりと秋夜さんの方に振り返る。天辺に差し掛かるあたりで唇が触れるだけの優しいキスをおくられる。少し長めに触れ合って離れた唇に寂しさを覚え、俺の方からもう一度口付ける。

俺の方から口付けたのに答えてくれて…唇をはみ、次第に舌を絡めるディープなキスに変わっていった。クチュクチュと言う湿った音で観覧車の狭い空間が満たされる。秋夜さんにガッチリと頭の後ろを捕まえられて逃げることも出来ずにキスを受け止める。

「…ん…ぁ……ふぅ…はっ…しゅ…やさん…」

「ん…香夜……」

「……ちゅっ…ん…く…るし…」

「んぅ……チュッ」

キスをしている間に、観覧車は天辺の高さから見て半分以下のところまで降りてきていた。はぁ…はぁ…と乱れた息を整えるように荒い呼吸を繰り返す。きもちかったな…。あと少しで観覧車が一周してしまう。

二人きりの空間も終わりだな。…観覧車に乗ってよかったな!楽しかった。
そして、いざ降りるときになって…俺は初めて腰が立たないという経験をした。

「……そろそろ終わりだね」

「はい…」

「降りよっか」

「……秋夜さん…」

「ん?」

「俺、立てないです…」

「え?腰抜けちゃった?」

「はい…」

まじで力入んなくなるのな…。…そして、俺は秋夜さんに抱きかかえられて観覧車を降りることになった。

めっちゃ見られてて恥ずかしかったけど…まぁこれもいい思い出だよね。秋夜さんは楽しそうにしてたし…。秋夜さん何気に揶揄うの好きだからなぁ。

「香夜、帰ろっか」

「はい!」

「そういえば、香夜はあの観覧車の噂知ってたの?」

「ええと…しって…ました」

「ふーん…そっか。それで…知っててキスしてくれたってことは、そういうことでいいんだよね?」

「はい」

「ふふっ可愛いね香夜は。家帰ったら覚悟してね」

「……がんばります…」

「うん。あと、発情期になったら噛むから。」

「はい」





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