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しおりを挟むヘトヘトになりながらも歩ききることができた。ここからは自由時間なので、取り敢えず一旦休憩!!4月だっていうのに…汗かいちゃった…。あっつい!!椅子にぐでんと寄りかかって座り込む。
秋夜さんは平然としてる。茜くんは藍くんに連れ帰られて、寝ているみたいだ。鳴海も咲人さんも三野瀬さんも平気そうだね…うん。
Ωだから体力ないのかと思ったけど…どうやら俺が体力ないだけだね…。
「香夜、大丈夫?」
「大丈夫です…ちょっと疲れただけなので…」
「山道キツかった?」
「…すこし…」
「んー…ベッドで寝ててもいいよ?」
「いえ、すこし休めばすぐ元気になるので!」
「そー?取り敢えず、水分補給はしないとね。何か淹れてくる。なにがいい?」
「ええと…じゃあ紅茶で」
「ん、わかった」
「澄人さん、オレもー!」
「お前はこれを飲んでおけ」
「なに?コレ」
「水分補給に適したドリンクだ。俺が作ったお手製だ」
「澄人さんのお手製?じゃあいいや!ありがとう!」
「はいはい…で?そろそろ手離さねぇか?」
「離さないよー」
「はぁ…ったく…」
秋夜さんがキッチンの方へ歩いていった。ここには、咲人さんと鳴海と三野瀬さんだけになった。あ、そうだ神谷さん…
「鳴海、神谷さんに会えるかな?この間のこと謝らないと」
「凰ちゃん?うん、呼んでみるね。多分すぐ来ると思うけど。」
「俺が謝るのに来てもらうの申し訳ないな…」
「気にしなくていいよ、僕に会いに来るついでだもん。」
「そう?ならいいかな…」
「凰李と何かあったの?」
「あぁ、この間案内して貰ってたんですけど、途中で秋夜さんが来て…威嚇フェロモンで牽制したんです…」
「…ふーん、面白いね!」
「上条…面白がることじゃない。」
「え~そう?澄人さんもそれくらいしてくれてもいいよ?」
「しない…俺がそんなことしたら問題だろうが。…まぁ、だからお前はちゃんと自衛しろよ。俺だってクビになりたくねぇからな。」
「ふふっはーい。」
それってさぁオレに何かあったら…相手に手ぇ出すかもってことじゃん。オレ意外と澄人さんに愛されてるかも。最近の澄人さんはオレに甘いし。早く番になってくれないかなー。
鳴海が呼んでくれてから、本当にすぐに神谷さんは現れた。
「ノア!」
「ん、凰ちゃん。」
「お前から会いに来てとか珍しいな!なんかあったのか?」
「ううん、かぐちゃんが凰ちゃんに謝りたいって言うから。」
「すみません、俺が呼んでもらいました。あの、この間案内してくださったのに、すみませんでした」
「いや、気にすんなよ!秋夜は独占欲強いみたいだな。咲人と三野瀬さんもいんのかよ。俺もこの班が良かったわ。他は誰がいんの?」
「前に言ったでしょ。茜と藍だよ」
「あぁ、あいつらな。楽しそうじゃねぇか。俺の班メンバー…シノとか楠とかだぜ?」
「いいじゃん。凰ちゃん抑えられる人と一緒だし。」
「それがつまんねぇんだろー?」
「凰ちゃん、今までの行いの結果でしょー?」
「はぁ…否定はできねぇ…」
話しているうちに、秋夜さんが紅茶を持って戻ってきていた。神谷さんを見て嫌そうな顔したけど…。ごめんって秋夜さん…。
「…なんで凰李がいんの?お前の班じゃないんだけど?」
「いいだろー…ノアに会いに来たんだよ」
「あっそ。香夜に近づくなよ」
「はいはい。近づかねぇよ。」
「それでいい。はい、香夜。飲みな」
「あ、はい!ありがとうございます!」
うん、紅茶うまい…
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