696 / 697
番外編2
今日の佳き日に こぼれ話
しおりを挟む
教会の周りには沢山の人が集まっていた。
招待客ではない。王都に住む平民たちだ。
貴族の煌びやかな生活に触れる機会のない彼らにとって、その世界を垣間見れる結婚式はこの上ない娯楽となる。話を聞きつけた平民たちが少しでも覗き見ようと教会を囲むのはいつもの光景だった。
勿論警備の騎士が教会を囲んでいるので敷地に入ることはできないが、華やかなドレスを着た人々が幸せに溢れた新郎新婦を出迎える姿を遠目に見るだけで彼らも幸せになれるのだ。
その中に一組の家族がいた。
ジョッシュとエミリー、2歳になる2人の娘である。
少女は華やかなドレスを着た貴婦人たちに喜んで両手を伸ばしているが、ジョッシュとエミリーは見つからないよう木陰に身を隠している。
王都の外れで暮らすエミリーたちが貴族の情報を知ることはできない。
繋がりがあるのも時々隠れてやってくるジョッシュの両親とマーサだけだ。どちらも身分を隠してやってくるので、娘は両親が元貴族だなんて思っていないだろう。今日のことが知れたのも、マーサがこっそり教えてくれたからだ。
教会の扉が開き、新郎と新婦が外に出てくる。
ワッと沸いた歓声の中、眩しそうに目を細めた新郎新婦は幸せそうに見つめ合い、ゆっくりと歩き出した。
「お義姉様、きれい……」
教会の格式も招待客の数も、幸せそうに輝く笑顔さえ自分たちの結婚式とは違っている。
あんなに嫌い、妬み、憎んだ義姉だったのに、少しもそんな感情は浮かばなかった。
それどころか、あんな最低なドレスを着て、母の望み通りに参列者たちの笑い者にならなくて良かったと心から思う。
そう思える自分が嬉しかった。
「うん。とても綺麗で幸せそうだ」
涙を流しながら小さく手を叩く妻の肩を抱き寄せてジョッシュが囁く。
「おひめちゃま!」と喜ぶ娘と3人、ジェーンとノティスの姿が馬車の中へ消えるまで見つめ続けた。
ジェーンとノティスの結婚披露パーティーはキャンベル侯爵邸の大広間で行われた。
有名な会場を押さえて行われることも多い結婚披露パーティーだが、アンジュが買い集めた悪趣味な調度品で溢れた侯爵邸を覚えている者もいる。
新しくなった侯爵邸のお披露目も兼ねてこの場所で行うことにしたようだ。
「まあ、美しいわ……」
結婚披露パーティーなので、いくら王太子夫妻とはいっても勝手に邸内を歩きまわることはできない。
それでも玄関を一歩入ったところからアリシアの知っている侯爵邸とは全く違っていることがわかった。
玄関ホールから続く螺旋階段の上にはサンドラの肖像画が掛けられている。現在の当主はジェーンなので本来ならばおかしいが、ノティスと2人で描かれるまでサンドラの肖像画を掛けておくのだろう。もう隠しておく必要もない。
生前のサンドラを知る者は肖像画の見える場所で立ち止まり、しばし故人を偲んでいた。
パーティーは盛大に催され、ジェーンとノティスは祝いを言いに来る人たちに囲まれている。
アリシアとレイヴンも2人に祝いを述べた後、少し友人たちと話をして早々に侯爵邸を辞した。
国王と王妃は結婚式の後すぐに王宮へ帰っている。レイヴンとアリシアも立場上臣下のパーティーに長居することはできない。
それでも新しくなった侯爵邸を見ることができたのでアリシアは嬉しかった。
カナリーの時のように侯爵夫妻が初めて開く舞踏会の時にも顔を出すことはできるだろうから、もう一度くらいは侯爵邸を見ることができるだろう。
「舞踏会じゃなくてもお忍びで行けば良いよ」
馬車に乗り込むと、隣りに座ったレイヴンがアリシアの心を読んだように囁く。
アリシアは驚いてレイヴンの顔を見た。レイヴンは悪戯っ子のような顔で笑っている。
かつてジョッシュとエミリーの噂を聞いたアリシアは、我慢できずに飛び出した。
あれがジェーンの転機となった。
王太子妃としてはお忍びで臣下の邸を訪れようとする王太子を止めなければならないだろう。
だけど楽しみに思う自分がいる。
「………時々ですよ。時々」
目を逸して後ろめたそうに応えるアリシアにレイヴンは嬉しそうに笑った。
王太子宮に戻るとレイヴンとアリシアはさっと湯浴みをして楽な服に着替えた。
お腹が大きくなっているアリシアはもうずっとワンピースだ。
本当はすぐにクロウのところへ行きたかったが、そうしなかったのは一度クロウに会うと中々離れられないと思ったからだ。
そしてその予想は見事に当たった。
「ただいま、クロウ」
子ども部屋に入ると積み木で遊んでいたクロウがピタッと動きを止めてレイヴンとアリシアを見る。
我に返ると手に持っていた積み木を放り出して走り出した。
「とちゃーーーっ!かちゃーーーっ!」
2人のところまで走ってくると、アリシアのワンピースにしがみついて泣き声を上げる。
クロウが生まれてから、レイヴンとアリシアが休日に出かけるのはこれが初めてだった。
まだ1歳なので曜日の区別がついているのかわからないが、2人がいない5日を乗り越えれば一緒に過ごせる
日が2日ある。本能でそう覚えているのだろう。
それなのに、5日我慢したのに、2人がいなかった。
「まあまあ。先程までご機嫌でしたのに、お2人のお顔を見ると淋しかったことを思い出したようですね」
ルクセンヌ伯爵夫人がくすくす笑う。
「よくあることですよ」とマリアンも微笑ましく見守っている。
だけどアリシアは力の限り声を上げて泣くクロウに胸がキュッと痛くなった。それはレイヴンも同じようだ。
「ごめんね、クロウ。淋しかったね」
「とちゃーーーっ!」
レイヴンがしゃがんで背中を撫でるとクロウがレイヴンにしがみつく。
レイヴンは一度クロウをぎゅっと抱き締めると、そのまま抱き上げてソファへ移動した。勿論片手ではアリシアの腰を抱いている。
「今は好きなだけ泣かせてあげて下さい」
ルクセンヌ伯爵夫人の言葉にレイヴンは頷く。アリシアと2人で背や頭を撫でて宥めながら、今日見てきた幸せな光景を話しだした。
そうしてクロウのご機嫌が直った後も、クロウが眠るまで3人で過ごした。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
最近全然書けてなかったので、リハビリ的に書きました。
公開してから結婚式はジェーン視点で書いた方が良かったと後悔(^_^;)
これも勉強ですね……
招待客ではない。王都に住む平民たちだ。
貴族の煌びやかな生活に触れる機会のない彼らにとって、その世界を垣間見れる結婚式はこの上ない娯楽となる。話を聞きつけた平民たちが少しでも覗き見ようと教会を囲むのはいつもの光景だった。
勿論警備の騎士が教会を囲んでいるので敷地に入ることはできないが、華やかなドレスを着た人々が幸せに溢れた新郎新婦を出迎える姿を遠目に見るだけで彼らも幸せになれるのだ。
その中に一組の家族がいた。
ジョッシュとエミリー、2歳になる2人の娘である。
少女は華やかなドレスを着た貴婦人たちに喜んで両手を伸ばしているが、ジョッシュとエミリーは見つからないよう木陰に身を隠している。
王都の外れで暮らすエミリーたちが貴族の情報を知ることはできない。
繋がりがあるのも時々隠れてやってくるジョッシュの両親とマーサだけだ。どちらも身分を隠してやってくるので、娘は両親が元貴族だなんて思っていないだろう。今日のことが知れたのも、マーサがこっそり教えてくれたからだ。
教会の扉が開き、新郎と新婦が外に出てくる。
ワッと沸いた歓声の中、眩しそうに目を細めた新郎新婦は幸せそうに見つめ合い、ゆっくりと歩き出した。
「お義姉様、きれい……」
教会の格式も招待客の数も、幸せそうに輝く笑顔さえ自分たちの結婚式とは違っている。
あんなに嫌い、妬み、憎んだ義姉だったのに、少しもそんな感情は浮かばなかった。
それどころか、あんな最低なドレスを着て、母の望み通りに参列者たちの笑い者にならなくて良かったと心から思う。
そう思える自分が嬉しかった。
「うん。とても綺麗で幸せそうだ」
涙を流しながら小さく手を叩く妻の肩を抱き寄せてジョッシュが囁く。
「おひめちゃま!」と喜ぶ娘と3人、ジェーンとノティスの姿が馬車の中へ消えるまで見つめ続けた。
ジェーンとノティスの結婚披露パーティーはキャンベル侯爵邸の大広間で行われた。
有名な会場を押さえて行われることも多い結婚披露パーティーだが、アンジュが買い集めた悪趣味な調度品で溢れた侯爵邸を覚えている者もいる。
新しくなった侯爵邸のお披露目も兼ねてこの場所で行うことにしたようだ。
「まあ、美しいわ……」
結婚披露パーティーなので、いくら王太子夫妻とはいっても勝手に邸内を歩きまわることはできない。
それでも玄関を一歩入ったところからアリシアの知っている侯爵邸とは全く違っていることがわかった。
玄関ホールから続く螺旋階段の上にはサンドラの肖像画が掛けられている。現在の当主はジェーンなので本来ならばおかしいが、ノティスと2人で描かれるまでサンドラの肖像画を掛けておくのだろう。もう隠しておく必要もない。
生前のサンドラを知る者は肖像画の見える場所で立ち止まり、しばし故人を偲んでいた。
パーティーは盛大に催され、ジェーンとノティスは祝いを言いに来る人たちに囲まれている。
アリシアとレイヴンも2人に祝いを述べた後、少し友人たちと話をして早々に侯爵邸を辞した。
国王と王妃は結婚式の後すぐに王宮へ帰っている。レイヴンとアリシアも立場上臣下のパーティーに長居することはできない。
それでも新しくなった侯爵邸を見ることができたのでアリシアは嬉しかった。
カナリーの時のように侯爵夫妻が初めて開く舞踏会の時にも顔を出すことはできるだろうから、もう一度くらいは侯爵邸を見ることができるだろう。
「舞踏会じゃなくてもお忍びで行けば良いよ」
馬車に乗り込むと、隣りに座ったレイヴンがアリシアの心を読んだように囁く。
アリシアは驚いてレイヴンの顔を見た。レイヴンは悪戯っ子のような顔で笑っている。
かつてジョッシュとエミリーの噂を聞いたアリシアは、我慢できずに飛び出した。
あれがジェーンの転機となった。
王太子妃としてはお忍びで臣下の邸を訪れようとする王太子を止めなければならないだろう。
だけど楽しみに思う自分がいる。
「………時々ですよ。時々」
目を逸して後ろめたそうに応えるアリシアにレイヴンは嬉しそうに笑った。
王太子宮に戻るとレイヴンとアリシアはさっと湯浴みをして楽な服に着替えた。
お腹が大きくなっているアリシアはもうずっとワンピースだ。
本当はすぐにクロウのところへ行きたかったが、そうしなかったのは一度クロウに会うと中々離れられないと思ったからだ。
そしてその予想は見事に当たった。
「ただいま、クロウ」
子ども部屋に入ると積み木で遊んでいたクロウがピタッと動きを止めてレイヴンとアリシアを見る。
我に返ると手に持っていた積み木を放り出して走り出した。
「とちゃーーーっ!かちゃーーーっ!」
2人のところまで走ってくると、アリシアのワンピースにしがみついて泣き声を上げる。
クロウが生まれてから、レイヴンとアリシアが休日に出かけるのはこれが初めてだった。
まだ1歳なので曜日の区別がついているのかわからないが、2人がいない5日を乗り越えれば一緒に過ごせる
日が2日ある。本能でそう覚えているのだろう。
それなのに、5日我慢したのに、2人がいなかった。
「まあまあ。先程までご機嫌でしたのに、お2人のお顔を見ると淋しかったことを思い出したようですね」
ルクセンヌ伯爵夫人がくすくす笑う。
「よくあることですよ」とマリアンも微笑ましく見守っている。
だけどアリシアは力の限り声を上げて泣くクロウに胸がキュッと痛くなった。それはレイヴンも同じようだ。
「ごめんね、クロウ。淋しかったね」
「とちゃーーーっ!」
レイヴンがしゃがんで背中を撫でるとクロウがレイヴンにしがみつく。
レイヴンは一度クロウをぎゅっと抱き締めると、そのまま抱き上げてソファへ移動した。勿論片手ではアリシアの腰を抱いている。
「今は好きなだけ泣かせてあげて下さい」
ルクセンヌ伯爵夫人の言葉にレイヴンは頷く。アリシアと2人で背や頭を撫でて宥めながら、今日見てきた幸せな光景を話しだした。
そうしてクロウのご機嫌が直った後も、クロウが眠るまで3人で過ごした。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
最近全然書けてなかったので、リハビリ的に書きました。
公開してから結婚式はジェーン視点で書いた方が良かったと後悔(^_^;)
これも勉強ですね……
0
お気に入りに追加
1,726
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
義兄様に弄ばれる私は溺愛され、その愛に堕ちる
一ノ瀬 彩音
恋愛
国王である義兄様に弄ばれる悪役令嬢の私は彼に溺れていく。
そして彼から与えられる快楽と愛情で心も身体も満たされていく……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる