【本編完結】幸福のかたち【R18】

朱里　麗華（reika2854）

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第2部　6章

84　しあわせな日常

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　久しぶりに抱かれた日から、また毎日のように抱かれるようになった。
　レイヴンはあの日アリシアが着ていた肌が透ける夜着をすっかり気に入ってしまったようだ。
「アリシアの美しい肌が見えるあの夜着が良いな」と強請られるとアリシアは逆らえない。
　そしてアリシアがあの夜着を着ると、レイヴンは嬉しそうに笑いながら透けて見える肌にねっとりと口づけていく。夜着を脱がされる頃には快感を得ること以外何も考えられなくなってしまうのだ。

　だけど以前のように抱き潰されて翌朝起きられないということはなくなった。
　クロウが生まれてからは朝食の後、執務が始まるまでの時間を3人で過ごすようにしている。その時間を潰してしまわないように考えてくれているようだ。

　また、行為の合間に話しをする時間も戻ってきた。
　レイヴンに背中を預け、凭れかかるようにして抱きしめられる。
　耳元で聞こえる優しい声も、話しながら頬や首筋を啄まれる感触も愛しくて心が温かくなる。
　
　だからアリシアも時々お返しをする。
　お腹のあたりにまわされた手を取り、手の甲や手のひらに口づける。指を咥えて舐めることもあった。
　ただやりすぎてしまうと2回目が始まってしまうので注意が必要だ。
　その時はアリシアも欲しくなってしまっているのだけれど。

　終わった後はレイヴンが優しく体を拭いてくれる。
　初めの頃アリシアはレイヴンにそんなことはさせられないと慌てたものだ。
　だけどこれまでもアリシアが気づいていなかっただけでしてくれていたのだろう。それならば今更慌てても仕方がない。それにアリシアの世話を焼くレイヴンは幸せそうだ。
　恥ずかしいけれど、このまま大人しく身を任せることにした。

　そのまま2人は抱き合って眠る。
　夜着はもう着れなくなっているので素肌のままだ。
　レイヴンの温もりを感じながら目を閉じると幸せな気持ちのまま眠りにつくことができた。

　そして翌朝目を覚ますと、レイヴンが優しい目でアリシアを見つめている。
　髪を撫でる優しい手の感触にくすぐったい気持ちになる。
　アリシアが顔を上げて目を合わせるとレイヴンが幸せそうに笑う。
　そうして朝の挨拶を交わし合い、軽く唇を合わせるとエレノアが起こしにくるまで色んなことを話し合うのだ。

　こうしてアリシアの1日は幸せの中で始まる。
　この後レイヴンとエレノアが、どちらがアリシアの湯浴みを手伝うのか争い合ったり、そんな2人をマリアンが呆れた顔で眺めていたりすることはあるけれど、そんな騒がしさも楽しいだけだ。　
　王宮での生活がこんなに明るく楽しいものになるなんて、人生とは予想もしないことが起こるものだとアリシアはしみじみと感じていた。

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少し短いですが…。
82話・83話は最後にもう一度イチャコラさせたいと思い、R18の話に続けるつもりで入れたのですが、R18苦手なので…。
最後にイマイチなの入れるより、本番なしでいちゃつかせた方が良いかなーと思い直してこうなりました。

2人の幸せな感じが伝わったでしょうか？

本編残り1エピソードです！（（注意）1話ではない）

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