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14 サクside
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…レイに嫌われた。
手を振り払われた。
どうすればいい、どうしたら。あの子は戻ってくる?もう二度と戻ってこないかもしれないその恐怖に足がガクガクと震えた。
バルトが何か言ってきたが分からなかった。
ねぇ、レイ…僕を拒否しないで。君がいないともう、僕は息もできないんだよ。
あんなに母親みたいにはならないと誓ったのに、僕は今、母親と同じで無様に震えている。
はっはっはっはっ。君が僕の前からいなくなる恐怖に呼吸が浅くなる。
いっそのこと、君がいなくなる前に。
僕がこの手で…
「サクッ!」
愛しいあの子の声で一気に視界がクリアになる。浅かった呼吸がつまり、次の瞬間には正常に戻った。…ほら、君がいないと僕は生きていけないんだ。
だから、ねぇ。僕と一緒に逝こ…
「…っつ!!レイッ!なにその髪の毛!!!」
振り向いたら激しく動揺した。
レイの髪の毛は、ボーイッシュに短く切り揃えられていた。
もともと背が高めで、ほっそりしているので男の子に見える。
「責任とった!!頭丸めた!ごめんなさい!!!」
急にガバッと頭を下げられ、現実に戻ってきた。
「え、え…なに、レイに責任なんて…僕が悪いんだよ。ごめん…ごめんね、だから、嫌いにならないで」
「?なんで嫌いになるの?サクこそ私のこと、嫌いにならない?」
「なるわけないじゃん!!大好きだよ、レイ」
どさくさに紛れて告白してみたけど、レイは無邪気に笑うだけだった。
「私もサクのこと大好き!」
「ほんと?じゃあずっと一緒にいようね?」
「うん!だから、私も闇ギルドにはいる!」
「…どうしてそうなったの?」
レイの思考回路がよく分からないけれど。僕のために髪を切ったという事実が分かっただけで十分だった。
手を振り払われた。
どうすればいい、どうしたら。あの子は戻ってくる?もう二度と戻ってこないかもしれないその恐怖に足がガクガクと震えた。
バルトが何か言ってきたが分からなかった。
ねぇ、レイ…僕を拒否しないで。君がいないともう、僕は息もできないんだよ。
あんなに母親みたいにはならないと誓ったのに、僕は今、母親と同じで無様に震えている。
はっはっはっはっ。君が僕の前からいなくなる恐怖に呼吸が浅くなる。
いっそのこと、君がいなくなる前に。
僕がこの手で…
「サクッ!」
愛しいあの子の声で一気に視界がクリアになる。浅かった呼吸がつまり、次の瞬間には正常に戻った。…ほら、君がいないと僕は生きていけないんだ。
だから、ねぇ。僕と一緒に逝こ…
「…っつ!!レイッ!なにその髪の毛!!!」
振り向いたら激しく動揺した。
レイの髪の毛は、ボーイッシュに短く切り揃えられていた。
もともと背が高めで、ほっそりしているので男の子に見える。
「責任とった!!頭丸めた!ごめんなさい!!!」
急にガバッと頭を下げられ、現実に戻ってきた。
「え、え…なに、レイに責任なんて…僕が悪いんだよ。ごめん…ごめんね、だから、嫌いにならないで」
「?なんで嫌いになるの?サクこそ私のこと、嫌いにならない?」
「なるわけないじゃん!!大好きだよ、レイ」
どさくさに紛れて告白してみたけど、レイは無邪気に笑うだけだった。
「私もサクのこと大好き!」
「ほんと?じゃあずっと一緒にいようね?」
「うん!だから、私も闇ギルドにはいる!」
「…どうしてそうなったの?」
レイの思考回路がよく分からないけれど。僕のために髪を切ったという事実が分かっただけで十分だった。
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