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悪寒
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「ぽんずさん、大丈夫? なんだか顔色悪いように見えるけど……」
朝一番、お世話になっている上司にかけられた言葉だ。どうやら顔色が悪いと思ったのは私だけではないらしい。
職場で元気印と呼ばれている私は「はい、大丈夫です!」といつものように元気よく返事をする。しかし、上司はこのままではいけないと思ったのか、事務長に声をかけた。
「今日のぽんずさんの顔、白く見えるよね?」
「本当だ、真っ白! ちょっと本当に大丈夫!?」
事務長が心配して下さったが、私は「大丈夫です! きっと化粧下地を厚く塗りすぎただけなんです!」と変な言い訳をした。すると、上司二人は顔を見合わせて困った顔になる。
「今日は何もしないで電話だけ取ってくれたら良いよ。気分が悪くなりそうだったら帰っても良いからね」
「そうそう。でも、体力があるうちに帰った方が良いよ。その顔色、本当にヤバいと思うから」
周りにいた人達が心配してくれたので、私はにっこりと笑って「ありがとうございます! その時は相談させて頂きますね!」と返事をした。
だが、この時の私は尋常じゃない悪寒に襲われていた。呑気に化粧下地を厚く塗りすぎたとか言っている場合じゃなかったのである。
「寒い寒い寒い寒い……」
出勤して一時間後。結局、私はギブアップした。
見かねた事務長が「タクシーで帰る? 会社からタクシーチケット出すよ?」と提案して下さったが、「大丈夫です、近いので電車で帰ります……」と歯をカチカチと鳴らしながら帰った。
私は家に着くなり、玄関に倒れ込んだ。なんとかして靴を脱ぎ、ゾンビのように這いながらリビングへと向かう。
ちなみに主人は仕事中だ。帰ってくるのは早くてお昼過ぎ。病院は今の時間帯はやっていない。尋常じゃないくらいに身体が辛くて、私は意識が飛びそうになっていた。
朝一番、お世話になっている上司にかけられた言葉だ。どうやら顔色が悪いと思ったのは私だけではないらしい。
職場で元気印と呼ばれている私は「はい、大丈夫です!」といつものように元気よく返事をする。しかし、上司はこのままではいけないと思ったのか、事務長に声をかけた。
「今日のぽんずさんの顔、白く見えるよね?」
「本当だ、真っ白! ちょっと本当に大丈夫!?」
事務長が心配して下さったが、私は「大丈夫です! きっと化粧下地を厚く塗りすぎただけなんです!」と変な言い訳をした。すると、上司二人は顔を見合わせて困った顔になる。
「今日は何もしないで電話だけ取ってくれたら良いよ。気分が悪くなりそうだったら帰っても良いからね」
「そうそう。でも、体力があるうちに帰った方が良いよ。その顔色、本当にヤバいと思うから」
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だが、この時の私は尋常じゃない悪寒に襲われていた。呑気に化粧下地を厚く塗りすぎたとか言っている場合じゃなかったのである。
「寒い寒い寒い寒い……」
出勤して一時間後。結局、私はギブアップした。
見かねた事務長が「タクシーで帰る? 会社からタクシーチケット出すよ?」と提案して下さったが、「大丈夫です、近いので電車で帰ります……」と歯をカチカチと鳴らしながら帰った。
私は家に着くなり、玄関に倒れ込んだ。なんとかして靴を脱ぎ、ゾンビのように這いながらリビングへと向かう。
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