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13話 ローカ王国に入る前のいざこざ
しおりを挟む響也とシルビーは今、リルの背中に乗ってローカ王国に向かっていた。
「ヤッホーーーーーー!!!シルビー気持ちいな」
「はい。気持ちです。」
《もう少しスピード上げようか?》
「どうする?シルビー?」
「私はこのままがいいです。」
「リル、そのままで」
《了解!》
《シルビーまだなのか?》
「おい、リルお前、この世界の人?だろ。どれが何処にあるかぐらいわかるだろ」
《それが、8000年くらい森にいたから外の情報が入ってこないんだよ》
「なるほどな」
「ローカ王国まであと、600mです。」
「意外と近いな。」
《そうだね》
リルは最初のスピードを維持しながらローカ王国に向かった
しばらくすると、ローカ王国を囲む壁防が見えてきた
「…ん?なんか、見張り台の人がなんか慌ててるぞ?どうしたんだ?」
「多分龍神が来たからみんな王国が攻撃されると思っているのでしょう」
「へー、そうなんだ。でもよ、龍神の森には誰も近づいても、入ってもいないのになんで龍神だと分かるんだ?」
「それは、ちょっと待って下さい……はい。えーと、神話の本に書いてあるそうです。銀の体に神々しいオーラを放っていると」
「神々しいオーラね……」
響也は下を見た
「所々汚れてるな」
「そうですね。」
《そんな事言わないでよー。これでも、龍神なんだからねー》
「はいはい」
そんな話をしていると壁防の近くまで来た
「よし、降りていいぞ」
《はーい》
リルはゆっくりと降下した
《降りていいですよ》
「あぁ」
「はい」
響也とシルビーはリルの呼びかけに応えてリルの背中から降りた。
「いやー、楽しかったな。なぁ、シルビー!」
「響也様、前!前!」
「ん?」
響也は前を見ると、武装をした人達が武器をこっちに向けて立っていた
「…どうして?」
「警戒しているのでしょう」
「そうか、どうしたらいいんだ?」
響也は腕を組みながら言った。
「あのー、いいですか?」
響也が考えていると一人の男が話かけてきた
「…誰?」
「あっ、私は、王国第2騎士団団長のベッテ=ブランドです。後ろにいるのは私の部下です。それと、冒険者です。」
「そう。で、ベッテさん。どうしたの?」
「それは、どのようなご用件でいらしたんでしょう」
「ん?遊びに来た」
「遊びというのは、遊びという名の戦争ですか?」
ベッテが声を震わせながら言った
後ろのベッテの部下も固唾を飲んでいる。すごい緊張感だ
「いや、ただ単に遊びに来ただけだ」
「本当ですか?」
「なんだ?響也の言うことが正しくないと言いたいのか?」
いつの間にか人化をして、人の姿になっていたリルが言った
「いえいえ、そのような事はありません。何もしないならいいんです。でも、一応この水晶に手を乗せてくれませんか?」
「絶対か?」
リルが首を傾げながら言った
「絶対です。決まりなので」
「わかった。響也、シルビーいいか?」
「あぁ」
「はい」
響也とシルビーは頷いて言った
そして、3人は水晶に手を乗せた。すると、透明な水晶が青色に光った
「大丈夫ですね。ようこそ!ローカ王国へ!!」
ベッテが道を開けて手を門の方を指して言った
「やっと入れるな」
「はい」
「そうだね」
3人は門をくぐりやっとのことでローカ王国に入れたのだった
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