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沙織(駿斗ママ)①
④
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沙織はさっそく翌日、エックスエックスの面接に出向いた。ハンバーグ屋は休んだ。初めての世界なのでドキドキする。
面接は店舗の奥の、在庫がたくさんある部屋で行われた。店長だという女性は若くて可愛い。つい年をきいたら二十四だった。沙織の他にも何人か面接にきているようで、結果は後日と言われてしまった。
二十四の店長の下で新人やるのか、と思ったら気持ちが萎えた。沙織は年上の女性が好きだ。年下はどう接していいかわからない。
そのままその辺りに山積みになっていたフリーペーパーの求人情報紙を手に取り、喫茶店に入った。最近は喫煙できるところが少ないが、この喫茶店は店内でパーティションで分煙している。おっさんしかいない喫煙席に入った。ココアを頼み、求人を見る。今失業しているわけでもないしエックスエックスを落ちたわけでもないので真剣に見れない。
スマホが振動した。
《今週の金曜日の夜、大丈夫です。飲みにいくね》
「眼鏡君」だ。沙織は朝川と別れて自棄になり、先週出会いアプリで何人かとライン交換をしたのだった。その中でも「眼鏡君」が近隣に住んでいたため、営業も兼ねて飲みにくるように誘った返事だった。
眼鏡君というからには眼鏡をかけた男なのだろう。沙織の中で眼鏡をかけている男は高学歴高収入というイメージがある。今まで眼鏡男子と付き合ったことはない。朝川も「目だけはいいんだよねー」などと言っていたし、駿斗の父親も頭も顔も悪くて目だけいい男だった。そこまで期待はしていないが、楽しみだった。
仕事探すより、男を探したほうがいいのかもしれない。沙織は求人情報紙をそのまま席に置いて、店を出た。
眼鏡君には子持ちだとは言っていない。付き合うところまで、いけないかもしれない。子供を産んでから、子持ちの恋愛の難しさは身に染みている。
とりあえずエリーにも話して、協力してもらおう。駿斗は朝まで預かってもらおう。エリーでもいいか。どちらかと眼鏡が恋愛できれば、いいか。
面接は店舗の奥の、在庫がたくさんある部屋で行われた。店長だという女性は若くて可愛い。つい年をきいたら二十四だった。沙織の他にも何人か面接にきているようで、結果は後日と言われてしまった。
二十四の店長の下で新人やるのか、と思ったら気持ちが萎えた。沙織は年上の女性が好きだ。年下はどう接していいかわからない。
そのままその辺りに山積みになっていたフリーペーパーの求人情報紙を手に取り、喫茶店に入った。最近は喫煙できるところが少ないが、この喫茶店は店内でパーティションで分煙している。おっさんしかいない喫煙席に入った。ココアを頼み、求人を見る。今失業しているわけでもないしエックスエックスを落ちたわけでもないので真剣に見れない。
スマホが振動した。
《今週の金曜日の夜、大丈夫です。飲みにいくね》
「眼鏡君」だ。沙織は朝川と別れて自棄になり、先週出会いアプリで何人かとライン交換をしたのだった。その中でも「眼鏡君」が近隣に住んでいたため、営業も兼ねて飲みにくるように誘った返事だった。
眼鏡君というからには眼鏡をかけた男なのだろう。沙織の中で眼鏡をかけている男は高学歴高収入というイメージがある。今まで眼鏡男子と付き合ったことはない。朝川も「目だけはいいんだよねー」などと言っていたし、駿斗の父親も頭も顔も悪くて目だけいい男だった。そこまで期待はしていないが、楽しみだった。
仕事探すより、男を探したほうがいいのかもしれない。沙織は求人情報紙をそのまま席に置いて、店を出た。
眼鏡君には子持ちだとは言っていない。付き合うところまで、いけないかもしれない。子供を産んでから、子持ちの恋愛の難しさは身に染みている。
とりあえずエリーにも話して、協力してもらおう。駿斗は朝まで預かってもらおう。エリーでもいいか。どちらかと眼鏡が恋愛できれば、いいか。
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