上 下
1,216 / 1,264
第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第1208話 異世界の木こりは武闘派なのか?

しおりを挟む
 ドランと別れた翌日から…考えていた。最低でもあと3週間は暇だ。そして…一人でダンジョンに潜るのか?いつもはそこで様々な考えが頭をよぎりそして行動に移せてきたが…ふむ。なにも思いつかん。もしかしたら多頭に慣れ過ぎてミラージェたちに無意識に頼っているのかもしれん。まずは…外に出て、市場を回って甘いものをかき集めるか…後ギルドで小銭稼ぎだ。

大通りに出てくると、最近ギルドがにぎわっていた。ついでにギルドと言っても上のワークスギルドみたいに商人にお伺いを立てて様々な注文とかを書いていある
ハローワーク+市場みたいな作りではなく、クエストという形で伝票が置かれていてそこに短期求人が張ってあるだけだ。いやあ…その多くはダンジョンでの採取
とかだ。後は…探索依頼だな。どうも各派閥において冒険者(プレイヤー)に頼むと有利と分かって…探索と報酬が提示されている。後は…
「…?」
 私は一つの伝票を持って…空いている受付に着いた。
「何でしょう。」
「この仕事依頼について聞きたい。」
 私が持ってきた伝票は木材の買取依頼だ。しかも結構大量だ。
「これはスラム街の一部を買い取り、ソルト商会が新規店舗を立ち上げる際に必要だそうで、丸太が4000本ですね。一本金貨4枚となります。ただし状態で減額もありうるので、できるだけ大きい木を丁寧に持って来て下さい。又丸太加工されていない木材は対象外となります。」
「丸太加工なんて冒険者ができないだろ?」
「加工は、ギルド奥の解体場で行ってください。」
「加工場があるなら…見学可能か?」
「はい、解体場は裏手です。」
 ソルト商会は…エナリシア達がいたところの商会だ。という事は例の風呂屋プランが進んだって事か?

 そしてそのまま、外に出ると…少し試したいことがあってゴーレム回路を取り出し、ニャオがやったシャドウゴーレムの作成を行う。この際に自分と重ねて発動。
自分の体を影で包んでそれにゴーレム回路でゴーレム化すると、…シャドウゴーレムスーツの完成だ。
「まずは歩け!」
 が!ががががあぁぁぁ!
「と、止まれ!」
 歩いてもらってすぐに止まったがダメだこれ。凄い揺れる、しかも頭の方がより揺れる。だから歩くたびに頭がシェイクされる。
「仕方ない、作成しなおして‥。」
 今度はシャドウゴーレムに加護を影で作り、そこに木こり道具を持たせて一緒に歩いていくことにした。形の維持はあるものの歩く方やパワーは魔石の消費と
なるので、体力使わない。ただし補充専用に一日欲しいので連続して使えないのが欠点だ。そしてモンスターを倒すべく気配を探りながら歩いて、山の奥に向かった
のだが…。
「まず敵の反応があるが敵がどこだかわからん。」
 敵はいる…と思う、視線を感じる。が…となると…
「トレントか?」
 トレントは、実は微妙に厄介なモンスターだ。よくある話で食虫植物はどうして虫に気づかれずに捕食できるのか、という話がある。これと似た感じでまず知性
がないから殺気がない。ゴーレムもないが足音で気が付く。だが植物に関してはそのままじっと待っているので、それも機能しない。殺気がないから気配感知が
機能しない。動くまで分からんのがつらい。いや、相手が攻撃当てるまで分からん。それがトレントの辛い所だ。しかも、ウォーキングプラントみたいに歩いて
移動する…その時でさえ音さえない。はっきり言って植物系は不意打ちが得意な種族だ。ただし…扱う側は問題で、栄養が満たされたトレントはまず動かんから
これをダンジョンモンスター以外だとまったく機能しない。動かない。そして何より…周りの木と区別つかん。木に種類があるのは分かる。がどう見ても雑木林で
どの木がトレントか判る方がおかしい。魔力の反応も…動かない間は木と一緒なので、区別もつかん。厄介だ。只まあ…攻撃方法も
「は?」
 と思って降雪垂れていると、木々の間を動く木のお化けがいた。正確には二回り背が低い…2mぐらいの大きさで成木みたいなサイズした、木のような生き物だ。
ドランからレベル1だけスキル譲渡で貰って向こうが持っていた鑑定を貰った。これを使わないといけない。…が薄暗いが鑑定してみるか。

ウードラTIPS:木獣生命体。木に擬態したワームの一種。内部を複数のワームが動かして生物みたいな動きを取れる。天敵である世界樹から逃げるために進化した。
ただしリーダーウードラはなく、全部のウードラの思考はリンクしており、全部焼き尽くさないといけない。ただし、栄養は足から土の栄養を食うか、口から生き
物を食うのかどっちか。

 …うっわ。何この生き物。中身に頭がないから木の特性でよく動く。…これはガワの木を叩きわれば行けると思うが、木を切る奴だと刃が折れる。どうする?というか、気が付いてないな、うろついているだけで奇襲は出来そうだが、音はしてるが気配はない。という科目重なるジャンルがあるとは思わんかった。が、取りあえず武器は…ないな、土魔法の土の矢で攻撃をするか。

ドゴン!

 …普通の木より軽くて脆い。それがぼろッと落ちると…その中には…こみ上げるものがるが、うねうねした何かが詰まっていた。これは邪悪と言われていても・・・つい連射した。いや、生理的嫌悪感でつい連射した。後悔してない。覚えてないんだ。本当に、気が付いたら、消滅して、何かが落ちていた。走って傍によると
それは…どう見ても丸太だった。え?マジ?
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

新人神様のまったり天界生活

源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。 「異世界で勇者をやってほしい」 「お断りします」 「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」 「・・・え?」 神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!? 新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる! ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。 果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。 一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。 まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

Open
ファンタジー
就活浪人生に片足を突っ込みかけている大学生、本田望結のもとに怪しげなスカウトメールが届く。やけになっていた望結は指定された教会に行ってみると・・・ 神様の世界でも異世界転生が流行っていて沢山問題が発生しているから解決するために異世界に行って転生者の体の一部を回収してこい?しかも給料も発生する? 月給30万円、昇給あり。衣食住、必要経費は全負担、残業代は別途支給。etc...etc... 新卒の私にとって魅力的な待遇に即決したけど・・・ とにかくやりたい放題の転生者。 何度も聞いた「俺なんかやっちゃいました?」       「俺は静かに暮らしたいのに・・・」       「まさか・・・手加減でもしているのか・・・?」       「これぐらい出来て普通じゃないのか・・・」 そんな転生者を担ぎ上げる異世界の住民達。 そして転生者に秒で惚れていく異世界の女性達によって形成されるハーレムの数々。 もういい加減にしてくれ!!! 小説家になろうでも掲載しております

異世界なんて救ってやらねぇ

千三屋きつね
ファンタジー
勇者として招喚されたおっさんが、折角強くなれたんだから思うまま自由に生きる第二の人生譚(第一部) 想定とは違う形だが、野望を実現しつつある元勇者イタミ・ヒデオ。 結構強くなったし、油断したつもりも無いのだが、ある日……。 色んな意味で変わって行く、元おっさんの異世界人生(第二部) 期せずして、世界を救った元勇者イタミ・ヒデオ。 平和な生活に戻ったものの、魔導士としての知的好奇心に終わりは無く、新たなる未踏の世界、高圧の海の底へと潜る事に。 果たして、そこには意外な存在が待ち受けていて……。 その後、運命の刻を迎えて本当に変わってしまう元おっさんの、ついに終わる異世界人生(第三部) 【小説家になろうへ投稿したものを、アルファポリスとカクヨムに転載。】 【第五巻第三章より、アルファポリスに投稿したものを、小説家になろうとカクヨムに転載。】

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

魔力0の俺は王家から追放された挙句なぜか体にドラゴンが棲みついた~伝説のドラゴンの魔力を手に入れた俺はちょっと王家を懲らしめようと思います~

きょろ
ファンタジー
この異世界には人間、動物を始め様々な種族が存在している。 ドラゴン、エルフ、ドワーフにゴブリン…多岐に渡る生物が棲むここは異世界「ソウルエンド」。 この世界で一番権力を持っていると言われる王族の“ロックロス家”は、その千年以上続く歴史の中で過去最大のピンチにぶつかっていた。 「――このロックロス家からこんな奴が生まれるとは…!!この歳まで本当に魔力0とは…貴様なんぞ一族の恥だ!出ていけッ!」 ソウルエンドの王でもある父親にそう言われた青年“レイ・ロックロス”。 十六歳の彼はロックロス家の歴史上……いや、人類が初めて魔力を生み出してから初の“魔力0”の人間だった―。 森羅万象、命ある全てのものに魔力が流れている。その魔力の大きさや強さに変化はあれど魔力0はあり得なかったのだ。 庶民ならいざ知らず、王族の、それもこの異世界トップのロックロス家にとってはあってはならない事態。 レイの父親は、面子も権力も失ってはならぬと極秘に“養子”を迎えた―。 成績優秀、魔力レベルも高い。見捨てた我が子よりも優秀な養子を存分に可愛がった父。 そして――。 魔力“0”と名前の“レイ”を掛けて魔法学校でも馬鹿にされ成績も一番下の“本当の息子”だったはずのレイ・ロックロスは十六歳になったこの日……遂に家から追放された―。 絶望と悲しみに打ちひしがれる……… 事はなく、レイ・ロックロスは清々しい顔で家を出て行った。 「ああ~~~めちゃくちゃいい天気!やっと自由を手に入れたぜ俺は!」 十六年の人生の中で一番解放感を得たこの日。 実はレイには昔から一つ気になっていたことがあった。その真実を探る為レイはある場所へと向かっていたのだが、道中お腹が減ったレイは子供の頃から仲が良い近くの農場でご飯を貰った。 「うめぇ~~!ここの卵かけご飯は最高だぜ!」 しかし、レイが食べたその卵は何と“伝説の古代竜の卵”だった――。 レイの気になっている事とは―? 食べた卵のせいでドラゴンが棲みついた―⁉ 縁を切ったはずのロックロス家に隠された秘密とは―。 全ての真相に辿り着く為、レイとドラゴンはほのぼのダンジョンを攻略するつもりがどんどん仲間が増えて力も手にし異世界を脅かす程の最強パーティになっちゃいました。 あまりに強大な力を手にしたレイ達の前に、最高権力のロックロス家が次々と刺客を送り込む。 様々な展開が繰り広げられるファンタジー物語。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...