魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第１１８０話 ゲーム再現の怖さを感じてしまった

　村を見て回ると宿屋も一発で宿屋だが、全員警戒して場所だけ調べてやめることにした。いやあ寝たらいきなり朝になっている可能性があるのだ。そんなの
怖すぎる。で、地図を見ると調査ポイントが書かれていて、その4か所に行けば何赤あるという…話を町長ＮＰＣに聞かされた。
「完全ゲームだな。」
「で、モンスターが出ると。」
　そう聞きつつ私達は、…かなりしょげる。飯も期待できないことが発覚して、穴掘りも4か所を回ればＯＫ。昼の馬車に乗れば帰れるというすさまじいシンプルシナリオだからだ。
「歩いていけばいい。」　
　が、どうも怪しい。ニャオもわかっているが、気配は…。
「かなり大きくて速い奴がいる。なんか来るぞ。」
　その言葉に全員が警戒・・・それは木の枝の上から、凄い雄たけびを上げて飛び込んでくる。

エボラッティtips：ある病気に侵され暴走したメガネザル。暴走しており爪にその病原菌が付いている。が巨大化以外に嗅覚が非常に発展しており匂いで相手を追いかけてくる猿。基本来ては暴れるだけなので…殺さないとむしろ森が危ない。

　巨大なサルが一気に飛び込んでくる。ミナが一気に飛び込んでくると攻撃を避け、そのままカウンターを叩き込むと…そのまま…。顔面にヒノキの棒を叩きつけ、敵は消滅した。
「これは…。」
「分かりやすいけど厄介だね。」
「こっちはビビったぞ。」
「運よくカウンターが入りましたが…。」
　どうも厄介なモンスターが多い。今の獣モンスターは見たことが無いぞ。病気なのがポイント？
「なんか怖いね…。」
　そして…気配は…。
「今のところないな、っむしろこのエリアはダンジョンと言われた方が納得する場所だ。」
「…分かった、行こう。」
　そして進むこと3時間、意外と緊張した感じだが…急に開けた場所に出た。そして…。
「何だこれ？」
　その中央に…切り株がありっ祖いて、そこにカードが一枚あった。
「これが？」
「だろうな、これが…4つ分だ。」
　私は検索をかけ、その正体を知っている。…これがイベントカードだ。これを貴族に渡せばOKだが、中味は…その貴族が触るまで不確定だ。
「これ、あと4回？」
「３回だ。だろうな。でも…これ依頼料貰った方がいいな。確か…。」
「どうしたの？」
「依頼主から聞いていた、ゲームの起源は一か月以内に・・・このカードを貴族に届ける事だ。が…そんな事やっていれば私達の冒険の時間はないぞ。」
　一応法う濃くすべきだた…こんなことバレれば…そう一か月に一枚入ればいいカードがプレイヤーなら4枚か…。
「まあ、ハズレがあるかもしれん。4か所回って…今日は帰ろう。」
「…うっわめんどい。」
「どうする？」
「…こういう時には誠実に…。だ。信頼は得難く、失いやすい。そして信頼が無いという事は…一人でどうにもならなくなった時にどうにもならなくなる。そして
困難はいつでもどうにもならん所まで拡大する。だから、信頼は常に…そう言う保険になる。」
　社会人の教訓って奴だ。現場監督やってると部下の信頼が無いと…無茶させる必要が出た時に動けなくなる。また…納期が一分一秒を争う時に効果が出てくる。
…そのために日ごろからの不断の努力が欲しい。
「分からんでもないが、そう言う物か？」
「適当な奴が上司になると地獄なんだ。ただ、適度に力を抜くことを覚えるのも必要で、それが仕事にこなれるって奴だが…それまでは最低でも信頼は保険になる。
いざという時には役に立つが…それ以外では自分が負担になる。だがな…いざという時は大抵人生で数回は襲ってくるもんだ。」
「…そうかな？」
　ニャオ少年の顔が暗くなる。
「もし経験がないなら…それだけ幸せだったと、この世に感謝するといい。そう言う奴も世の中にいるから。」
　どうもミナさんも乗る気はないようだ。