魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第１１７９話 ファストトラベルの可能性

「それは、面白そうだな、行こうぜ。」
「そうだよ。村とかそう言うシステムになっていたんだ！」
「ですね、ここまで長い森を歩くのもおかしいと思いました。」
　今回の件はどう見てもこの王都エリアマントルシュより出る話になる。そして緊急事態があっても困る。だからパーティに連絡したところ、二つ返事でＯＫを貰った。で、一応ギルドからの正式依頼となった。ただしプレイヤー間での合意がある場合はそちらの費用となる為に出発する事になる。そして聞いてみるとこの冒険者による探索は…貴族にとっては一か月に一度のガチャイベントで最悪はスタンピードが起こる。だけどプレイヤーの冒険者に依頼した時どうなるのか、そのデータはないそうで、派閥ではプレイヤーの冒険者を抱え込むべきか…その試金石として雇われた形だ。
「でも勇者君が、そんな事にねぇ…。」
「というか、俺と一緒の考えの奴多くてよかった。」
「で…どうだった？」
　ついでに大下君は女性の体は2週間もすると慣れて…何にも感じなくなった。なので、逆の意味でガッカリ来たそうで、ついでに子爵夫人でもあるが、その体はかなり綺麗で豊満な…普通程度の奥様で…うん、だからこそ飽きたんだと思う。
「俺か、うーん、大体船乗ってるときに堪能し尽くして…どっちかというとまたとかのバランス悪いって感じかな。なんだろう、男と違って何故かバランスとる
箇所が一か所ぐらい多くてそこで本気でないって感じ。」
「へぇ…。」
　こういうＴＳした側の人間は貴重な意見だ。ついでにまあ…私もミラージェと合体してるときには当然ミラージュの体を堪能できるんだが、制作時に妻の体を徹底的に思い出して作ったので、今でもミラージェの体には…気恥ずかしさと嬉しさがある。こういうところに差があるかも視点。
「馬車に乗って一日だっけ、暇つぶしだね。」
「そうだな…。」
「おーい、出発するぞ。ビスマルク村に行くぞー。」
　その声に全員が慌てて馬車に飛び乗った…

　そして、次の瞬間…ビスマルク村の目の前で馬車が走っていた。おかしいと思うかもしれない、が道中の記憶がないんだ。本当に。これがもしかして
「いつの間に付いたの？」
「いや待て、何だ！？何があった？」
「大方、特別エリア扱いなんだ村は。」
　というか私も、慌てて検索から今の時間を聞く…やっぱり一日と半分、お昼ぐらいに到着したことになっている。食料も減ってないが、というか確かにゲームではこうなっているが、それをこうも雑に再現しなくてもいい。
「…何か凄い事が起きた気がします。」
「これ、この貴族の話は大方首都だけで起きる現象の可能性もある。」
　実は村の特産品の開発と聞いて馬車に乗り、情報を聞き出しながら隣村から物を買って加工商売をしたらいいのではないかと思っていただからこそ道中の村の売り物も調べたかったが。これで崩壊した。
「さて、みんな降りてくれ。馬車掘他に行くところがあるからな。」
「次の便はいつに来る？」
「この辺の馬車は周回してるから同じ時間ぐらいには着くぞ。じゃあな。」
　村に着くと私達は慌てて馬車を降りた。質の悪いワープを見せられた感じだ。
「というか、俺が思っていた10倍以上怖い、あのこっちを向き続ける貴族娘と同じ何かを感じたぜ。」
「だよね。」
「確かに、馬車に乗る以外到達しえない村。怖いですね。」
　珍しくミナさんもあわてている。、
「さて、村だけど・・・ザ！村！だね。」
　そう、気を取り直して街を見るとむしろ人通りもなく木の塀に囲まれた平和的な村だ。そして村の外側は小麦畑があり…。村人多直立不動で立っている。いや怖いし。その異様さが分かるだろうか、一応馬車の御者にはある程度の会話はあったが村には無いようだった。
「いらっしゃいませ。ビスマルクの村です。」
　ビスマルクはドイツで有名な人物の名前だ。流石にその辺は適当な感じか？
「宿はどこだ、領主に言われて探索に来たものだ。」
「…。」
「いらっしゃいませ。ビスマルクの村です。」
　その…。
「いらっしゃいませ。ビスマルクの村です。」
　…。
「いらっしゃいませ。ビスマルクの村です。」
「離れようか。」
　私達は無言で第一村人から離れた。がこれは適当過ぎないか。
「ちょっと怖くない？まだ首都の方がリアリディあったよ。」
　流石に全員ドン引きだった。これは前途多難だ。