魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第１１７４話 ヨーロッパ的には魚より肉が安全

　そして、道中で見つけた商業ギルドに行って一軒家を借りようとすると…なんとＤＰ，ＧＰでの清算が可能だった。これは好都合と、3件の一軒家を借りた。私は
ある事を思い出して港傍の釣り小屋を借りた。そう言えば前に暇つぶしで釣りをぼーっとしてたな。そしてもう一つ怖いのが、昔に聞いた”ヨーロッパで魚が下火な
理由”だ。それが魚の管理方法にあり、魚を釣って来ると夕方まで日差しがカンカン照りの板の上に置くという。それでは魚は傷むに決まっていて…まずいに決まってる。だから魚を食うなら港の傍でないとダメなんだ。当然中世である。冷蔵庫なんて期待できない。上でもないが…だからこそメッチャングの港町では昆布や潮が主製品となっている。魚を買って運送しているのはイーハ商会だけだ。最初は商人も運んだが痛むので、すぐに諦めたんだ。まあ魚の取れるダンジョンもウルフェのダンジョンで企画していたが…海を作っても釣れるのか？メッチャングみたいな漁師がここに住むのか？と言われると自信が無くてやめた。流石にモアレとかにこういう経営は任せる範囲で街の管理を委託しているがこの辺の感覚は私には無くて感謝している。
「でもさ、いいのか、俺だけおごってもらって。アパートだぜ？」
　ユリアはアパートを一室借りることになった。と言っても最上階の…安全を兼ねた場所だ。
「いいよ。これ位なら。僕たちは郊外の一軒家だからね。」
　ニャオたちは郊外に一軒家（二階建て）をミナの分含めて借りた。どうも工房が欲しいらしくて…私も攻防を作る隙間も土地も借りてある。それに家は…自分で建てたほうが面白い。そしてそこで…私達は一度パーティを分かれることにした。一週間後までに新しい家を整備して、そこから旅に出ようという訳である。家の手入れをしたいと、ニャオも私もうずうずしていたからだ。と言ってもまずは…ＤＰのショップ機能経由でワタに指令を送る。いつもの工具なしではどうにもならない。そこで暗号付き…ショップ商品を設定してもらいそれを私が買ってアイテムを転送する。どうやって送るかというと私のカードがイーハ商会の”商会長”用のカードで依頼が出せるカードになっている。報酬は当然ＤＰや、ＧＰなのだが。そこに限定商品の形でワタに依頼を飛ばして手紙を送ることができる。この機能を使い…私が…4人とのメールを担当する事になった。ここでは専用ＳＮＳを見る機能もないし
メール機能も上の世界とは断たれている。普通の人だとできないことになっている。私たちがショップ機能が使えるようになって私が依頼を出せるからできる芸当で今回はその辺に規制が多い模様だ。
「だからと言って時間はかかるがな。」
当然今ワタは私達、主にミラージェの代わりとしてイーハ商会の切り盛りをしている。その上セットの梱包に少しかかる。そしてこっちは向こうの20倍の時間が流れる。だから気長に待つことになる。まずは町の外に出る。パーティを解散しているから一人だ。そして近隣に向かい、ダークマターで斧を作ると木を切っていく。これは検証次第だが、街から出てダークボックスに木を入れて…というか懐かしいな、ダンジョン作って最初に頃は木を切ってＤＰに変える作業で稼いでたな。今は増築用だが。家具も作るがまずは…釣り小屋だ。2階だ出にして住めるようにしたい。ベットもテーブルもキッチンも欲しい。そこで欲しいのが板材だ。がそんなものはない。実はニャオと別れて…家具屋に行ったが…そこで立ち眩みがした。そう、建築技術も中世並みで両手で引く大部のかんなで木を削っていた材を作っていた。のこぎりは無くて…効率の悪さが段違いだった。あれをやっている家具屋に頼むくらいなら自作したほうがいい。ただ、しばらくしたらこっちにニャオが来て出発の合図をするそうだから…というか合図用の依頼を送っておいた。カードで出来る奴だ。