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第23章 それでもやっぱり領地開発したい

第1101話 報酬は君がここにいる事だ。

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 後の判断は任せ、近くの宿屋に泊まった。その間に他のダンジョンコアに手伝ってもらい、スキャニングを展開。5つのコアで分業をしつつスキルを取得してもらった。私はこれでこの回の報酬はもらった訳だ。異世界人は…分かっているだけで柴崎とジャンがいる。そしてダンマス5名もいる。これだけあればショップの分担も可能で、きっと利益になるはずだ。後は彼女の自由にすればいい。それに甘言
荒れも言わないが…チートスキルだ。大方エルドア氏は甘言に引っかかって…今の決断をしている。無意識に説得されたんだ。と思う。だからこそ。島原は商人特化編成ビルドだった。やれば天下を取れる能力はあった。それに気が付かない…って事だ。世の中にはそう言う…奴は多くいる。まるで…運命のように…自分の部下にも上司にも…天才みたいな見ほれるような腕の営業の腕や設計、トークの達人もいた。が、だが決まってその上の成績を持っているのは何も持っていないような凡人だった。コネも腕もない凡人だった。そして、数多くの失態をして去っていく上司も多くて…そんなやろうと思えば上を狙えたのに…という奴をそれこそたくさん見た。そしてそう言う奴に限って…上に行くのを嫌がった。
 彼女も惜しいものを持っていても…それを使う事は無かった。だから…彼女はここまで普通の女の子として、いや奴隷となっても生き延びたのだ。スキルを使っていれば…エルドア氏相手でも実は警戒しないと危ない。あのスキルは…ある意味…禁断の果実だ。それ位の利便性もある。
「大丈夫ですかお客さん。」
「いや、すまないね。」
 この宿屋は普通の素泊まりではない食事付きの宿屋だ。特に旅に出る商人たちの多くは食いだめをしたり、それはもうひもじい生活をして商売の旅をする。これは地元の商人に聞いていた。食料をいくら豪華にしても、安い食事しか買わないから、ウルフェに聞いてみたところ、こういわれたらしい。商売の利益、車に載せる食料の量。様々な物を計算して移動する彼らは食事も基本限界まで削る。豪華な食事は町について、商売が終わった後だ。ここでうまい飯を食い貯めておかないと…旅で行き倒れる可能性さえある。だからこそ、こういう食事が豪華な宿屋は商人向けである。が悲しいかなそう言う行商人向け宿屋はこの国には少ない。最貧国のレッテルと。隣の国の方が…食料も多くてうまい。商人が多いという事は各国の素材の食糧が食えるって事だ。大抵の行商人はこっちには来ずに対岸の南の国に泊まり、商売をする。ここに来る奴は少ないんだ。
「ここに泊まる人は珍しいからさ。」
「そう言う態度が、高給宿だと嫌われないか?」
「この安さでこれだけ出しても客が来ないんだぜ?」
 シードルをお酌に来た少年にお酌をさせる。ここではバル形式で最初にお金を払えば食事と酒が食べ放題飲み放題のコースだ。ただしそれでも結構他の宿よりは高めなので、ここに来る客は少ない。実際泊まっているのは私一人だ。しかも一人だけだ。妙に広い…100人は入りそうな大ホールか社員食堂みたいな店だ。
「閉休期か?」
「そうだね、冬は…もうすぐ冬だけど川って寒いだろ?移動は基本春から夏なのさ。この辺は冬に雪も積もるからさ。むしろ泊まった…イーハさんが珍しいのさ。」
「まあ、私はしばらくしたら仕入れに行かないと…かなり長い旅だからな。」
「うちの酒はイーハ商会の酒だからさ。安いけどな。」
「安くても手間はかかるんだ。美味い物はうまい。」
「そうだな。この辺ではこの酒の味を知らない飯屋はないよ。甘いけどね。」
「甘酸っぱいだろ?」
「でもシードル酒って何の酒何だ?」
「そうだな。今日は持ってるな。」
 ダークボックスを懐でごまかしつつ完熟リンゴを取り出す。
「甘いぞ。」
「カーちゃん。こっち来て―。」
「なんだい}
 厨房の奥から、奥さんが一人…かなり恰幅がいいな。
「ああ、イーハさん。」
「これ、シードルの酒の元だって。」
「え!これが!?」
「甘い。本来はこうやって食うんだ。酒は副産物だな。」
 そう言うと近くの食事用ナイフで切り分けて…適当な皿に盛って渡す。二人が食べた反応は…顔が凄い頻度で変わるから。脳内でレポートでもかましてるのか…いや、脳が処理しきれないんだな。この辺では殆ど取れない味だ。果物はそう言えばここで見た事無いな。
「え?これ!?」
「甘いよ、かあちゃん。」
 実際のリンゴは甘くてうまい。さっぱり感もあり、食後を整えるに十分な果実だ。そう言えば青森りんご…寒い所に会うか?
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