魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第２３章 それでもやっぱり領地開発したい

第１０８７話 分身が出来ても情報の統合に時間かかる。

　まず、身体とステータスを分け、城、彼女の部屋そして本体は聞き込みを行う。実はこのスライムの分体を分裂させ、体を統合する時に記憶も統合するのだが、その分裂時間が長いほど、統合している時間気を失う。なのでこれに関しては…双頭の方が効率的である。これも統合する側が”二人分の人格”があるなら、そのうち一人に統合を任せれば、一人分はうまくいく。が、不能時間は長くなる。良し悪しである。ただし無駄な情報が多い場合は短縮できるので、小間使い程度なら、何とかなる。さて、聞き込みと行くか。もう一つは分けたステータス分は…頭が回らなくなり考えるのも遅くなるって事だ。

　・・・これ思ったより致命傷だった。とりあえず孤児に命を助けてもらったとして、その店の評判を聞きに行ってみた。そうしたところ、評判はかなり悪かった。というのもまず、甘味は匂いが凄い。そして、この店、周りに密閉が無いため甘い…空腹にさせるというか、妙に腹いっぱいにさせるというか複雑な臭いが近所にばらまかれる。んで、腹をすかせた子供が行っても高級品の砂糖だ、買えるわけない。その為周囲の人間は気が狂いそうな思いで店を見ていた。なお少年に甘みを作らせて売っているが、実際は保存できるはずもなく、シルキー側がダークボックスで保存していた。で、そんな少年２名を過酷な労働をさせ、搾取するのが島原瑤子というわけだ。そう言うイメージである、そして街の酒場ではあの女がどこかに大量の甘味を隠していてそこを見つけ次第襲って、大量の金になる砂糖を首都に売ろうという計画がある。なお、首都では”でんぷん糖”があるので、甘みはそれなり安値で存在しているが、それでもこっちは結構粗雑なつくりで向こうは精製済みの上にかなりの上質砂糖だ。それはもう…高級品と認識されていた。こうなるとその辺のおばさんでさえ敵になるレベルだ。但し近所が一線を越えないのは領主の一家がここを目にかけていて警備の兵士が時折通ってくれているからだ。本気で怖い。
　んで、彼女の方は一日スライムの体の自分が張り付き観察したが、基本は寝ている…のではなく売り上げを貰った後にそれを消滅させ…薄い本を買っていた。しかも趣味のだ。そしてそれを満足できるまで味わうとその本を売り…金に換えていた。基本ベットから動かない一日だった。その為、すぐに引き上げてきた。お互い気が付いてないぞこれ。
　そして、領主の方は…まずは検索で予備知識を得たうえで１日に観察。この領主家は意外と健全で、というより初めて知ったがこの第３の都市と首都、後川下の第２の都市の三つだけが都市で後は開拓村がしかなく、特に陸路は”川下りの上流に船を運ぶ”為の商人が通るという意味での街道沿いの要所だった。で、ここが補給点で売り上げはそこそこある。なお、ここから第２の都市に向かって船を運びそこから船で対岸に渡るのが一番”安い”ルートだ。どうも対岸の国は陸路の国境に検問を設置して”租税”を取っていてこっちはそれをしていないらしい。その為船で向こうに渡れば租税回避となるらしい。その為そこそこ裕福だったりする。肉も近くの開拓村からくるし、当然ここに食料を売りに来る商人も多い。第２の都市はもっと栄えているそうだが。そんなこの第３の都市は信用できる腹心の数が足りない弱小領主。４男であっても知識人の数は足りないので、大切は幹部でもあり、主に４男君は”行商隊”を率いて領主家の必要な物資を他の国に買いに行く仕事をしている。ただ、それも問題が出てきた。熱を上げている女性が引きこもりの上に体が弱いらしく…その様子を見たい彼は行商隊の出発をできるだけ遅らせているそうだ。なお、島原女史はステータスが低いだけで、あれで健康体だ。その為に４男の立場はどんどん悪くなっている。そこで揺れ動く恋心と言った感じだ。が悲しいかな…この世界にステータス不足による弱さを知らせる”鑑定モノクル”とかの鑑定系は領主家は持っていなかった。という事だ。そして領主家は最近ようやく王家でクーデターが発生し国政が合議制になったことを知ったので、４男を情報収集に派遣したいそうだ。後ろ盾がな配ればこれ、彼女死ぬぞ。そしてこれは不幸しか生まない。